おぎやはぎ+3「その程度なら貫通」 1999年12月28日 シアターD 昼の部10番 夜の部75番

おぎやはぎ。いつもなんか黒い格好して、怪しいめがねしてる人々。訥々としてる矢作さんのツッコミは私の大好物の1つ。
+1。小林賢太郎。言わずと知れたラーメンズの頭脳。腹立つくらいの(笑)才能の持ち主。
+2。飯塚さとし。敢えてさとしとひらがな。暴力的なほどのクール?なツッコミが、これまた私の大好物の1つ。
+3。山崎弘也。アンタッチャブルなのはきっとこの人だと思う。
そして、作・演出にオークラさん。体は小さいのに、なんだかいろいろと引き出しを持っている人だ。

そんな人々が、99年年の暮れに集まったと。小林賢太郎という私にとってのまたたび効果がなくても
興味を持ってしまうでしょ、これは・・・って感じですな。
さっそくレポートと行きたいところなんですが・・・今回ちょっと変な書き方になってるかもしれないです。

昼の部から満員御礼の客席。
舞台中央にはスーツなんかを着せておく、あの紳士洋服店にありがちな上半身だけのマネキン。
そこにスポットが当たっている。

背広。ちゃんと着たほうがいいという店員(矢作)と、ボタンを外して着たがる客(小木)。
「これは素材の方もかなり丈夫で・・拳銃のトカレフとかあるじゃないですか。あの程度なら貫通ですよ。」

葬儀。高校時代の先生・藤村先生の葬儀に駆けつけた飯塚、矢作。
そこにアメリカ帰りの(といっても、1年の長期滞在と思いきや、1週間のハワイへの単なる旅行だった)小木が
やってくる。小木は高校時代、藤村先生との間で起こった「小木往復ビンタ事件」で藤村先生のことが大嫌いだという。
しかも藤村先生の奥さんは、矢作たちの同級生で小木の最愛の人(とはいえ、7回告白して5回振られて2回無視された)
鈴木まりえであったことが発覚。暴れだす小木を止めるために、飯塚は“封印したこぶし”までもをあげるが・・・。
小木「オレは走り出したら、止まらないんだよっ!」
矢作「小木〜!」
小木「あ・・・トイレどっちだっけ?」
矢作「走り出したとたん、止まったな」

飯塚の封印したこぶしを放った後の放心状態や、矢作さんの「鈴木まりえ〜〜〜〜!!!」の絶叫、
小木さんの中途半端なアメリカ国歌・・・見所たっぷり。飯塚さんと矢作さんという、私のお気に入りツッコミ2人が
共演というのがなんとも嬉しい。これさ。奥さんが最後に「先生思いのいい人。先生の前で大泣きしていた」という
んだけど、ヤボなことを聞かせてもらえばこれは、往復ビンタ事件につながっているのか、本当に先生思いの
いい人なのか・・・・。

前のネタの延長でお経の流れるなか、オークラさん制作のかっちょい〜いオープニングVTRが流れます。
昼の反響はでかかった。夜はわりとみんな冷静に見てた。

国民的個性定着法。センターに賢太郎さん、マイクにて司会。その下手に小木さんが書類を前に立っている。
日本人の国民的個性を定めるため全国一般教養試験でもっとも平均的な点の取り方をした、もっとも日本人、
普通の日本人である矢作さんが招待され、矢作さんを基準に国民的個性を決めていこうというもの。
認証基準にたったしたものは、矢作さんが手を上げていく。
「バカな子ほどよくケガをする」認証。「デブには二種ある」認証。「おしゃれなめがねをかけたからって才能が
あるとは限らない」保留。「金で買えないものは金では買えない」・・・・これには小林審査官(?)怒りをあらわにし
「こういうことじゃないんだよ・・・!」とくしゃくしゃに紙を丸めてポイッ!(客席にピョイッ!これが頭に当たったお客さんもいた)
「他人が見ている自分は少し太って見える」却下。「犯人は必ず現場に戻ってくる」これは一般論、個性とは認めない。
「太ったプスは本当のブスじゃない」認証。「ダンス中、しゃべりかけてはいけない」紙くしゃくしゃ。
「外人なんてみんなアメリカ人だ」“だからそうじゃないっ!(くしゃくしゃ・・)”
「愛する2人は季節さえも変えられる」“そういうんじゃないんだっ!(くしゃ・・)”ここで矢作さん認証。
慌てて紙を元に戻そうとする小林さん・・“認証です!!”

ボタン。矢作が友達の山崎と小木をアルバイト先に紹介する。仕事の内容を教える矢作だが、
「そのボタンは押しちゃいけないんだ」というボタンを必ず押してしまう2人。
「だから押すなっつーの」「押してねぇよ!」
「押すなよ、押すなよ、押すなよ」「押さないって・・ポチッ!」「押すなよぉ!」
「押してねぇよ、デジャヴだって!」
そのうち、矢作も必ず、その持ち場につくと押してしまう。「今押しただろっ!」「押してねぇよ」

こだわりレストラン。ヒマそうな、こだわりレストラン小木。従業員・矢作とシェフ・小木。
ところが、こんな店の名前なのに、小木にはこだわりがない。これからこたほわりを出していこうと
言い出した矢先、客(飯塚)がやってくる。こだわり方が明らかに間違っているレストランに
とうとう客はキレて帰っていく・・。
主婦はみんな不倫している、と新聞からの受け売りの情報を心配している矢作、シェフと呼べと
こだわりを持つ小木、そんな小木にジェフ・アンダーソンの名文句を紹介する矢作(しかし、
ジェフは単に矢作のお姉さんのダンナさん、そう、矢作さんのお姉さんは主婦)・・・・。
シェフ、ジェフ、シュフ。遊んでますねぇ。

兄弟再会。ベタな外人扮装している小林さん。「オウッ!サキホドマデノ、オカマトヨッパライガキスシテマスヨッ!」
窓の外を見て話をそらそうとしている様子だが、部屋の中には怖い顔した矢作さんと、何もしゃべらない謎の男、小木さん。
どうやら、この外人(名前はマルコス。ポルトガル人の血を引く)とこの謎の男が異母兄弟だということで矢作さんが
連れてきたらしい。どうしても信じられないというマルコス。
マルコス「ニテモニツカナイッ!目だって彼はわりと二重だし、私も奥目だし・・・」
口が利けないこの謎の男のどうして素性をわかりえるのかと、食い下がると矢作はささっと手話で会話する。
お金が狙いかとも思ったりもしたが、最終的に和解し「My Brother!!」と涙ながらに再会を喜ぶマルコス。
泣き咽ぶマルコスの肩をポンポンと叩き、「はいはい、もうこれでね、兄弟再会篇は終わりです」という小木。
そう、これは一種のイメージ商売だったのです・・・と。

小林さんの外人しゃべりは、ふっと江戸っ子にも聞こえる。なぜだ?(笑)

いい町。人にだまされやすい矢作。だまされつづけて人間を信じられなくなってしまった矢作はいい人しかいない
という町に住み始める。が、しかしそこに風俗大魔王山崎がやってくる。矢作はなんとか、山崎を追い出そうと
直接対決を望むが、そこに待っていたのは信頼していたハズのいい町住人の小木だった。
小木「オレ・・・謝んねぇよ・・・・」
山崎「おまえの望んでいたものなど始めからこの町にはなかったんだ。つまりおまえに守るものなど
存在しないっ!というよりはっ、おまえはおまえ自身を守りたかった!そうだろっ!!」
矢作「ああぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
・・・・・・なーんてね、結構真剣に終わるワケよ(笑)。策略かな〜と思いつつ、結構ヘコんだりしてね(笑)。
あ、風俗大魔王の歌、VTRが山崎さんのイメージにぴったりすぎて、頭を巡るめぐる・・・(笑)。
山崎さん、悪役似合うわぁ。

そんな、矢作さんが今度向かったのは「いい寺」。ここには小木と弟の小学校教諭けんじ(小林)が住んでいる。
昔、けんじはカッとなって矢作の右手をシャープペンで狂ったように、貫通するほど刺した経歴がある。
今回も、ちょっとした兄弟げんかの仲裁に入った矢作の左手を過ってシャープペンで刺してしまうけんじ。
出血しながらも、現場から逃げなさいとアドバイスする矢作・・・やはりいい人。
「ちきしょ・・・目が霞んできやがった・・・」(シャープペンで・・・(笑))
死の淵にいながら(?)も、明日のけんじの出題するテストのことを心配する矢作・・・やはりいい人?

トラウマダイナマイト。「さ、今夜も始まりました。トラウマダイナマイト〜!ダイナマイト!過去に傷を持つ人、
過去に義理の父親からファックされた人!今夜ダイナマイト!幼い頃に受けた傷、幼い時、義理の父親から傷を受けた人、
今夜ダイナマイト!この番組はそんなドラマを持ち、見事克服したお2人を招き、そのお2人に今日もう一度そのトラウマ
を思い出していただく番組でございます。司会はワタクシ、小学校3年生の時に母親の血まみれの死体を目撃した山崎です
よろしくダイナマイト!」・・・・そのお2人というのは、もちろんおぎやはぎ。
2人が落ち込むようなトラウマダイナマイトソングを歌っては、慰め、歌っては慰め。意〜味ないじゃん!(笑)
このトラウマダイナマイトソングが、実は大魔王の歌なんですね・・・(笑)。

交通事故。交通事故のSE・・・・部屋で一人苦悩している小林。どうやらひき逃げしてしまったらしい。そこに矢作がやってくる。
小林の様子に気付かず、「今夜テレビに出ます!」。しかし「あ、今夜そこの二丁目の角でひき逃げがあったんだってな」
と事件は知っている様子。でも、気にも止めず、テレビに見入っている。
小林はとりあえず安心しているのだが、そこに小木もやってくる。
小木「オレ、ひき逃げ目撃したんだよ。犯人も見ちゃった・・・・ちょっとだけだけどね」
小林「あぁ、それは見てないよぉ・・・・・」
矢作「で、どんなヤツだった?」
小木「こいつだよ」
小林「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!見てたの・・・?見てたの・・・・?」
みんなで小林の未来について考えようとなったのだが、矢作はそれよりもテレビの方が気になっている。
最後はひとり、逃げ切ることを決意する小林・・・。

エンディング。スタッフロール。

背広。客は気がついたらシャツまではだけている・・・。
店員(矢作)「ワイルドだけど・・・・」
結局、帰らされる客(小木)だった・・・。

昼の部トークでは、兄弟再会の時に一瞬、矢作さんの番と思われるところでセリフが飛んだ場面があったのだけど
そこで賢太郎さんが一度、機転を利かしたつもりで舞台袖に台本を確認しにいったり「頑張れ!」と矢作さんを小声で
励ましたりするハプニングがあったんですが。これ実は賢太郎さんのセリフミスだったそうです(笑)。
矢作さんのせいにしたことをエンディングで謝ってました(笑)。なんだか貴重なモノを見た気がする(笑)。
夜の部では、山崎さんからおぎやはぎが覚えが悪い!とのご指摘が出たけど、逆に山崎さんは稽古場に来てから
寝すぎ!と逆に責められてました。他、賢太郎さんからは今回楽しかったので、ラーメンズもじゃあ4人足してやろうか
という話になり「ラーメンズ−1+4ということで」と、また片桐さんが聞いたら泣くようなことを(笑)おっしゃってました。
そして最後は、小木さんの提案でなぜか三本締め(笑)。ま、年末ってことで・・・。

おぎやはぎの単独、おぎやはぎの色を満喫できるのかと思ったらそうでもなかった。
結構、オークラさんの色が強く出ていた。それはよかったのか、残念なことなのか。
おぎはやぎの天然色単独ライブを見てみないとなんともいえない。
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