青砥ユアエルムイベント 1997年12月14日 | |
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半月ほど前、偶然知人から耳に入った情報だった。「青砥でイベントあるんですよ」 話を聞いてみるといわゆるショッピングセンターのチラシの裏に告知が書いてあったらしい。 まさしく“イベント”らしい“イベント”だ。それもBOOMERとネプチューンの共演と来ている。 都内でのイベントということを考えると、すいぶん大胆なことをやらかすなぁと正直思ったものだ。 なんでも、今回のイベント会場は昔からお笑いタレントなどを毎年呼んでイベントをするという 地元では有名なショッピングセンター(駅ビル)らしい。 それにしても、高島屋などで道路にはみ出すほどの人を呼んでしまったり(あの時は会場が急遽変更になった) 3分でチケットが売れきれになるほどのネプチューンをいまさら営業という形で使っても平気なんだろうか・・・ 一抹の不安が胸を過ぎった・・・というよりもこのイベント自体あんまり信用していなかったのだ。 (情報をくださった友人を信じていないワケではなくって・・・もっと策略じみたものを感じていたのである) 実は「ネプチョーン」だったりするのではないか・・・そんな考えで当日は現地にむかった。 当日、友人が現地で先に場所をとっておいてくれる手はずになっていたので 少し余裕の11時頃現地に到着。一瞬場所がわからなかったのだがすぐに人混みを発見。 パチンコ屋みたいな入り口を入っていくと人、人、人で埋め尽くされていた。 会場は2階テラス部分からタレントが顔を出すしくみになっていて、横に長い。 前後はそう広くはなく、それに加えステージが2階なため一番前まで押し寄せると一番前の人は全く見えないワケである。 左右に入り口があり、そこには少しでも会場に入ろうという人がスタンバっている状態。 そして何よりの気がかりが全面ガラス張り・・・。 おいおい・・・本田芸能は(今もいるのだろうか・・・)来ているのか?大丈夫なのかぁ。バイトの警備の兄さん笑ってるよぉ。 私は無事友達を見つけることができ、そこに入れてもらうが、一度確保した体の場所は向きを変えることすら不可能で 背中側にいる友達とは結局イベントが終わるまで顔を合わすことさえできない状態だった。 これがまだ開演2時間前である・・・。足を一度上げたらもう足の置き場はない状態にすでに疲れ気味の私。 開演予定15分ほど前から、司会のクロベー(懐かしいでしょ〜)が出てきて穏やかに 「このままだと危険なので中止になってしまいます」と注意を呼びかけるが、その説明の間にも外の人間が 押し寄せるため私の体はどんどんと中央へと押しやられている・・・。ガラスも割れるだろうが将棋倒しも考えられる。 クロベーさんの穏やかな口ぶりがなんだかヤケに恐い気もするし・・・。 そのうち会場内にいる(徹夜組もいたらしい)ファンから「おさないでー」「入ってこようとする人を腕力ででも駆除してくださーい」と 学級会ムードが広がるし。しかし、そんな中でも私の周囲にいた小学生・中学生のガキンチョは 「この位置じゃないと写真撮れないし」と前が少し余裕があっても足を踏ん張って 自分のいいポジションを確保するのに必死だ。げんこつで殴ってやろうかと思った、ホントに。 この頃、私と友人は「BOOMERとネプチューンどっちが先だろ?」と話していた。 キャリアでいったら、当然ネプチューンの方が先に出てくるはずだ。しかし、このマナーの悪から考えてもきっと ネプチューンのファンが大半なのだろう(こんな判断の仕方を身につけてしまった自分が悲しい・・・)。 そうするとネプが先だと、BOOMERの時にだらける可能性は大である。中には失礼にも出て行く人もいるかもしれない。 そんな心配をしているうちになんとか、イベントが始まる方向で動いた。司会が呼ぶ名前は「BOOMER!」やっぱり・・・。 BOOMERが出てきて、トークのはじめがネプチューン情報。 堀内さんは下痢でトイレ駆け込み(あげく、まだ控え室にいてもいいのにBOOMERにくっついて舞台袖まで 来てしまっていたらしい)、名倉さんはいつも通り愛想がなく、泰造さんは遅刻。 遅刻してきて第1声が「タクシーの運ちゃんがさ〜っ。道間違えてさぁ」と、キレてたそうです(笑) また、ボキャブラで「河田と堀内が洋菓子食べ歩きをしている」という情報が流れてからというもの 行く先々で「何を食べているのか?」と聞かれる河田さん。堀内さんに「何食べているって言っておけばいい?」と聞くと 堀内さん「レアチーズってことにしといて」・・・。レアチーズ・・・ぷぷぷっ。 まぁ、この話の間もとにかく写真のフラッシュがすごいすごい。 しかし、さすがオトナの河田さん、観客を落ち着かせるのが上手・・・。すっとネタに入った。伊勢さんもさすがの芸歴(笑)、 ネタ中に河田さんに向かって「嵯峨根!」と叫んだ客がいたけどそれもうまく交わして始終笑顔。 このイベント、本気かどうかはわかりませんが、BOOMER自ら「ネプチューンより前にしてください」と自己申告したとか。 理由は「ネプチューンだけ見て帰られると困るので」 あげく、最後のトークでは「前説やってもう何年ですから・・・」 うわ〜、ネプに対してのプレッシャーというか、こういうファンを 集めてしまうネプチューンに対しての、何か意味のある言葉に思えてしまう〜。 さてさて。ネプチューンを呼ぶ前になって、また中止の可能性が告げられる。 絶対に押し寄せないでくださいという会場の注意の割には外の警備体制が相変わらず弱い気がする・・・。 そしてネプチューン登場・・・と思わせておいて原田さんの代わりに伊勢さんとの3人で登場。 本来ならここで笑いをとって、ひとことふたこと絡みをみせて楽しませてくれる・・・ハズだったのに・・・。 案の定、ファンが押し寄せてしまって3人は「ぎゃあー」という歓声だけを聞きながら引っ込んでしまった。 引っ込むときの名倉さんの顔が、思いっきり呆れ顔というか「もう、ええわ」みたいな顔してて怖かった・・・。 もう一度、なんとか最後のチャンスという形でネプチューンが再び登場。 名倉さんがさっそく会場の異常な盛り上がりぶりを抑えようと声を発するが、すでに歓声に消されている。 名倉さん「中止になったらねぇ、せっかく俺たちも朝早く起きて電車に乗って来たんですから・・・ねぇ」 原田さんは深くうなずいている。 堀内さんは「こういう心霊写真ありますよねぇ〜」会場爆笑。よし、この調子だっ。 しかし、笑い終わればまた「ぎゃあー」って・・・。もう、芸人さんにしゃべる間を与えないファンって何?虫?(なんのこっちゃ) ここでいつもの原田さん「だまれ、コノヤロっ!」 いつもは半分、お決まりのセリフとして笑って聞けたりするけど、今日はマジだぞぉ。気付け〜、みんな。 なんてったってBOOMERに少しばかりとはいえ迷惑を掛けているんだし。 名倉さん至って穏やかに「だまれコノヤロー”っていうのはおこってるのよ。わかる?」 うひょぉ・・・。リーダーとしてキツい立場だよなぁ・・・。 ここで珍しく堀内さんまで、BOOMERのネタの最中の「嵯峨根!」発言を注意した。 堀内さんといえば和ませ役に徹しているのがいつもの姿なだけに、 今回のイベントがいかにヒドい状態なのかを思い知らされた。 ネタを書くことが多い堀内さんにとって、コントという流れを壊されるつらさが身に染みたのでしょう。 会場の熱気からか2階テラス部分にいる3人の所がどうも空気が薄くなっていたらしく 原田さん「いっぱい人いて、空気吸い過ぎ。うえ、空気少ない」 名倉さん「ほんと少ない。息苦しい」 下もかなり暑くって体中汗かいてたけど、それよりも何よりも私は心苦しかったぞ・・・。 ぎゃあぎゃあ騒ぎ止まない観客に対して、名倉さん、原田さんが何度かブチぎれたあと 名倉さん「もうね、いいです。コントやりましょう。もう時間もないですから」うわ〜、諦めに入っている・・・。 しかし、ここでも観客は黙らない。奇声を発し続け、写真を撮り続ける。 私はというと友人と「やばい、やばい。まずいよ、怒ってるよ、かわいそうだよ」と小声で話していた。 黙らないままのファンをほっとく形でショートコントに突入する3人。 名倉さんなんか、ただ“こなす”といった感じが全面に漂っている。 「ドラキュラ」「狼男」「宴会芸」「ここまで出てるのに」までやったところで 名倉さんが時計を覗いて「あぁ、もう時間がありませんね。ということでネプチューンでした〜」としめ。 うひゃあ〜。ショートコント4本・・・。それもかなり投げやりに・・・。 あげくネタ中、「アキラッ!」との観客の声に原田さんが顔をこわばらせたのを見逃さなかったぞっ。 その証拠にいつもなら必ず最後にアキラポーズをサービスしてくれるのに、今回はナッシング。 なんなのだ、こいつらは。会場に無理矢理入ってこようと押しかけ中止にしかけた外の客もヒドイが 無事会場内に入り込めた客は客で、ネプチューンに嫌な思いをさせるだけとは・・・。 こんな会場にいた自分がかなり恥ずかしく情けなく思えた。何のために早起きして来たのだろう。 好きな人が傷つくのを見るため? こんなイベント、中止になればよかったんだ・・・。ちきしょー。 [フォローのコーナー] 今なら絶対行かない。 |