ラーメンズ単独第4回公演「完全立方体〜Perfect Cube」 1999年9月3日〜5日
ラーメンズの単独の第4回公演が終わった。全5公演のうち、3公演に足を運んだ。
初日、入り口でお会いしたいしださんに(今更、漢字で書く気がしない“いしだ”さん(笑))
「何公演来るの?」と聞かれ、「3公演です。さすがに全公演は・・・」と答えた私だったけど
全公演見てもよかったかもしれないな。3回見ても、見飽きることはなかった。
ただ5公演にしなかったのは、他の2公演は私の座席分、他の人に見て欲しい・・という、
ささやかな気遣いがあっただけのことである(笑)。←本当ささやかすぎて、恥ずい・・・(笑)。

ちなみに。私が見たのは3日間のうちの夜の公演、3回。
最終公演までのうちに、やはりいい具合に手が加えてあって、その違いもなかなか楽しめた。

このレポートを読むにあたっての注意事項。まず
ネタバレ100%。そういうのがいやな人は
立ち入り禁止
。次。舞台設定を勝手に想像して書いてあるが
あくまで私の想像であって、実際の舞台上には黒い上下の衣装を着たお2人と、場面によって
いくつかのグレーの箱(椅子になったり、道具箱になったり)が用意されるだけ。
いたってシンプルな舞台。それを観客が頭の中で絵として膨らましていく。
(今回はその他、たまごやら絵、シーツなどの小道具が加わった)
ネタとネタの間の暗転も薄暗がりのなかで行われ、2人による舞台転換の様子が
見えるようになっている。この舞台設定のシンプル加減が私はとにかく好き。

オープニング。片桐さんが舞台右側に立っている。暗転。今度は片桐さんが左側に。暗転。
次は同位置の片桐さんに加え、右側に小林さん登場。暗転。そして2人向かい合う。
おもむろに本を取り出し、対決ムード。朗読開始。
小林「シンデレラはいじわるな継母や姉にひどい仕打ちを受けていました」
片桐「白雪姫は毒入りの林檎を食べさせられてまいました」
どらちが、より可哀相かを競いあっている様子。
片桐「白雪姫の毎日はそれはそれは辛いものでした。7人の小人に汚い部分を
押し付けられり、ムリヤリ変なことを言わされたり、ロクに学校にも行かせてもらえず
麹町を“めんまち”と読んでしまうほどでした。」と、くれば・・・
小林「シンデレラは防空壕の中でいいました。“蛍、なんで死んでしもうたん?”」
可哀相対決のあとは、より幸せになったか対決開始。
白雪姫はオリンピックでメダルを総なめにしたり、カウントダウンTVで5週連続1位を
とったりする・・・言い尽くされた感で、小林さん側が悩みつつ出してきた幸せとは・・・
小林「シンデレラは・・・・・・・直木賞を取りました・・・・」
勝った!という表情の片桐さん。
小林「その作品のタイトルは・・・・・(ニヤリ)“白雪姫”」勝負あり。片桐側敗北。
もう一度チャンスを!と挑戦を挑む片桐さん。
今度は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と太宰治「走れメロス」対決。今度は怒り比べからスタート。
小林「メロスの怒りはそれはもう凄まじいもので、メロスの周りだけ洗濯物が一気に乾いた。」
片桐「ジョバンニだって、その怒りは凄まじいもので、ラッシュの時間だというのに、
ジョバンニの乗った車両だけガラガラだった」
小林「そりゃ、すごいな・・・」敵に感心してしまった自分にハッと気付き慌てる小林。
小林はまた同じ戦法でメロスに芥川賞を取らせ、その作品は「銀河鉄道の夜」とするのだが
今度はそこで勝負はつかず、
片桐「ジョバンニの書いた本がベストセラーになった。タイトルは“間違いだらけのメロス選び”」
これで、片桐勝ち。今度は小林がもう一度勝負を挑む。
今度は「シャーロックホームズ」対「金田一耕介」。
小林「金田一耕介はお台場に住んでいる。事件が起こるとゆりかもめに乗り、レインボーブリッジが
見える窓はスイッチ1つで曇りガラスとなり、imacが7台ある。」
片桐「ホームズの下半身はキャタピラになっていて、顔はスペースシャトルになっている。
背中には25基の戦闘機が装備されていて、今はソメイヨシノが満開。」
かっこいい対決・・・なのか?(笑)
ついにはネタにつまり、お互いの発言をマネ始める。
「真似すんなよぉ〜」
「マネすんなよぉぉ〜」
お互いがマネしあい止まらなくなり、早口言葉に発展。でも圧倒的に小林さんの方がうまい(笑)。
片桐「隣の客はよく来る」
小林「・・・・・・・・へぇ〜」
最後は外国語で応戦。
小林「○÷△◇*・・・・」←意味不明の言葉。
片桐「○÷△◇*・・・・」
小林「キンギャーガーノティックチ!!」←なんとなくこう言っているようだ(笑)。
片桐「キンギャーガーノティックチ!!」
小林「きんだいちこうすけのかち!」
片桐「金田一耕介の勝ち!!あっ!!」

このネタの初日と千秋楽。たぶん記憶があっていれば、お互いの勝負のあとの再挑戦の
申し込みの際に、お金を渡すのは初日ではなかったように思う・・・。幸せぶり比べのときに
片桐さんのセリフ「かっこいい男前の阿部寛みたいな人と結婚して・・・」
男前で阿部寛が出てくるあたりが、なんかすごくおかしい(笑)。
それとimacは、初日7台からどんどん公演回数が増すごとに台数が減っていきました。
そりゃあ、imacが何台あってもしゃーないもんねぇ(笑)。

暗転。今回も暗転は薄暗がりで、舞台転換が見えるようになっている。
でかーい絵が出てくる。(どれくらいでかいかというと、高さが小林さんの背丈以上。横もほぼ同じ)
どうやら片桐さんの顔っぽい。
抱き合っている2人。「久しぶり!」
小林「変わってないな」
片桐「変わったな。金髪じゃないし、ピアスもない。ほら、アゴにしていたでっかいヤツ。それよりなによりも白い」
小林「ホラ、黒人ってあんまり雇ってもらえなくて。マイケル・ジャクソンも使っている白くなる
クスリを使ったんだ」えっ?元黒人(笑)。
どうやら、この2人。大学時代の同級生らしい。卒業以来5年ぶりの再会。
卒業後、突然山篭もりして創作活動に励んでいた片桐の元に、元黒人の小林が何かワケありの
雰囲気でフラッとやってきた様子。
大自然の山々に囲まれて、次々に創作意欲が沸くという片桐だが描いているのは自画像ばかり。
「憂いの俺」(大きい絵はこれでした)「微笑の俺」「暮れなずみの俺」・・・。
小林「あのさ・・・・山描けよ。自然をみて創作意欲が沸いたんだろ」
そう言いつつも、次第に片桐の「元気モリモリ!」のペースに乗せられ元気になっていく小林。
小林「あ、あれ見せてよ」
片桐「あれか?」
大学時代に塾の講師としてバイトをしていた片桐の、当時の授業の必殺記憶術・・・
「文明開化!文明開化!石炭を食う鉄の馬!」
すごいアクション付き。これを見て懐かしがり喜ぶ小林。
他にも「仁徳天皇陵、仁徳天皇陵。大阪府堺市!」
同じテンポで「ラックススーパーリッチ!ラックススーパーリッチ!モイスチャー成分配合」・・・
どうやら、これらが原因で塾の講師をクビになったらしい(笑)。
小林「いいよ、おまえの生き方そのものだ!元気が出る!見てみろ、イイイン岳も笑っているようだ」
片桐「ちがう、あれはドバドバ山」
小林「ドバドバ山???」

暗転。大会誘致。なんの大会だかは定かではないが(笑)、とにかく全国の都道府県の中で“我が県”を
大会開催地に選んでもらおうと話し合っている2人。
そのためには大会長であるマックス・ニールセン氏の趣味趣向を探り、気に入ってもらわなければ・・・と
いろいろな策略をたてている。
ナワヤ(片桐)「俺らの県には誇れるものなんかあんのか?」
誇れるものなどなくても、都心から近いという交通の利便性をあげるキバヤシ(小林)。
片桐「でも、こいつは空港やディズニーランド、こっちは港や中華街。でっかいビルもある」
・・・・ってことは。残るこの会議の行われている県は埼玉・・・?
ここでキバヤシから重大発表。
キバヤシ「マックス・ニールセンは動物好きなんだぁ!!」
それに対しナワヤは
ナワヤ「動物だったら、こっちには最大の動物園が出来たばかりだし、こっちほうに行けば
イカれたおじさんの動物王国もある」
そこでキバヤシ。都心近県の野球チームの名前をナオヤに挙げさせる。
ナワヤ「ベイスターズ、マリーンズ・・・・ライオンズ・・・。」そう。ライオン(笑)。
キバヤシ「さらにユネスコ村!」
ナワヤ「恐竜までいる!」
キバヤシ「それに東武動物公園!」
ナワヤ「園長まで動物じゃないかー!」
これで、大会誘致は我が県に決まったもの・・・と思いきや、周囲の県に動物の名のつく県がある・・・。
ナワヤ「群馬・・・群馬・・・ぐん・・・うま・・・。うまぁぁぁぁぁ!!!」
キバヤシ「・・・・しかも群れている・・・。」
なんとかならないのかとキバヤシに詰め寄るナワヤ。
キバヤシ「いつもいつも俺に頼るんじゃない!!」
群馬県知事にも名前を変えてもらえないか頼んだし、我が県の知事にも名前の1文字目を
カタカナに変えてもらえないかと、手は尽くしたというキバヤシ。
キバヤシ「一人にしてくれないか」
と、落ち込む。
そんな彼にナワヤは「Ah〜Ah〜Ah〜ライオンズ♪ライオンズ♪ライオーンズ♪」と歌ってあげる。
キバヤシ「懐かしいなぁ。おふくろがよく枕元で歌ってくれた」
ナワヤ「俺、勃っちゃったよ」←おいおい(笑)。
結局、これを県のイメージソングとして、渡辺美里に歌わせようという結論が出て、
マックス・ニールセン氏にさっそく電話をするが・・・・。

このネタはなんかですね。想像力の世界ですね(笑)。なんの大会誘致なんだろう?と(笑)。
キバヤシとナワヤ。これ、後日ある方に(ありがとよー)ヒントを頂いて調べたら
そうだ、そうだ。漫画「MMR」の登場人物の名前だったんだ。
このライブの数週間前、10ページくらいだけ読んでいた漫画の・・・。
あー、ちゃんと読んでおけばよかった。すぐ気が付いただろうに(笑)
一番笑ったのは「しかも群れている・・・」かな。確かに。あと気になったのは、キバヤシのセリフ。
「いつもいつも俺に頼るんじゃない!」の一言。うふふふ。深読みしちゃダメ?(笑)
一人落ち込む後ろ姿がやたらと凛々しいキバヤシ、ものすごいアクションで電話をかけるキバヤシ。
君は一体なにものなんだ!(ちなみに電話、初日はダイヤル式、あとはプッシュホンでした)

暗転。公園のベンチで眠っている片桐。そこに小林がやってくる。電話ボックスに入り電話をかけだす。
そこで片桐が目を覚ます。そばの電話ボックスに入っている男を見て、気になる様子。
片桐「・・・・んっ?・・・・たーーーーかーーーーーーしーーーーーー!」
出たぁぁぁぁ!!!たかしの父さんだ!(笑)
前々回の単独で、試験勉強中のたかしにひたすら無視されても話し掛けていた父さん。リターンズ!!
父さんは、息子・たかしが電話ボックスに閉じ込められていると思い、救出させてやろうと考え出す。
父さん「このクリスタルタワーをどうやって開ければ・・・」
しかし、別にもちろん閉じ込められているワケでもなんでもない(笑)。ひたすら無視されるお父さん。
「ポクポクポクポクチーン!!(一休さんのポーズ)わかったぞ!父さんの髪はストロベリー味!」
「今日のたかしの運勢は巨凶!!でも、父さんと話せば大富豪になれるかも」
などと、一生懸命気を引こうとするが、全然だめ。
あげくに、なんと今日は父さんの誕生日だという。懸命に誕生日の舞いを踊るが見てくれない。
「見ろよぉぉぉ。364日に一度の舞いをぉぉぉ!!」
息子に裏切られた悲しみに、地に足がつかない片桐父さん。
「たかしに裏切られ、地に足がつかない父さん。・・・・月の重力・・・。見ろ!たかし!
アームストロング父さんだぁぁ!!!」
「ねぇ・・・、ねえ・・・・。ネェネェダンス!!」くねくね踊り出す父さん。
やっと電話ボックスから出てきたかと思いきや、今度は携帯電話が鳴る。
片桐「たかし、いつのまにそんな未来の機械を手に入れたのじゃ。いいなぁ、いいなぁ。ミニ電話。
父さんも欲しいなぁ、誰かくんないかなぁ。特に息子の人」
小林「(電話の相手に)やったじゃん」
片桐「やったじゃーん・・・。何をだよーんっ!」(ちゃんとポーズがついている(笑))
たかし(小林)は、携帯電話の内容でどうやら悩みはじめたらしく、ベンチに座りふさぎこむ。
それを元気付けようとする父さん。しかし、相変わらず無視されまくっている。
片桐「メソメソ・・・たかしに元気を送り過ぎて父さんの元気がなくなってしまった・・・。
ウィーン、ウィンウィン・・・。ロボ泣き。」
「きんとん雲〜!!・・・こない・・・。みたこともない・・・・。」へこむお父さん。
「たかし、アイス食べたい。アイス、アイス。パピコ!パピコ!・・・・・・9回の裏、ジャイアンツの攻撃。
4番センター、父さん。背番号、鬼。さぁ、ピッチャーの父さん、ふりかぶって・・・・
おっと、5人分身の術!!しかし、バットがない・・・」
ここでたかし、立ち上がり、父さんにバットを渡す。
父さん「おーっし!!あれ?“父さん、誕生日おめでとう”・・・たぁぁかぁぁぁしぃぃぃぃぃぃ!!」

片桐さんの独壇場(笑)。うっひゃひゃっ。冒頭のクリスタルタワーというのは、初回でしか
たぶん言っていません。それと2回目からは、電話ボックスの中のたかしに気付いてもらおうと、
ボックスの周りをぐるぐると回って、バターになっちゃう父さんというのもありました。

暗転。
小林「ドバドバ山!!」
山小屋の同級生の再会パート2。
片桐「ごめん、せっかくお客さんが来たのに何も出さなくて」
小林「いいんだってば、俺だって来たの急だし。ごちそう食いたくて、こんなところ来るかよ(笑)」
小林は、部屋の片隅に井戸を発見。ドバドバ山の名前の由来は、雪解け水がドバドバ出るかららしい。
小林「飲んでいい?」
片桐「好きなだけ飲め!」
しかし、入れ物がなく手を休めると水が止まるため、全然飲めない。
やっとそれに気付き片桐が湯飲みを差し出す。
小林「これ、ひょっとしておまえの手作り?」
片桐「ううん、買った。サミットで。」
水のうまさに感動する小林。
小林「これさえあれば何にもいらない」とまで言う小林の横で、
おもむろに冷蔵庫からビールを取り出す片桐。
小林「ビールあんの・・・」
片桐「俺はこっちの方がいいや。」
どうやら、片桐の作品を扱ってくれている画廊のおじさんが、食料品などを送って来てくれるらしい。
小林「すごいなぁ。それって絵がちゃんと売れてるってことだろ?」
片桐「すごくなんかないよ。好きな事をやっているだけだもん。俺にとっては、おまえたち
サラリーマンの方がよっぽどすげぇと思うけどな」
小林「そのサラリーマンなんだけどさ、やめちゃった・・・。」
営業先で笑顔がうまく作れずに、対人関係に疲れてやめてきてしまったらしい。
試しに笑ってみるが確かに・・・
片桐「生理的に不愉快な気分になる・・・」
小林「あーぁ、俺って本当に何もできない人間なんだな。結局、俺の居場所なんて町にも山にもないのかもしれない。」
片桐はそんな落ち込んでいる小林のスケッチをしているようだ。
小林「おまえってさ、悩みないの?」
片桐「結局悩みを抱えているヤツって、悩みを抱えたいヤツなんじゃないのかって思うけどな。出来た!」
出来た絵はやっぱり片桐の自画像「タラチネの俺」(笑)。

暗転。
髪で顔を覆った片桐。胸元には箱がついている。そこに小林がやってきて、その箱を取ろうと
するが、片桐が手をたたき妨害する。小林はなんとしても、その箱が欲しい。そこで考えた。
手を叩かせないように間になにか障害物を入れるのだ。どこからともなく、卵を取り出す小林。
間に置くと案の定、手が叩けない。その間に箱を奪う。
暗転。さっき奪った箱と同じものがまた同じ場所にある。また欲しくなる小林。今度はさっきとった
箱を手の間に入れて、胸のところの箱を奪うが、今度は手の間に入れていたものが取れない・・。
試行錯誤して、なんとか2つの箱を奪おうとするのだが・・・。

このネタは、始まりの暗転中の音楽といい、卵を出すときの小林さんの手先(さすが、という感じ)
といい、奇術っぽさ満載。この場がなんか怪しげな神社かなにかに設営された臨時テントみたいな
そんな雰囲気(笑)。最後の片桐さんの西城秀樹ばりのオタケビ(笑)もいい。

暗転。ケーブルテレビ局内。取材から帰ってくる小林。すごい荷物だ。午前中に回った3ヶ所の取材の報告を
チーフの片桐にする。1ヶ所目、人間みたいにしゃべる犬のようにしゃべる人・・・という触れ込みで
行ってみたが、単におじさんが犬みたくしゃべっているだけ(笑)。
「ごはん・・・ごわん・・・ワン・・」単に危ないおっさん。
2ヶ所目は、緑高校の野球部の取材。みーんなヤンキー。インタビューをしてはみるが
小林「なんかぁ、甲子園とかってマジかっけぇから行ってもいいかなぁと思うんだけどぉぉお、
俺ら的には自由にやりてぇのに、監督がなんかガンガンいってくっからぁぁ、ほんとマジ
うぜえって感じで、チョー死んでほし〜」
片桐「すごい再現力だな」
最後の中央商店街の「夏休みはだかんぼうウナギつかみ取り大会」。毎年恒例なのに、今年は
ポスターに年齢制限を書き忘れたために、オヤジまでもが参加。警察くるわ、
うなぎは逃げるわ、“肌色のウナギ”ばっかり写るわの大騒ぎ・・・。
どれもオンエアできる代物ではない、という。
視聴者からのハガキもたったの2通で、仕方ないので怖い話を勝手に作って特集を作ろうか、という。
考え出したコワイ話「呪いのビデオ」は、どこか貞子・・・(笑)。
ビデオの再生中に、ビデオを消すと消してあるテレビのブラウン管に自分の姿以外に、
なにかが写るっていうのはどうかな?という片桐。
小林「じゃこういうのはどうですかね。そのビデオを再生すると普通の高校野球をやっているんですよ。
ところが、そこに写っているそのチーム。その直後バスの事故で全員死んでる。次は決勝だったのに・・・。
で、ビデオを消すと、テレビ画面に血まみれのナイン、ナイン・・・9・・苦しい。」
片桐「こえぇ〜」
小林「そして全員、手にはうなぎを持っている。パッと振り替えると全裸のおじさんが
うなぎをもっているビタンビタンビタンッッ!!“ごはん・・・ごわん・・・”」
さっそく、視聴者から来たということで番組を作ろうということになるのだが、そんな話ばかり
しているうちに、怖くなってくる2人。
小林「こういう話をしていると、集まってくるって・・・」
片桐「・・・・・・・コーヒー入れるわ」
その言葉にすらおびえて、お茶を入れるだけといっているチーフについていこうとするが止められる。
小林「じゃあ、なんか歌っててくださいよ。そこにいるって証拠に。」
片桐「わかったよ」
そして、シーンとする部屋。隣の部屋から聞こえてくるのは「はにゅーうの宿は〜♪」
小林「なんでその歌なんですかぁぁぁぁぁ!!!!」

このネタのポイント。小林さんのヤンキー会話再現。ホント、片桐チーフじゃないけど
すごい再現力です(笑)。

またしても山小屋の同級生の再会。パート3。今度は机を前にして、酒を飲みながらゲームに興じている様子。
小林「あれ覚えてるよぉぉぉ。あれ、おまえかぁ〜!(笑)」
片桐「大変だったんだよ。ゼラチンもあの量になると。」
小林「びっくりしたよぉ。だって朝学校きたら、プール固まってんだぜ〜」
大学時代の変わった同級生の思い出話に花が咲く。
小林「松崎、覚えてる?家がすごかったよな。ダンボールで学校の隅に建ててたんだよな。一回全焼したことが
あったよな。あれ、俺が思うに放火じゃなかったかな、って思うんだ。ひどいことするヤツがいるもんだよなぁ」
顔を曇らす片桐。
小林「・・・・やっぱり、おまえか。」
片桐「だってさ、あいつのハウス、ダンボールをビニール紐で縫いあわせて出来てるんだぜ。
たまたま行ったらよ、あまった紐が出てたんだよ。俺にはよ、それがどうしても導火線に見えちまったんだよぉぉぉ」
小林「なんでそんとき、正直に謝らなかったんだ」
片桐「だって、そんとき犯人はデブのハッチョだって誰かが噂流したからさ・・・」
小林「だって、ハッチョむかついたんだもーんっっっっっ!!!!!」
片桐「おまえかぁぁぁぁあ!!!!」
その他、モトギ君からはディスクマンを盗んだという片桐。それの犯人もまたしてもハッチョに
仕立て上げ、あげく、そのディスクマンをハッチョに売り飛ばしたという片桐。
そのハッチョから“借りパク”したという小林。懺悔三昧(笑)。
そんな思い出話をしながら、ゲームは進行していく。ゲームに負けた小林は罰ゲームとして
ハッチョダンスを踊らされる。
片桐「ハッチョハッチョハチョ・・・ハッチョ!よーし、第76回戦行こう」
小林「なぁ、そろそろ俺にもルール教えてくんない?」

このネタではですねぇ。まず、初回では借りっぱなしを“借りパク”といってましたけど、2回目以降はちゃんと
借りて返していない、と言ってました。あとぉ。このあとの転換で、また薄暗がりの暗転のなかで、片づけている小林さん。
2回目以降、グラスに入っている酒を飲み干し、ポーズ(笑)。サービスですねぇ(笑)。

暗転。今回の問題作(?)“欲情大富豪”
舞台中央に小林さん。シャツは胸元を開け放ちエリを立て、そしてオールバック・・・いかにもエロス(笑)。
小林「あっはっはっ・・・まちこさんの話は面白いなぁ〜!・・・どうぞ、どうぞ遠慮なくお召し上がり下さい。
うちのシェフに腕によりをかけて作らせたアフリカ尽くしで〜すっ!」
全身からエロスが漲る・・・(笑)。
小林「実にまちこさん、色が白くていらっしゃる。・・・・そーんなことなーい〜。
そうめんかと思った。あっ!そうめんがしゃべった・・・・(笑)(手を2回たたき)実に愉快だ・・・」
奥から、ウェイター(片桐)が呼ばれたと思って出てくる。
小林「呼んでない」
すぐひっこむウェイター片桐(笑)。
小林「まちこさんはぁ、学生時代は何かなさってたんですか?えっ?乗馬?へぇ〜それは
さぞ優秀な選手だったんでしょうなぁ・・・。僕も一度ぜひ、乗られてみたい〜」
料理を(それもアフリカ人のカブト焼き)食する小林さんの舌の動きがエロスすぎ(笑)。いや、ステキすぎ(笑)。
小林「えっ、僕?(手を二度叩く)歌ってばかりいました。そう、フォーク部。えっ?恥ずかしいよぉ〜」
片桐がギターをもってくる。何やら、打ち合わせをする小林大富豪とウェイター片桐。
小林「ねぇ、僕は何のために生まれてきたと思う?あ、返事しないで。これ歌の始めの部分です。」
えっ?歌を歌うため?それだけじゃないよ。じゃあ何をするため、君と何をするため?
君とベッドの中で何をするため?君と・・・ベッド〜♪の中でぇ〜♪・・・・」
こっから先の歌の内容が知りたい方は、管理人までご連絡ください。公では発表できません(笑)。
というか、このエロスぶり伝えられません(笑)。
歌の途中、なんとすごいことに歌はラップに転調。ラッパーはもちろんウェイター片桐!
これがどんなにすごかったか・・・(笑)。言葉では言い尽くせない・・・。

歌があまりにステキ。ちゅーか、この小林さんの大富豪的エロスキャラは何?(笑)最高です。
でも、どんなにエロスだろうが、多少の品のよさが残るのはどうしてだろう。コバケンマジック・・・。
小林さんが立ち去ったあとの客席で「かっこいい〜」という声やらため息ともつかない声が
飛び交ったのは言うまでもないっす。(でも・・・小林さんじゃなかったら、イヤだぞぉ(笑)。あんなタイプは・・・)
ちなみに最終公演の客席の盛り上がり方が一番すごかった気がします(笑)。

暗転。待ち合わせ場所に来ない小林さんを自宅まで向かえにきた片桐。玄関先で・・・
片桐「おい、てめぇなんで待ち合わせの場所に来ねぇんだよっ!しかも、なんで家にいるんだよっ!おいっ!」
小林「・・・・・ハッ・・誰!?」
片桐「俺だよ」
どうしても一人じゃ服を買いに行きたくないので、一緒に買い物に付きあってくれという片桐とどうしても寝ていたい小林。
小林「・・・・・・・・」(立ったまま寝てるかのような小林)
片桐「何、ゆーっくりドア閉めようとしてんだよ」
服ぐらい一人で買いに行け、という小林に、誰かに「似合う?」と聞かなきゃイヤだと主張する片桐。
小林「そもそも、じゃあなんでそんなに服が欲しいわけ?」
片桐「足んねぇんだよぉ〜」
部屋の奥から、クチャクチャになった洋服を取り出してくると
小林「はい、これやるから」
片桐「これ、おまえのだろー!」
小林「足んねぇんだろー!!」
仕方なく、自分の着ている洋服の上に、そのクチャクチャの洋服を重ね着する小林。そしてまたドアをしめようとする。
片桐「わかったよ。メシおごるよ。結構買い物するんで多めに持って来てるから(ポケットを叩く)」
小林「(ポケットをさぐりながら)えっ?おにぎりかなんか?」
片桐「なんで服買うのに、おにぎり持って来んだよ、お金だよ。・・・何合で服買えるんだよ」
一度は買い物に付き合う事を了承したかのように、部屋の奥に支度に戻る小林だが、実のところ寝てる(笑)。
玄関先で待っている片桐。
片桐「・・・・・・・おいっ!!!なんで寝てるんだよぉ」
小林「・・・・ハッ・・・・誰?」
片桐「今話してだろー!!」
なんとか連れ出したい片桐。シャツの1枚くらい買ってやるから・・・と条件を出すが・・・
小林「シャツ持ってるもん」
片桐「じゃあ、何持ってないんだよ」
小林「・・・・・・・家庭」
片桐「おまえ、家庭なんかいらないだろー!!」
小林「いらねぇから行かねぇんだよーっ!!」
渋々了承するが、またしても忘れ物といって部屋に戻り、寝てしまう小林。
片桐「おいっ!!なんで寝るんだよぉ」
小林「・・・・・ハッ・・・いつ?」
片桐「いまだよ」
小林「どこ?」
片桐「おまえん家だよ」
とにかく頑な(笑)。
片桐「なんでそんなに寝たいんだよ」
小林「昨日、寝てないんだよ・・・・・・・・・・嘘だけども」
仕方なく、一緒に行ってくれないなら5万円払えだとか、一緒に連れて行きたいなら5万円払えとか
そういうやりとりにまで発展する2人。
結局はなんとか小林を家から連れ出すの成功する片桐だが・・・。

2日目まではここで終わりだったんです。連れ出して、しばらく何の音沙汰も無くじーっと誰もいない
舞台が・・・・って感じで。最終日だけこのあとに、急いで戻ってくる小林さんっていうのがあって
片桐「何、店の前までいって戻って来てんだよー!!」
小林「・・・・・ハッ・・・なぜ?」
片桐「俺のセリフだぁぁぁぁぁ!!!」
というオチが付きました。私、このネタ好きですねぇ。実にありふれた嘘がどんどん出てくるでしょ。
くだらないまでのウソ合戦がすごく楽しくて(笑)。そのウソをつく小林さんの言い方も好きだし、
それに反応する片桐さんの態度も好き。あと、シャツを重ね着するところで、小林さんが実に伊達に
着るんですよ。ヨレヨレのシャツなのに。
あ、あとね。この前のネタがエリをたてて気取ったシャツ風だったのが、雰囲気ひとつでパジャマに
見えるってところ。それがなんかいたく感動しました。

薄暗がりの暗転中、前ネタのシーツを折りたたむ2人。舞台中央にシーツをひく。その上に小林さん。
片桐「もしもーし。聞こえますか?聞こえたら中途半端な顔していただけます?」
少し戸惑いながらも、中途半端な顔を作る小林。
片桐「はーい、OKです。えー・・・片桐仁でーすっ」
小林「本物だっ!よろしくお願いしまーす」とても喜んでいる様子。
片桐「はーい。じゃあ、揺れて〜」
小林「・・・(悩んでいる)・・・まちこもいい女なんだよなぁ」
片桐「あ、違います。体を」
慌てて、体を揺らす事から始める。どうやら、これが第一段階らしい。
他に「揺れながら大人げなくなる」「キラキラキラキラキラ」「バンザーイバンザーイ」「マカマカマカマカマカ」「お高くとまる」
「プリプリプリプリ」「ズボーンズボーン」「バナナを奪いながらあいまいな記憶」が第一段階。なんのやねん(笑)。
第二段階は「パカパカパカパカ」と「ワンダホー!!」
(意味分からないでしょ(笑)。でも、この文章読みながら、それに伴うリアクションをしてみると
あなたも疑似小林さん体験ができます(笑))
片桐「大丈夫。小林さんならきっと立派な片桐仁になれますよ」
そうです。これは片桐仁になるための訓練だったのです。
片桐「バサッバサッ、かき出して〜。はい、かき出しながら気を遣って」
小林「・・・・(かき出しながら)グラス回ったぁ?」
片桐「いいよ、いいよ。もっと!」
小林「・・・そこぉ、女男男じゃーん!!」
片桐「いいよぉ、そこで・・・はい。ラックススーパリッチ、ラックススーパーリッチ、モイスチャー成分配合」
この間、ずーっとコバヤシさんはリアクション中。
片桐「はい、いいよ〜!このまま第どん(4)段階入ってこー」
小林「・・はい?(笑)」
片桐「・・(笑)片桐仁でーすっ!」
第四段階ではシーツを持って「水平ムチ」「問答無用」「なにをだよーん」「文明開化、文明開化、石炭を食う鉄の馬」
最終段階は音楽に乗せての自由演技。小林さんは、5人分身の術やら、がたスキーなどを取り入れつつ
演技を進める・・・そして最後は・・・。

最初見たときはちょいと鳥肌モノでしたわ。すばらしい〜!片桐仁になりたくなるもん(笑)。
最後の展開がね、多少読めたんだけど(笑)、でもヨカッタです。
小林さんが遊ばれているよーん(遊んでいる?)という感じがして、それだけでも楽しかったですね。

暗転。再び山小屋の同級生たち。別れを惜しんでいる様子の2人。
元気を取り戻し、再び5年後に再会しようと約束する2人。
暗転。片桐さんが何かの創作活動に取り掛かっている様子。
小林(ナレ)「その後も片桐は芸術家活動を続けた。今は、身長50メートルの自分像を作っている・・・」
暗転。小林は営業活動を再開させている様子。
片桐(ナレ)「一方、小林は上司の計らいで元の会社に戻る事が出来た。しかし、相変わらず笑顔だけは間違っている・・・」
間違った笑顔の小林のまま、次第に暗転・・・。

エンディング。3回見たけど、3回とも鳴り止まない拍手。パチパチパチパチ!!!
1回目では「一生懸命やりました!」
2回目(2日目の夜)では「カミカミでしたね」(これは知り合いの指圧師の方に開演前に
ほぐしてもらって力が抜けていたからだと説明してました(笑))
最終公演では、
小林「はい。えっと皆さんね、・・・・我々を泣かす気ですね(笑)」
片桐「ニコニコじゃないですか」
小林「やーっとウチ帰れるからね。あー、クタクタ」とのことでした。
以下、最終公演のエンディング内の会話。
小林「これは一応僕らが本業だと思っているお仕事で・・・他にもいろいろとしてまして、
ちなみに昨日、ちょっとテレビに出たり・・ま、見ていただいた方も・・・」
会場からパラパラと拍手。
片桐「もっと!!!!」会場大拍手。
片桐「手を抜くな!!」
告知を終え、最後に小林さんが何かを言い忘れているといって、舞台裏に戻るシーンもあり。
忘れていたことは何かと申しますと、協力者の方々へのお礼だったそうです。
衣装は(上下とも黒)色にこだわって染色してもらったそうで、あとでっかい絵は
ニールセンさんという方が書かれたらしいです。会場拍手〜。
片桐「小さいっっっ!!!」会場大拍手。
小林「王様ですね(笑)」
片桐「単独ライブだったらこれくらいじゃね?(笑)」
舞台の高さもラーメンズ自らあげたそうです。すごいなぁ、ほんまに。
小林「ま、そんなラーメンズですけどもね、これをもって解散・・・」会場爆笑。
片桐「解散とか言うなよ・・・」
これには小林さん、なんか照れている様子で可愛かったです(笑)。

小林「最後に片桐さん、なんか言う事ありませんか?」
片桐「たーべちゃーうーぞぉぉぉぉ!!」

以上です。あー、長いレポートになっちゃったぁ。気合入れすぎ?(笑)
でも、見て楽し、書いてて楽し、書きあがって読んでまた思い出して楽しいレポートなんてそうそうないんですよぉ(笑)。

前回の公演「箱よ、さらば」がとてもとてもかっこよく出来ていて、ご本人たちがその出来具合に対して、
それを裏切りたい・・・みたいな欲望があったのか、どうか、そこんとこは本人でもないのでエラそうに言えないんだけど、
今回は前回に比べたら、凝縮さみたいなものはなくなっていたかなぁと思った。
前回がまとまりすぎていたのか、そこんとこはよく分からないけど・・・・。
そのどちらがいいか?と言われたら・・・それはどちらもいいに決まっているのです(笑)。
裏切られること、嘘をつかれること、だまされることの楽しみみたいなものがあって欲しい、と私は思っているから。
ラーメンズの奇術にまんまとハマってみたいから。それが楽しくて仕方ないから、それでいいと思う。

ラーメンズのお2人、本当に楽しい空間をありがとうございましたぁ。
次回もまた楽しみにしてます。


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