渡辺プロライブ １９９８年２月１９日原宿クレセントホール

最近、渡辺プロライブというと気が重い。気分は自閉症。原宿駅についたとたんに気分が滅入る。
原宿駅から明らかにわかるのだ、ナベプロライブの客が。独特の雰囲気(ガラ悪系)が漂ってくる。
入り待ちで本人たちと逢えたのだろう。テンションが高まっているファンの中には大声でどこまで
近寄れたかを自慢しながら歩いてくる子たちもいる。芸人さんの名前はもちろん呼び捨てだ。
このファンの中に私も混ざりにいくのだな・・・と思うと、足も気分も重くなる。
とはいえども、私の目的とするのは何もこういったファンに会うことではなく、会場の中で客を待っている彼らなのである。
ここは我慢して突破する以外ない。頑張ろう。
会場前につく。知った顔に会う。ちょっとだけホッとする。とはいえ、先ほど自分でつけた決意のせいと、
ライブ直前で自分なりに舞い上がっていたせいで無口になる私であった。

さっそく開場の話をしよう。最近、ナベプロライブは番号順に入れない。
番号を１０番区切りにして、ぴあとファンクラブのまとめて総勢２０人をバラバラに入れる。
だから１９番の人が１０番の人より前に入ることも全然可能なのだ。中には悪い番号だからといって
前の番号の友人に席取りをお願いする悪い輩もいる次第だ。しかし、これもある程度いい番号ならば
腹も立つ話だが、今回の私のように１１０番を超えると、こんなこともどうでもよくなってくる。
この制度のせいなのか知らないが、椅子も詰めて座っているワケではないので、今回、
運よく出来ていた穴場の席に座ることが出来た。すぐ１列後ろは関係者席。

まず始めにネプチューンの３人が登場。健ちゃんが髪をまたちょっと脱色したらしく、いい感じの色になっていた。
(泰造さん黒髪支持派のみなさん、安心してください。泰造さんはまだ黒髪のままです(笑))
健ちゃん「原宿クレセントホールにようこそ。クレッセント堀内です。」
名倉さん「健おかしかったな、この前。飛行機に乗ってて、泰造が歯が痛いって言っててスチューワーデスさんに
熱さまシートとかバファリンもらってる横で健、金縛りにおうてて(笑)」
泰造さん「口、全開っ(笑)」
痛む歯に苦しむ泰造さんと、横で口を全開で金縛りにあっている健ちゃん。
この２人を見て名倉さん「気持ち悪かったな～」(笑)。名倉さんは飛行機の一番前の席に1人で座っていたらしい。

最初は１８ＫＩＮ。前回はほめたけど今回は・・・。
ネタがどうしてもこの時期「長野オリンピック」に行ってしまうのは仕方ないんだけどね。
ナベプロに限らず、かなりのライブで打ち合わせしているハズなのに不思議なことに１つのネタにみんながかぶることがある。
今回、この１８ＫＩＮの時点で、今回のかぶりネタは「オリンピック」だな・・・と思った。(ＴＩＭがかぶった)
オリンピックと宇宙人をからめて・・・のネタだったのだが、この宇宙人部分のネタは面白かった。
ミステリーサークルはレッカー移動された後だったとか、観光地に売っている大きい鉛筆は宇宙人用だとか・・・。これはよかった。
途中、「宇宙人を信じる人？」と客席に手を挙げさせ、「ラ・ママだったら終わってるな」とオチをつけたのは最高(笑)。
(説明*ラ・ママで行われるライブで客席で札が１０コ上がったらネタ終了という名物コーナーがある。芸人にとっては酷な企画。)
久々のダンサンブル。とはいっても、この人たち久々すぎるのか私の中では見た記憶すらない(笑)。
もしかしたら本当に見たことないかも。監督と役者のコントなんだけど・・・舞台設定がありがちなだけに難しいねぇ。
後半、１人が下半身パンツ一枚になっていたんだけど、前の方の人たちにはかなり見えてて(笑)逮捕寸前だったとか、ないとか。
ネタが終わったあとの拍手が少なかったのが印象に残った。
そして前回ボロボロに批評してしまった野上だが、今回はよかった。ネタは「勉強クラブ」。
野上お兄さんがテレビの前の良い子に語りかけるという設定なんだけど、所々押し迫ってくる現実感の表現方法がいい。
「お兄さんはこーんなに元気良く歌えたけど、借金は３０万円あるんだっ♪」
「お兄さんは今年で３０歳、戦時中だったら、徴兵令もらってたねっ♪」
「おっといけないお兄さん、国民年金を払っていない自分の生活に不安を感じてしまったよっ♪」
「おっといけないお兄さん、今日の日付一杯で水道が止められることを思い出したよ。
うちの水洗トイレ、もう水洗じゃなくなるんだねっ♪」などなど。この微妙に大人の哀愁が漂っていたのがとてもよかった。
いつもここから。ネタが１月のラ・ママと同じ「偉そうなのに」。ネタ自体が面白いので、２度めだけどいい。
オチが変えてあったし。それにとつとつと読む方の人が、独特の訛りがあっていいんだよね(笑)。
最近、ますます好調のやるせなす。今回は思い込みの激しい店員・石井のいる喫茶店に来る客・中村。
石井さんのボケ方もまずいいし。中村くんのどんな時もさりげない現代性を失うことのない芝居ぶりが自然で見てて気持ちいい。
目にまつげが入ったといってデートの席上、トイレに行く中村を見て、「絶対、う○こだ！」と言い張って
出てきたところに匂い消しを噴射する石井。“サービスですから”・・・・。
単独ライブも５月にあるので、まだ一度も見ていない人は是非っ！おすすめです。
アクシャン。チカンをして捕まった男と捕まえた男のネタ。ま、このシチュエーションにありがちな逆転パターンですな。
それ以上、何も言うことはないです。杉崎さんという方が相変わらず年のわりにスーツが似合うな・・・と思っただけで。
これだけいい男なんだから、それをもっともっと逆手にとって欲しいなぁ・・・と思うのは私のワガママかしら。
今年はブレイクするのだろうか・・・ビビる。今回は借金のために人を殺してしまった大内と、それを目撃していた大木。
大木さんのキャラの特異性はいつものことだが、今回は戸惑うばかりじゃない大内さんがいい味出していたと思う。
ついつい大内さんの方が弱くなってしまうから、今回のように凶悪めいた役柄で、飄々としたキャラの大木さんとぶつかった方が
面白いと思った。がんばれっ、ビビる！(情報*大木さん、青い蝶ネクタイをバレンタインの日に燃やしてしまいました。)

金の卵コーナー。ピートムのお２人が髪を切っての登場。桑原さんが・・・髪短いっ。
そして今村さんが錆びた鉄のような色の髪に・・・。
まずは本田大悟。素朴な感じの１７歳。会場からは「かわいい」の声が。でも、ヒゲは濃い(笑)。
日常生活についやってしまう事という“ふかわりょう”さん系のネタを持ってきてました。(今回、ふかわさんは休み)
「進研ゼミのＤＭのマンガだけ読んでしまう」「学校の先生をお母さんと呼んでしまう」
「体育館への移動の時つい“背の順？”“出席番号順？”と聞いてしまう」(これには大人の関係者席からも笑いが・・・。)
吉川。となりの晩御飯風に、大家さんが借り主の学生の自宅を親に頼まれたからといって探るというネタ・・・。
ツッコミの子の頑張りは毎回、わかるんだけどねぇ・・・。あと一歩ですな。
ヘルシーサンデー。公園でひましている大学生を落語の道へ誘おうとする落語家の話。悪い人ではなさそうだけど(笑)
ネタの選びが・・・。もう少し、客層に合わせた笑いを提供してもいいんではないのかな～。あまり媚びる必要もないけど・・・。
田村ゆきこ。ネタは“こんな先生はいやだ”。太田プロのところにも書きましたが、西岡すみ子さんという芸人にめっちゃ
キャラかぶってます。そして私は西岡派です(笑)。ま、風邪をひいてもの健闘ぶりはたたえましょう。
ということで、今回の優勝は１番めの本田大悟くんでした。今後も期待が持てそうな彼です。

ここで太田プロからのゲスト、ノンキーズ。昔はえらい嫌いだったんだけど・・・最近はかわいい弟を見る気分で
白川くんを見ている自分が怖い(笑)。ネタは９日の太田プロと全く同じのアップさんの伝言ネタ。
次に出てきたのはＴ・Ｉ・Ｍ。登場と同時にものすごい歓声がして驚いた。なんでもレッドさんの人気が最近すごいらしい。
ついボーッとしていたら、ゴルゴさんの手からなんか白いものが宙を描いて飛んできた。歯磨き粉？と思いつつ、
その行方を目で追っていたら私の横に落ちた(笑)。ライブ終了後、それを拾ってみたら
(後ろが関係者だから誰もこの落下物に興味を示さなかったようで・・・)葉巻だった。とりあえず持ってかえった(笑)。
残り物には福がある・・・棚からぼたもち・・・、そんな感じで運がいいようだ、今日の私は。
ネタは「ウンナン演芸場進出計画」の時に披露した雪男の話。どうしても途中で飽きてしまう・・・。
葉巻はもらったくせに・・・(笑)。今日は「シャネチ」に対抗して新しく「ギャネチ」というワザをレッドさんが発表してました。
さてさてお待たせです。ピーピングトムの登場です。今回、金の卵コーナーの時点で
「今回の俺等のネタはある意味、実験的な・・・」と意味深な発言をしていたのですが・・・。
登場したのはＡＤに扮した桑原さん。まずは前説。ライブ会場の客を公開録画の客に見立てて拍手はさせるわ、
掛け声かけさせるわ・・・。これだけで充分実験的ですわ。
そして登場したのはブルーバード今村。ブルーバード今村は、そんじょそこらのホストに負けないいでたち(笑)。
「ブルーバード今村の解決ズバッと！」という番組で主婦のお悩み相談に答えるという番組形式で、照明に凝るは
ダンシング付きだわ・・・もう、すごいっ。なんだかとにかくショータイムなのである。ボキャブラで散々カットされたあげく
“元祖・ホスト系”と言われたのでやけになったか？(笑) 例え寒くても、そこまで出来るのは
今村さん、あなたしかいません(笑)。「俺に惚れちゃいな」ですからね・・・さむっ(笑)。
ちなみにこのホスト系衣装、自前だったそうです。すごい・・・。
そして最後にネプチューン。最初、泰造さんが洗濯物を抱え女言葉で登場。おっ、女役か・・・と思ったら
「違うニューハーフのお店勤めようかしら・・・」。あ、ニューハーフね(笑)。設定はコインランドリー。
そこに健ちゃんがやってくる。登場からしていきなり「洗剤と間違えてバブ持って来ちゃった！」だの、
泰造さんが貸してくれた洗剤を撒き散らし「自分の心も洗剤で洗いたいんですっ！」と叫ぶ健ちゃん。いいです。
これぞ堀内ワールドです。
健ちゃん「洗剤を貸してくれたお礼にビッグニュースを教えましょう！このコインランドリー、おかまが出るんですっ！」
泰造さん「(びくっ)・・・・」
そこに名倉さんがめちゃめちゃわかりやすいおかまスタイルで登場。客席がざわめく、ざわめく(笑)。
名倉さん「ルビーなくしちゃって・・・。」
健ちゃん「あの・・・おかまですか？」
名倉さん「えぇ、そうよ。おかまよ」
はっきり正々堂々おかまだと宣言する名倉さん(ジェニファ)と、ニューハーフであることを悟られまいとする泰造さん。
健ちゃん「あの・・・おかまの人って脇の毛とかどうするんですか。剃るんですか、抜くんですか」
名倉さん「ううん。燃す。」・・・もすって・・・・(笑)
女物の衣類を洗濯しているため、２人の前で洗濯ものを出すことが出来ない泰造さんと、
次の人が待っているから早く出せという健ちゃん。そして、その洗濯漕に自分が無くしたルビーが入っているのではと
疑うジェニファ名倉さん。疑うあまりに男としての本性が出てしまうジェニファ、そのジェニファに殴られる健ちゃん・・・。
今回は名倉さんがメインでボケ倒していて、泰造さんが少し変なニューハーフで、一番のまともな役所が
健ちゃんというのが新鮮でしたね。(あ、でも健ちゃんワールドはこのあとも炸裂してたけど(笑)。突然、脈絡に
全然関係のないところで泰造さんに向かって“本栖湖にバーベキュー行かない？”なんて言い出したり。)
始まって１分もたたないうちに、今回のコントを見れなかった人は惜しいぞぉ・・・と思ったくらい、楽しいネタでした。

エンディングトークも少しエロティック話題をおりまぜつつも楽しいお話で・・・。始めの暗い気分がとりあえずは晴れました。
次回からはもう少しキャパが増える会場になるらしいし・・・(今回徹夜組もやはり出て近所にご迷惑がかかってしまったと
名倉さんが申しておりました。徹夜するなら静かに徹夜しましょう。)まぁ、少しは先が明るいかな。
葉巻はお土産にもらうし(たぶんだけど・・・ゴルゴさんの歯形がついてる気がする・・・(笑))、私的にもＯＫだ。
今回は・・・ネプチューンに９５点をあげます。