ラーメンズ単独ライブ「箱式第2弾」 1998年11月28日29日 シアターD

開演前、会場に流れるのはクラッシック。客席は満員。
ラジオの電波ジャック。全局がNHKに電波ジャックされ、内閣総理大臣から国民に
大切なお知らせがある・・・という。暗転したのち、そこには内閣総理大臣に扮した片桐さんが
ただひたすら、頭を下げている。

ラーメンズ紹介スライド。

投票。先日の総理大臣による「日本は日本を辞める」発言により、また新たに物に名前を決定していく
という投票。ペットボトル、女性の胸、男性の生殖器、それらの名前を投票によって決めていくというネタで
票を読み上げるのが片桐。それを黒板に正の字を書いていくのが小林。
目に見えない黒板芸(勝手に命名)は、小林さんにやらせたら天下一品です。
男性の生殖器を「第21の指」「尿道カバー」「いきちくわ」としてしまうセンスは脱帽でございます。

音ネタ。「育児相談」

たかし。受験勉強している小林。窓から、「父さんとキャッチボールしよう」と誘う片桐。
しかし、たかしは完全無視。そのうち誘いはどんどんエスカレートして・・・。
もう、この時の片桐さんは、一緒にいった友人全員が笑いすぎて涙で曇って見えないくらいでした。

音ネタ。「現像できない写真」

パン屋の看板。おなかをすかせた小林がパン屋の前にやってくると本日休業とかかれた黒板が。
小林、がっくりとしながら黒板を持ち上げ、そこにかかれたおいしそうなパンの絵を悔しそうに叩くと
不思議なことに黒板の後ろから本物のパンが出てくる。(これは本当に不思議だった。とっても
うまいカラクリ)。次から次へとそこに書いたものは実際の品物として飛び出してくる。
それを利用し、パンから始まり、現金を入手していく小林。夢中になっている小林の背後から、
出した品を横取りする男が現れる。盗まれたことに気付いた小林は悔しさで、拳銃を同じようにして
書き始めるが、出てきたのは小林の頭を狙う銃口だった。ここまでセリフは一切なしです。
すごいうまいなぁと思いました。大人の童話みたいなね。ストーリー性がすごい。

音ネタ。「ダイエットとリバウンド」

男気のある男たち。工事作業員の男4人が男気について会話している。
そこに文学青年風の小林が登場。「ピンクの子犬・コロチンの物語」を読み上げる。
邪悪で感動的な物語に(貧乏な子供を救うために自らを焼肉にしてくれという犬の話・・・邪悪よね(笑))
を朗読する小林に、作業員全員が感動し嗚咽。最後はみんながその物語の本を買い上げる。
朗読する小林さんのうまさに驚きです。なんでしょうね、この人のこの能力というか、は。

音ネタ。「使いっぱしり」

毛人形。片桐さんがスーツケースをもって登場。おもむろに自分の髪の毛を抜き始め、糸状に撚って
編物をはじめる。そして編みあがった品は“毛人形”。路上でこの“毛人形”を売り始めるのだが
ショバを見まわりにきたチンピラに、取り上げられ暴行を受ける片桐。
そこに黒い影が登場。それは巨大化した毛人形・・・。片桐を助けにきてくれたのだ。
そして、ミュージカル風にダンスシーンへと舞台は転じていく・・・。

音ネタ。「牛丼」

日本語講座シリーズ・都道府県篇。ラーメンズの名作「新橋」の新作だと思ってください。
イタリア系外国人の日本語クラスにて、日本の都道府県について学習する。
「ちばっ、しがっ、さがっ」が、今回の“しんばしっ”にあたりますでしょうか。
「えひめ、ぎふ。えひふ。えひふの若鳥」
「やまなし、ほっかいどう、やまいどう。全日本やまいどう選手権大会」

音ネタ。「銀行口座開設」

コスプレ楳図。楳図かずおのコスプレにハマる兄弟の話。兄(小林)の熱心なすすめで5年間もの
間、弟(片桐)は楳図のコスプレを続けてきたが、ブームはこない。兄に、グチる弟。
まず、片桐の髪型をより活用したネタだということを理解していただきたい(笑)。あの頭で、赤と白の
ボーダーのシャツを着ている。そして、小林も同じようなカツラをかぶっての揃いの格好。
途中、飛び出す数々の楳図ワールドに、楳図ファンの我が友人たちは至上の喜びを感じていたようだった(笑)。

エンディング。(共演・耳なり。室岡悟)戦場のメリークリスマスに乗せて・・・。

沖縄片桐大学。教材・片桐というネタをご存知の方にはたまらない。現代片桐二分野の初講義の模様です。
教材片桐をもっと深く掘り下げた作品。「現代片桐概論」「マンガ片桐学入門」などの小道具もすごい。
ゼミの説明会の忘れ物として「コロチン」の本まで出てくるご丁寧さ。好きです。
モンゴルでは「片桐に捨てるとこなし」と言わしめる野生の片桐とは・・・ちなみに今は、サシミで食べると
おいしいそうです。小林教授は申しておりました。

とにかく、よく出来ている。およそ80分のライブ。初日があまりにおもしろかったので、2日目も行ってしまった。
客席も大人。大人の笑い。いい、ちょうどいい。


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