ラーメンズ第9回本公演「鯨」 東京公演 2001年6月28日 スペース・ゼロ
横浜公演 2001年7月8日 横浜市教育会館もあわせて。

今回、初めての会場のスペースゼロ。品川庄司の単独などで行った事はあったんだけど…。
会場に入って最初の違和感は、舞台よりも広い客席幅。
舞台の上にはシアターD時代から変わらずの、10センチくらいの台が乗せてある。
その10センチのこだわりと、端の方の席(端から10人位は舞台の幅からはみ出して
いたので)客席の人が座って目の前が壁、という・・・・なんていうか、違和感。
規模が大きくなるというのは、こういうことなのかなぁ…と10センチを見つめる私。

ことわざ教習所。ことわざの免許をとるためまるで仙人のような師範?片桐の
元を訪れる小林。しかし師範のことわざの数々はどうもおかしい。
「まごにも衣装、ひ孫には現金、玄孫には圧力」
「聞くは一瞬のハイジ、聞かぬは一生のクララ」
「うんこ知新!」

超能力。超能力を持っている人間が身近にいたら・・・。友人であるお互いに
そんな能力があったらと思う小林と片桐。
透視・予測・思考読解・・・ありげに振舞う小林。
「おまえまさかっっっ!」
「みたいなみたいな・・・なー!」
そのうちティッシュの箱が動き出したり、実は本物・・・?

ズボラさんからのプレゼント。自分の誕生日に部屋で一人すごす小林。そこに年は同じだけど
会社の先輩にあたる片桐(あだ名はズボラさん)が本を返しにやってくる。
貸していた本は小林と同じ名前の料理研究家の本(笑)。
本とは別に紙袋を持ってきたズボラさん。袋を置いて電話をかけにいってしまう。
その紙袋を前に、その中身が自分への誕生日プレゼントなのではないかと推測する小林。
「貴金属バット?・・・・・高級な軟球・・・?」
「マメ柴だったりして?・・・・オスだったらケンタロウ。メスだったらカツヨ!・・あれ、固い!カタイヌ?」
詩集?という線を考えて、森本レオ風に朗読して想像したり。
一方のズボラさんは、実はやっぱり誕生日プレゼントなのだが、すでに持っていたらどうしよーと
悩みはじめ、渡す手段を考える。
その中身とは・・・実はマラカス。
「基・本・的・には!おまえが悪いっ!!・・・」

。壷を持った小林と片桐。ツボに向かってモノ(目に見えない)を投げる。
入ると「ポンッ」「カンッ」と音がする。

クジラ。部屋で絵描き歌を歌う片桐。そこにクジロウちゃん(小林)がバイトから帰ってくる。
「まるかいてちょん・・・まるかいてちょん・・・ものすごい量のまるかいてちょん!!」
「部屋の部に若いと書いて、ペヤング・・・」
このものすっごいピュアなキャラの(笑)片桐と、バイト先では「超」「がんがん」連発のクジロウも
実は2人とも1年だけの約束で人間になったクジラなのだ。
クジロウちゃん(小林)はバイト仲間に別れをつげ、一方の片桐は・・
小林「2人きりのときはそのキャラやめてくれないか、父さんなんだから」

人・モノ。一人と1つ、一人と一頭・・・。一人と500人、しかし小林にはもう1人見える・・・。
ところで、鯨の数え方はわかりますか?

アカミー賞。プレゼンテーターはケント・コバーン。アメリカンジョークを飛ばしながら
数々の賞のエントリー作品を紹介する。
ケントのアメリカンジョークにアメリカンなリアクションで返す客席の片桐。
ボーリングの使っていないレーンのモニターで流れている映像賞受賞はカラーバー(片桐)が授賞。
NHKの放送終了後、2時22分に砂嵐の中一瞬だけ見えたら怖い映像賞を授賞し
「どーも、機長の片桐です」と挨拶してみたり。

おしゃべり下手と芸術家の男。頭をてっぺんでしばり、トイレットペーパーをちょんまげのように
頭に乗せている芸術家・片桐と、会話をすべてまに受けてしまうおしゃべり下手な小林の友情。

*****エンディングとハプニング*****
東京公演初日エンディング。地方で「AXEL」のケイ・グラントのマネをしようとして
ネット放送されてなかったときの話。地方もやっているのに、なぜか東京は緊張してしまう、という話。
アカミー賞の時は今までの会場で一番リアクションが冷ややかで特に緊張したらしい。
「私をいじらないで〜」という雰囲気がにじみ出ていたらしい(笑)。
アンケート読む作業は大変。裏まで書いてあると面倒…とは思わ…ない(笑)ので
書いてくださいとのこと。誹謗中傷は凹むので書かないで下さい、とも。

横浜公演ではアクトデントが。1本目と2本目のネタで、天井から金具が2度も落ちてきて
あわや流血の惨事!?「誰かラーメンズを殺そうとしているだろう!」と、思わず賢太郎さんが
言っちゃうくらい、賢太郎さん危機一髪。思わず、「長井さん?(笑)」とおもった私。
「超能力」のネタ内でもあったから「おまえ、超能力あるだろう!!!」と言われる仁さん(笑)。
初日「超能力」のネタ見たときは「照明なんか落ちてくるんじゃないのー?」と思ってみてたら
案の定落ちてきたので「嗚呼」と思ったんだけれど、横浜公演のこのハプニングのおかげで
本気で危なく見えたという思わぬ効果はありましたが・・・。

横浜公演エンディング。最終日には何かしらのハプニングがつきものだという賢太郎さん。
前回は棒が折れたり、斜めの日のワイヤーが切れたりして、今回は金具が…。
他にエピソードを話そうとして「俺、なにを話そうとしたんだっけ?・・・俺こういうの初めてだ・・・
脳が疲れてるのかな?」と賢太郎さん。
教材片桐ストラップは、頭のネジの部分が外れやすいので、紛失の報告も何件かあるそうです。
片桐「道端で死んでるかも・・・大丈夫かー!」
とのことですので、使用している方はご注意ください。
公演の思い出を…ということだったんですが、仁さんは最後のネタが大好き!で本読みの段階で
泣いたそうです。最初の福岡公演ではまだ涙を堪えられず、泣いてたとか。真剣にセリフを
受け取ってしまうと泣いちゃうので、あまり真剣に聞かないようにまでしてたとか(笑)。
一方の賢太郎さんは「あのネタの俺のキャラ、気持ち悪くて」(笑)。
名残惜しくて、という理由でエンディングが長い長い。賢太郎さんは「引くぞぉ〜」と前振りしたあげく
賢太郎さんの一発ギャグ「やっかなウィンドウ」までやってました(笑)。
小林「2次会はランドマークタワーの…マックで」
片桐「ノンアルコール?・・・」
小林「シェイクで」
最後はもうモノマネ大会です。本当に名残惜しかったんでしょうねぇ。
長い期間でしたから。ケガなどはあったようですが、なんとか公演中止などという
ほどの事態が起こらず無事終了してなによりでしたね。

****個人的な感想・その他*****
「超能力」で、超能力体験を語る小林。昔スキだった女の子の手を握ったら、その子の
好きなヤツが見えてしまった、という話題に対し
片桐「そうか、見えたんだな。おびただしい数のち○こが・・」
小林「おまえのいう自由はそういうものなのか?」
直接的な三文字(笑)。エレキコミックの影響か?(笑)

同じく「超能力」でだったと思うんだけど(間違ってたらごめん)
仁さんの頭をぶんぶんと振ったあと、
小林「なんでそんなにいい匂いがする?」
片桐「セルディに変えた!」
「マシェリ」との回答の日も。そのシャンプーが売れたら経済効果だなぁ。仁さん効果。
このネタに関しては超個人的な話ですが、松尾貴史さんのオカルトに関する本を読んだばかりで
なんだかひとりタイムリー満喫状態、といった感じでした。

「壷」では珍しく賢太郎さんが短パンスタイル。オチ近くにまた「う○こ」。…なるほど…。
あの壷、最初は縦振りと横振りで音がかわるんだーと思ってましたが、
口近くにカンッとなる何かがあって、カンッの方は鳴らしてましたね。

「クジラ」のあのヤンキーキャラっちゅーかの賢太郎さん。
以前にもどこかで見たのですが、どこで見たかは思い出せません。
というか思い出さない努力をいたします(笑)。

「人とモノ」のネタの最後は、以前の公演のベーカリーのネタを思い出しました。

「芸術家」のネタで、手をそろえて謝る、みたいなポーズを仁さんが取ってたんですけど
(わかります?)あれって、その昔、キャンディーズが似たような謝り方してましたよね?(笑)
そんなこと気づいちゃう自分がいやですが(笑)。

*****はい。ここから先はさらに、相当なモノ好きな人以外読まないで戻ってください(笑)*****
*****読んだ後に文句を言わない自信のある人だけ読み進んでください。*******
*****持ち帰り批判などはもってのほか。そういう方はここで帰ってちょーだい。***




















全体を通しての感想としては…。仁さんのキャラをずいぶんと引っ張ったなぁ〜という感じと
賢太郎さんのトリックの糸が随分とはっきり見えた公演だったなぁ、という感じです。
トリックって、あのぉ・・・本当にワイヤーだとか壷の中とか、そういうんじゃなくて。
「ここですごいと思うだろう」「ここで驚くだろう」「ここがフレーズとして残るだろう」
「ここは泣かせる場面になるだろう」とか、そういう狙い的トリック。
普通はあると思うんです、あるの(笑)。それがラーメンズは見えづらくて、読みにくくて
知らない間に胸の奥のほうに残るから、その「なに?これ?なに?」というくすぐったいような
気味悪さやら、そのぉ…うまくキャッチしたときの喜びとかが楽しかったり、という楽しみ方も
あったんだけど、今回はその辺の手間がなくなってた気がします。
ラーメンズの教科書なるものがもしこの世にあったら、それを基にラーメンズ風なネタを作ると
こうなる感じだろうな、という感じの…といっても解りづらいですよね。
以前、何かの時に賢太郎さんが「ラーメンズにボケとツッコミはなく、ツッコミ部分を
客席に委ねているようなところがある」みたいなことを申していたことがありますが、
その客席に委ねられていた部分が随分となくなった、というか。
脳を使わずに流しても見られたので、記憶に残りにくかったというか・・・。
あ、あくまで私の意見ですからね。他の方のことまでは知りませんよ(笑)。
と。これがギリギリの感想です(笑)。誹謗中傷ではなく、感想です。

ここ最近毎回、アンケートに「凹むことは書かないで」と言われますが、難しいですね。
何が凹む内容になるかわかんないから、何も書けなくなっちゃいます
(他にも書きづらい理由はありますが)そんな客は書かない方がいいのでしょうかねぇ…。
お金を払って足を運ぶ“客"を望んでいるようにみえて、
「全てがOK」のファンを必要としているような空間、にちょっと戸惑うマジメな私、がレポートしました。
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