渡辺プロライブ 1999年1月16日 芝青年会館ホール

実に久しぶりのナベプロライブ。そして通い始めて1年と数ヶ月、とうとうネプチューンが出なくなるという
ある意味、歴史的なナベプロライブ。(完全引退ではないようなので、ご安心を)
そして、芝青年会館だなんて行き慣れない会場。ナベにしては多めに出された当日券。
某マネージャーが退社したためと思われる新人マネージャーらによる熱血開場(わりと仕切りがしっかり)。
と、ですね。始まる前から結構、“いつもと違う”ムード満載でした。

開場されて、まず驚いたのは会場規模です。雰囲気は町の公民館という感じで、2階席に座ったんですが舞台が近い。
2階に座って、1階の座席が見えないんですから(笑)。舞台の床は、ギーッとかって軋みそうな板張り。脇の緞帳の前には
照明が当たっていません。客席も狭ければ、舞台も狭そう、という感じです。
(ちなみに、この会場でいつもここからのCM、撮られたらしいです。だから、あれを見ると判りますね。)
いつものように配られたアンケート用紙を見ると、出演者のところの名前がちょいとすごい。
ピーピングトムが最初で、ビビる、やるせなすと続くのですが・・・・。聞いたこともない新人の名前が2、3。
(たぶん、2時からライブではおなじみなのかもしれませんが)代わりに掲載されていない名前が
ネプチューン、T・I・M、ふかわりょう。えーっ・・・。T・I・Mも出ないの?と思っていたら司会で登場しました。
(ふかわくんの欠席はスキャンダルのため???)

レッド「この板なんですか?小学校の学芸会じゃないんですから・・・」
と、いきなり会場ツッコミから。
レッド「今回はなんとネプチューンに変わりまして俺たちT・I・Mがお送りしたいと思います。」
ゴルゴ「ま、T・I・Mがお嫌いな方もたくさんいらっしゃると思いますが・・・」
なーんて挨拶をしつつも、「今年も燃えて行こう」ということで“炎”を披露していました。

トップはスパローズ。コンビニでおでんの大根を万引きする客と店員の会話ネタ。言葉から察するに西の方から
いらしているコンビのようですね。それが、自然なテンポになってていい感じでしたねぇ。
きっとトップだし、プレッシャーもあったでしょうけど悪くない。今後も頑張ってください。
CM放映中のいつもここから。不幸続きの男の前に現れる神様。「おまえには幸せの資格がない。
もっと苦労をしるべきだ」と、男に7つの苦労を課せる。ま、この7つの苦労というのが、いつここ風というか。
“衣替えの日を忘れて1人だけ冬服で登校してしまう”“昔聞いた長い話をまた聞かされて、ちゃんとウケて
あげる”“学校のマラソンを1人だけ真剣に走る”といった苦労、ということです。
ネタは面白いと思ったんだけど、練習不足なんだかセリフはカミカミ、順番間違い、音のタイミング外しまくり・・・と
不幸続きなのはネタではなく、今日のいつここなんじゃないのか?という感じもしました(笑)。
シスコティック。オークションで買った人間(?)を息子の誕生日に買って帰った家の話。上半身裸のその
男の風貌といい、性教育といい「挿入」という言葉を連発してみたり(笑)、口にピンポン玉を入れ客席に吹き出したり、
生のうどんを身体に擦りつけたりと、近頃のナベプロにはいないタイプのコンビで、客席は一部引いてましたが、
私は新鮮でいいと思いました。他のネタはどんな感じなんでしょうねぇ。次回に期待もあり、見たくない気もあり・・・・(笑)。
ラッキーパンチ。体育祭の父親の競技参加を見守る息子のネタ。この方たちも、関西系のしゃべりですね。
お父さんという設定の方が、役柄設定にムリがないのが不思議(笑)。一体、いくつくらいなんでしょうかねぇ。
今回のネタは難なく・・・・という感じでしょうか。
フルフェイス。大魔王ネタの漫才なんですけど・・・・。「ノストラダムスの大予言」でなくて「大予想」という本では
どうなっているか、というネタですが・・・。同じ漫才形式の18KINの大魔王ネタと比べてしまいました。いや〜、まだまだ(笑)。
18KIN。その18KIN。時事ネタゆえに浮き沈みがある気がして見ているのですが、今回は久々ということもあってネタには
不足がなかったようですね。前半に出てきた人達との余裕の差を感じました。伝言ダイヤル事件では
「この前、僕もやってみたらシャ乱Qのベースを募集してましたよ」とか、ヨーロッパの単一統価ユーロの話では、
大滝「どうせ作るんだったら、でっかい石のお金をさ」
今泉「ギャートルズじゃねぇか」
大泉「のびる肉を食べてた・・・、あの肉、なんの肉なんだろうな?真ん中にしか肉がついてない・・・・プードル?」
他にもバイアグラの日本での認可の話では、「1回飲んだら10時間くらい効果があるらしいですよ、そうなると大変ですよ。
コンビニ行くにも、こう・・・・(股間をかばうようにして歩く大滝)」
今泉「なんかちょっと欽ちゃんみたいな・・・」
大滝「欽ちゃんって、そうなんだ」
今泉「欽ちゃん、勃○しているわけじゃないよ!」
金沢トモキプロデュースのシャカ。公園のベンチに佇むいかにも浮浪者風の男(植松)。陰では通り掛かりの女性に
「ベンチに座っているあの人、ずっと一人でしゃべってる〜。ああいう変なおじさんって、国が何とかしなきゃいけないんでしょう?」
なんて言われている。それに気付いた変なおじさん「なーにを見とんや、そんなレイデーに見つめられたらおいっ、
おっさん照れるわ、おっさんとろけるわ。いつもより余計にエサやるわっ。ハトかわいいなぁ、おいっ!」
そこに携帯電話をかけながらサラリーマン(大熊)登場。さりげなく立ち止まり、足を何に乗せた様子。
植松 「うわっ、思いっきりハト踏んどる!おいっ、サラリーマンッ!ハト踏んどる!」
仕事の話を終え、ベンチに座るサラリーマン。
大熊「ところでおっさんは、何している人?」
植松「そりゃあ世間的にわかりやすくゆうたら、変なおじさんやな」
大熊「じゃあ、気にしちゃダメでしょ。周りで何が起こってもブツブツ言うてるだけじゃないとダメでしょ」
と、ブツブツ言う仕事に戻れと言い出すサラリーマン。仕方なく、元通りハトに話しかける浮浪者。
しかし、横で次から次へと気になる行動をとるサラリーマンをつい気にして、いろいろとツッコんでしまう浮浪者。
ブツブツしゃべる仕事をまっとうしていないと、浮浪者に叱りつけるサラリーマン。そのうち、
大熊「ツッコミうますぎ。変なおじさん、ムリやて。おっさんの場合、長所を生かしてツッコミが上手いから・・・パイロットは?」
植松「ツッコミ関係ないやん!」
大熊「絶品〜!おっさんならエエ仕事つけると思うなぁ。おっさんの追い風吹いてる思うなぁ。」
すっかり、職探しの気になって公園を出て行く植松。
このシャカの面白さ、より多くの人にわかって欲しい。
大隈いちろう。ハチが120円のジュースをのみたいがために、銀行強盗をするというネタ。以上。
やるせなす。父親が死んで、葬儀屋に葬儀の申しこみをしにいく中村。それをクラッカーで迎える店主・石井。
なんと1万人目のお客さんだという。次回の葬式無料券だとか、全身タイツで葬儀場案内に立つというサービスが付くと
いうのだが・・・。テンポが今一つ・・・だったけども、また暗転ののちのオチ、というワザを使ってきたりとか、
ネタの流れがしっかりしているので、やるせなすらしかったといいますか・・・。はい。
あー。彼らには特別に思い入れがある分、彼らの作りたい笑いと、一部のお客さんの彼らに感じる「身近さ」ゆえの
笑いの質の違いに、すごく残念な気分を味わうことがあります。
アクシャン。辛い体験談をラジオで募集して、妹が病気で瀕死に陥ったという一番辛い話を持っていた安井がDJ・杉崎に
呼ばれ一緒にトークするハズだったが・・・。杉崎さんのDJぶりがハマリ役だったというのを置いておいたとしても、安井さんの
演技が私は好きだな。
太田プロゲストはノンキーズ。下北沢が渋谷のものか新宿のものか、という裁判ネタ。もう落語ネタくらいの使いまわし率(笑)。
特に感想はございませんが、まぁ、元々よく出来たネタですからね。それなりに楽しめます。
ビビる。いきなり、大内さんが失敗パーマ(他になんと表現していいやら・・・(笑))で登場したので、会場ザワザワ。
金がないから、自分を売って金にしようというネタ。つまんなーいっ(笑)。昔から、私は大内くんが壊れたっぽい役柄の方が
面白いと言いつづけてきたが、テレビでの露出が多くなった分、その大内くんが壊れることによって生まれる意外性が全然
輝かなくなったなぁと今回のネタで実感した。オチも全然わかんなかったよぉ。ビビるはこの位置でいいのだろうか。
キャラとネタの面白さは別の評価であって欲しいなぁ。この位置、やるせなすだってアクシャンだっていいんじゃないかなぁ。
ピーピングトム。10年ぶりの同窓会に緊張して5時間前に来てしまい校庭に立ち想い出に浸るチンピラ風の今村さん。
そこに現れる元クラスメートの女(桑原)
「・・・今村くん?もしかして今村くんでしょ?やっぱそうだ。相変わらず黙っててもうるさい顔ね♪」
元委員長のゆきちゃんだった。
桑原 「今村くんは何をやってるの?」
今村 「(格好よく)俺さ、相変わらずさ、東京でバカばっかやってるよ・・・・」
桑原 「・・・・・フ○チンで歩いているの?」
今村 「普通のバカじゃねぇかよっ!」
今村 「俺はもう変わっちまったよ・・・。東京行って身も心も汚れちまったよ・・・」
桑原 「・・・・レイプされたの?(男モードで)お嬢さん!(といって、今村さんの胸をガシッ)」
今村 「(女モードで)始めっからおかしいと思ってた・・・バカヤロウ!」←基本的なノリツッコミ(笑)。
今村は都会でヤクザモノの仕事をし、彼女は彼女で結婚離婚を繰り返し、×15で万引きの常習犯、家は欠陥住宅。
あの頃に戻りたい・・・という彼女に、「俺とやりなおさないか」とプロポーズする今村。と、いうネタです。
女役のシャギーを気にする貞雄さまが、可愛かったなぁ。

今回はですねぇ。期待していた人たちが、予想とおり面白くて、そうでない人はそうでなく(笑)。
レポートを見ていただければ、一目瞭然かな。新人の方たちがあまりに多かったので、大丈夫かな〜とも思ったけど、
それは心配いらなかったですね。ライブ形式が変わったことで、ずーっとネタネタネタで企画コーナーっぽいところが
なかったのは、ちょっと退屈でしたが。(金の卵コーナーがなくなったんですよ)

ところで。
会場がいつもより狭いがゆえに、お気づきの方も大勢いたと思うんですが、2階席の一部が異常なテンションでして。
笑うことは別に悪くないのですが(お笑いのライブだからね)、それが客席の雰囲気だけでなく舞台上の流れまで壊すような
盛りあがり方だったのは頂けなかったですねぇ。笑い所じゃないところで笑うのですよ。普通のセリフ言っているところで
笑い転げられたら、そりゃあちゃうやろ、と。ま、かなり周囲から非難の目を向けられていたんですけど、そんなことに
気付くくらいなら最初から場を壊さないわな。お笑いライブであると同時に、ひとつの「舞台」でもあるわけですから
舞台としての楽しみを壊す人に、見る資格はないと思います。ちゃんと楽しみたくて来ている人、演っている人に失礼だ!

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