ラーメンズ単独「箱よ、さらば」 1999年5月29日 シアターD | |
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記憶のメモとしてかきあげたレポートなので、100%ネタバレです。 読まれる際には、十分ご注意ください。 ラーメンズ単独としては3回目となる今回のライブ。2回目を見たときから、ものすっごく楽しみにしてました。 1本目。まさしくタイトルの示すとおりなのでしょうか、箱をめぐっての諍い、いきなり言葉のない世界から始まります。 グレーのシャツ、グレーのズボンで身をまとった小林さんと片桐さんが登場。 いろいろな箱を発見していく・・・という設定なのですが、全てパントマイムで進みます。すごいなぁ・・・・。 目に見えない舞台がそこにあるわけで、それに笑わせられるワケです。小道具なし、コテコテの衣装もなし、セリフもなし。 それでも笑いがあって。かっこいいったらありゃしません。 暗転。暗転中はジャングルみたいな音楽(表現が乏しくってすんません(笑))が流れ、少し目が利く程度の明るさの中で お2人が舞台の配置転換を行います。次のネタの板付きについたところで、真っ暗に暗転。そして、ネタが始まるんです。 これもまた、いいんですよぉ。お笑いの枠は軽く超えちゃってます。 2本目。学食での学生の会話。セリフがとっても自然です。上手いのか、慣れなのか・・(笑)。 レポートの内容に悩んでいるうちにシャックリが止まらなくなってしまった片桐さん。 それに「知ってるか?シャックリって止まらないと死ぬんだぜ〜、情けないよなぁ、シャックリ死。扇風機つけっぱなし死 くらい情けないよなぁ」と、脅かしをかける小林さん。 “びっくりさせてほしい”とお願いする片桐に、ビンを差し出す小林。中身はなにかと思えば「クシャミ2年分」(笑)。 それでも、やっぱりシャックリは止まらない。 「シャックリ死、決定〜!ガラスのコップ、こうパリーンと割っちゃってさ、ほうきで掃いたはいいんだけど、そのあと裸足で 歩いたら、足に刺さっちゃってさ。ガラスってほら消化できないから、血管を巡り巡って心臓に到達死・・・・・くらい 情けねぇよなぁ〜(笑)」・・・・・・・よくそんな発想ができるなぁ(笑) そのあとも、グラスの向こう側から口をつけて水を飲むとか、いろいろ試してみるんだけど、シャックリは止まらない。 まぁ、その後無事、シャックリは止まって片桐はレポート書きに戻るが、小林が所々邪魔する。 (この邪魔の仕方が、レポート用紙の上にから揚げを乗せてしまったりして、レポートがトレーシングペーパーに なっちゃったりと、可愛いものだったりする(笑)) 「卒業できればいいな・・・」とか「元気でな・・・・」とか、小林の言うことがなんか怪しい。 そのうち「神様、貫通しない程度に留めておいてください」「神様、白髪になったらそれは限界です。」 「神様〜!あとひとつにまとめておいてください。そうしないとこいつだってわかんないから・・・」と ニヤリとしながら、祈る小林に「俺に何が起きるんだよぉぉぉ!!」と心配げな片桐。 それもどうやら、シャックリを止めるための行動だったらしいんだけど、最後は、結局2人でシャックリ・・・ 3本目。大人のおもちゃ屋を営む兄弟の家に甥・まことくんがやってくる・・・・というネタ。 初めてファーストフードを前にして「マクドナルドのハンバーグ」とか、ローソンを「青いセブンイレブン」とか 突然、「ブッチャー!」と地獄ヅキとかしちゃうし、そんな時代錯誤な兄弟2人。そのオヤジギャグ(というか天然(笑))で 気まずい雰囲気になると、甥のまことくんに「おもちゃ持ってこようか?」とおもちゃ屋はおもちゃ屋でも、大人の おもちゃ屋からおもちゃを持ってこようとしたりして、まことくんのお父さん・源三郎さんに睨まれる兄弟(笑)。 兄弟「あぁ、おまえのいいたいことはわかってるよ」 しかし、この兄弟・・・・空を飛べるんだな(笑)。 結局、気まずい雰囲気をさらに深くして帰っていく兄弟夫婦と甥に「もう2度とこねぇな・・・」と呟く・・・。 3本目。台所でお弁当を作っている片桐。「お魚が釣れました♪三枚におろしましたぁ、3つがそれぞれ 膨らんで、元の形になりましたぁ♪」 寝ていた小林が「今日、その日なの?」 片桐「あ、起こしちゃった?寝てていいから」 再び唄い出す片桐。「3匹になったので、3枚におろしました♪9つがそれぞれに膨らんでもとの形になりました♪」 小林「今日、誰と行くの?」 片桐「こまっちゃんとてつ・・・あ、ごめん起こしちゃった?寝てていいから・・・」 再び眠る小林。再び唄う片桐「9匹になったので、3枚におしろました♪27匹がそれぞれ膨らんでもとの形になりましたぁ♪ よかったねぇ・・・よかったねぇ♪・・・」 そこに輪唱のように「んんんんっー♪うるさいなぁ・・・・うるさいなぁ・・・・・うるさいなぁぁぁ!!♪♪」と小林が混ざってきます。 時はまだ夜中の3時。釣りに行くために早起きしていたんですね。片桐さんは。 魚がよく釣れる時間帯「まつめどき」を狙うために、張りきってこまっちゃんとテツの分のお弁当を作っていたワケです。 ロクに魚を釣ってこないくせにと、文句を言う小林に 片桐「それはリリースしてるから」 小林「それは知ってるぞ。リリースってあれだろ。トランクスじゃないほうのパンツで白くてぴっちりして、釣った魚をこう その場で逃がすことだろ?」小林さんのトーンがねぇ・・・・いいんですっ♪ お弁当を作っている片桐さんに「そんなもんいいじゃん。釣ったブラッックバス、その場でパンではさんで食えば」 この発想、大好き(笑)。 そこに、釣りに行けなくなったとこまっちゃんとテツから連絡が入る。 「1人じゃつまんないよぉ」と、がっくりうなだれて、必死に小林さんを釣りに誘う片桐さん。 でも、小林さんは絶対乗ろうとしません。 「こういう日は神様が行くなっていってんだよぉ。そういえば、昨日天気予報で“明日は世界中大雨です”って 言ってた」とかむちゃくちゃなこといいます(笑)。←こういう男性、結構好きです(笑)。 片桐さんは「そうやって、屁理屈ばかりいう・・・・」と不満げです。 小林「いいじゃないかよぉ、俺の言うこと聞いておけよぉ!おまえ俺の恋人だろ〜?!」 会場中、ずーっと思っていた“この人たちは一体どんな関係?”という疑問の意外な答えに会場中一斉に「えーっ!!!」(笑) 結局、2人でベッドの中に戻って・・・・きゃっ♪・・・・・なんのことやねん(笑)。 4本目。怪しいおじさん(小林)と若い男性の2人が観覧車に乗り合わせてしまうという設定。 すごい設定(笑)。このおじさんがまぁ、すごい怪しい。結局一周ずーっと回って降りてみたらば、実は親子だった というオチでした。ちょっとオチまでの流れがわかりずらかったなぁ。 5本目。デザイン会社の日曜出勤という設定。 社長(片桐)「えぇ、そうなんですよ。例のCDのジャケットのデザイン、誤植が見つかりましてね・・・。」と電話をしている。 そこに同じく日曜出勤で出てくる小林。 小林「あ、もしもし箱印図案工房、小林と申します。おそらく特注となってしまうと思うんですけども、B5版厚口再生紙 中央に12ミリ四方の穴をあけてほしいんですよ。あ、やっぱり特注・・・・簡単にでいいんで見積もりでます? はい・・・はい・・・・えっ?そんなにかかるんですか?穴あけるだけで?そんなにかけてるんですか?穴あけるだけで?」 あっはっはははは!仕事の電話という設定ですが、このライブのチラシの発注・・・という設定になっているんですね。 そうです。今回のライブのチラシはセンスのいいチラシで、真中に確かに穴があいてます(笑)。 CDというのも、先日ラーメンズが出した実話なんですね。 この片桐社長、娘のまちこをベタ可愛がり状態です。 日曜出勤の埋め合わせに自宅に電話をかけて、娘とお話しようという片桐社長。 片桐「もしもし、パパでちゅよぉ〜。パパ?今お仕事中〜。白雪姫もピーターパンもライオンキングもポカホンタスも一緒だよぉ」 家では、片桐社長は「海賊」を生業としていると、言っているらしい。 この、すごい電話に小林「正直に言ったほうがいいんじゃないですか?」とアドバイス。 これで告白の電話を入れるのだが、 「えっ?パパの船にも船長はいるのかって・・・?(小林をチラッとみて)いるよぉ。ちょっと待ってね」 と、嘘が悪化する(笑)。 嫌がる小林を無理やり船長を演じさせ電話口に出させる。 小林「え〜っ、もしもしぃっ!俺様が船長のキャプテン・チャックだ〜!まちこちゃん、いい子にしていたら宝は山分けだ〜!」 あぁ、こういういとこのお兄ちゃんがほしい〜!!(笑) これ以上、まちこちゃんを騙すのは絶対によくない・・・と言って、もう一度電話をかけなおさせる小林。 しかし、話はエスカレートする一方で、今度は「パパには子分はいないの?」と聞かれた社長、小林さんに頼みます。 小林「え〜。子分のマーチンでやんすっ。オヤビンにはいつもお世話になってるでやんす」 そんなこんなしているうちに、今度はまちこちゃんが会社に遊びに来ると言い出します。 そこで、またしてもとんでもない嘘をついて「ポカホンタスが待っている」と言ってしまうのです・・・・。 そんなの無理!と断って、逃げ出す小林。 仕方なく、会社の外でごはんを食べる約束をし、部屋を出て行く社長。無人となった事務所に戻ってきたのは ポカホンタスの格好をした小林さん・・・・(笑)。ステキすぎる。 ここで、ラーメンズが先日出したCD「日本語講座」が流れます。客席の特に男性がウケてましたねぇ(笑)。 6本目。いきなりおかま(笑)。めそめそ泣いている片桐。 小林「あんたいますごい絵面だったわよぉ。私んちのステレオ勝手にかけて、大音量でゴットファザーのテーマ聞きながら めそめそ泣くおかまっ!」・・・・小林さんの女役・・・ゲテっぽくて好きです(笑)。いや、小林さんが好きです。 途中、セリフが飛んで“き〜っ!!”とヒステリー起こす小林さんステキ(笑)。 これから男が来るんじゃないの?と勘ぐるネタ美(片桐)、電化製品好きで番号表示の出る電話機を買ってきたソネ美(小林)。 そこに男か・・・と思う電話がなるが・・・・ 小林「あ・・・・おふくろ?」急に男言葉を使い出すソネ美(笑)。 友達がいるなら電話をかわってくれ・・・と言われ、ネタ美に電話をかわる。 片桐「え・・・・?すばる・・・あぁ、すばるくんには仲良くさせてもらってます、ウッス」 電話を切り終えると「びっくりしたぁ〜♪」と突然、またも女に戻ります(笑)。 片桐「ソネ美、すばるっていうんだぁ。なんでソネ美っていうの?」 小林「苗字から取ったの。中曽根・・・・すばる。ネタ美は?」 片桐「私は本名よ。中根民夫。」 小林「本当だぁ〜♪中に入ってる〜」 なーんてことをいっているうちに、デートの約束を「おかまは嫌いだっ!」という理由でキャンセルされてしまいます。 失恋とおかまへの侮辱で泣き崩れる2人。泣き崩れながらも、手際よくカルボナーラ(青の洞窟(笑))を作るソネ美。 ステレオの音量をアップし、部屋中にゴットファーザーをかけまくる2人のおかま(笑)。最高♪ 7本目。今日は嘘をつこうと決めた男(小林)と、その部屋に忘れ物をとりにくる片桐。 片桐の忘れ物を見つけたくせに、部屋に逃がしてしまう小林。そうです。忘れ物というのは、マニアの間で40万で 取引されているコーカサス大クワガタだったのです。うそつき小林くんは「なかった!」と言い張りますが、すぐにバレます。 あげくに、クワガタもゴキブリと一緒、「ただの虫」と言いきってしまいます(笑)。 結局、無事見つかり、コーカサス大クワガタの実力を見せるため、片桐くんはそのへんにあった人形の首を切り、はさみの 力を説明します。しかし、その人形こそが、40万円相当のマジンガーZだったのです(笑)。 小林「おまえ、マジンガーZのことなんだと思ってんだよっ!」 片桐「玩具。」 この“玩具。”が最高に笑えました(笑)。 怒り狂ったあげくに、片桐を追い返す小林。しかし、それもまた嘘。安物の人形でした。そこに電話が・・・。 8本目。というか、エピローグというべきかな。冒頭のパントマイム、箱の続きです。 冒頭とは逆に小林さんが箱に過剰に反応するという設定です。 エンディング。お2人が笑顔で登場。いいですねぇ。この狂人から普通に戻ったような瞬間が(笑)。 この小林さんの挨拶がね、頭よさげでいいんです。 はぁ。何度でも行きたいと思ってしまう、質の高いライブでした。次回もものすごく楽しみです。 |