『おなじみ50時間!連続ルミネタ100連じゃい!!』
「velvetじゃい〜それが僕はとても不思議だった(再演)」2003年8月23日 14時〜


座長・あべこうじ。座付き作家・カリカペッシー…愛と平和を営むvelvet under//misin。
そのvelvet under//misinが50時間ライブの1コーナーとしてライブをやるという。
企画とか大喜利とかそういうのやるのかなーと思って行ってみたらば…!
なんとぉ。3年前の長編再演。ステキ。そういうのステキックス。


舞台には椅子が5つ。そこに女性スタイルの家城さんが座っている。客席からは可愛い…の声。
出演予定だった池谷よろこんでが「出たくない」ということで出演できなくなり(笑)、代わりに吉田サラダさんが出演することを報告。

大統領(林)登場。
家城「大統領、髪型変えた?」
確かに髪型に違和感。誰も気が付かないナチュラルカツラをかぶっている。
そんな大統領に胸チラをする副大統領(家城)。
そこに入ってきたのは科学技術庁長官(中尾)、宇宙開発庁長官・ギバ松尾(松尾)。
そして妙に砕けた態度の宇宙開発庁次官の徳井。徳井から状況説明。
国連が発見した2つの移住可能な惑星のうち、日本が移住権を得た惑星フィール。2253年4月移住開始。
6月惑星に到着したが翌日、主電源がストップ。すぐさま予備モニターが作動したが予備モニターもストップしてしまう。
その日、予備モニターには0歳から20歳までの子供4人の姿しか映し出されず、大人の姿は確認できなかったという。
大人だけに感染するウィルス…フィジカル成長率、メンタル到達度の影響があるのでは?という大統領。

国連側では別な移住可能な惑星シークレットが確認され、その移住権を日本としては独占したいが
その膨大な獲得費用のため、フィールの探査費用を出すわけに行かない。フィールごと捨ててしまえばいいが
それは日本の信頼の不利につながる。調査費用を民間企業に負担してもらおうと、キシモトマイマイを使って民間企業に
打診し募ってみたところ、条件としてカメラ搭載での中継放送が申し入れられる。
最低限の乗務員人数4人の子供たちがテレビ中継付きの調査船でフィールに向かう。

林「総理、いつまで私は総理の影武者を勤めればよろしいのでしょうか?」
家城「エンドレスサマー by 清水圭さん」

大統領影武者:林克治(カリカ)
副大統領(大統領):家城啓之(カリカ)
科学技術庁長官:中尾伸吾(ノンスモーキン)
宇宙開発庁長官・ギバ松尾:ノーパンチ松尾(ザ・パンチ)
宇宙開発庁次官:徳井健太(コブシトザンギ)
調査員・キシモトマイマイ:キシモトマイ


2253年、勝手な大人たちの言い分で、未知のウィルスが蔓延していて死ぬかもしれない惑星フィールへと旅立つ
“4人の少年とおっちゃんと不思議な生物の物語”

キャプテン・菊池ダイアリー(18歳):菊池大助(ノンスモーキン)
グリマー吉村(18歳):吉村崇(コブシトザンギ)
資格を5つ持つ冨田ゴロー(17歳):オコチャ
最年少乗務員・パンチドランカー(15歳):パンチ浜崎(ザ・パンチ)
惑星移民の様子を伝える番組「幸せ移住計画」番組司会者・アラビアン熊谷:熊谷岳大(ガリットチュウ)


穏やかな性格で最年長、仲間をまとめて行こうとするキャプテン・ダイアリー。
任務には忠実で感情をあまり表に出さず、対立の気配を見せていたグリマーとの和解、そして仲間の友情。
DB計画(人間の肉体面での力を極限に引き出すドラえもん・ドラゴンボール政策【人が創造できることは
人ができることだけ】という考えに基づいた計画)で生まれ、両親を知らないで育ったが、その計画のおかげで
見えない友達?トッティを使って超能力らしきものを見せることのできるパンチ。
古きよき日本に憧れる純粋日本人で少し幼いところがあるゴロー。そんな4人の旅が始まる。

2週に一度、船内を見世物中継されることへ対する不満。
死ぬかもしれない惑星フィールへ近づいていく少年4人。
そこに現れる予定外の生物たち。

パンチの超能力の陰の暗躍…者?・トッティ:デッカチャン
船内の修理をしているうちにそのまま寝てしまい一緒に来てしまったおじさん・シューバルト:あべこうじ
おじさんが後々つけた超能力の陰の暗躍者・バラック:たーちゃん
ゴローが途中の惑星で拾ってきた卵から孵化した謎の生き物・ヒデキ:吉田サラダ
途中の惑星で出現し、クルーを傷つけた恐ろしい謎の生き物:増谷キートン

惑星フィールの住人:うみのえりこ、徳井健太


【コメント】
まぁー。よくやったなーという感じ(笑)。50時間のお笑いライブの1時間半。昼の一時間半。
真剣お芝居を持ってきたvelvet//under misinチーム。すごい。
この作品は家城さんが初めて書いた長編のお芝居作品だそうで、初演のデータを探りきれないので
なんとも…ですが、velvet//under misin前回公演「ナツの魔物」からの流れがなんかしらあったのか、
それとも単に多忙具合の関係か、今回は演出にデッカチャン。出演陣も若手クラスを主役級に配役。
特にコブシトザンギ・吉村くんとオコチャの活躍は大きかったのでは?本格お披露目大成功という感じでしたよね。

惑星移民の話、ちょうどそういう内容の小説を読んでいたところにリンクしたので驚いたのと、
地球のみんなが手からパワーを送るところで、客席のみんながちゃんと手を挙げたところ(笑)ちょっと感動したね(笑)。
客席からのクルーへの質問に、キャラで答える場面も立派だった!
まさかじっくりvelvet//under misin公演が見られるとも思っていなかったナツの昼下がり…
実にお得な時間が流れた気がしました。爽やか〜。

劇中歌:ザ・カスタネッツ「僕はそれがとても不思議だった」

velvet under//misin「ナツの魔物」2003年7月21日ヤクルトホール

「去年の夏、私は息をしながら死んでいた」
…という、チラシに書かれたキャッチコピーがすごくいい感じというのと、
そのいい感じをドカンと幕開け一言目に早くも持ってきちゃうあたりが
velvet under//misinだよなぁ(笑)…と思う梅雨明け前のナツ。

8年前のある日。ジャッジミスにより職を追われた元野球審判員・村田。
その日以来、仕事もせずギャンブルなどに明け暮れる日々を送る。
そんな父に愛想を尽かす息子と娘。
どんなときも味方でいてくれた妻・マイは余命一年の病に罹ってしまう。
妻の残り少ない余命期間、彼女のワガママを聞いてやれと主治医ブラウン・ジャックは夫に告げる。
無理難題なワガママに少しずつ出来る限りの力で応えようとする父・コウジ。
その姿を見て少しずつ、昔の父に対する愛情を思い出していく子供たち。
父が借りた借金を取り立てにきて、そんな子供たちに惚れてしまうヤクザの兄貴とその師弟。
村田家のペット・ピーコに惚れるヤクザの親分ハゲタカ。
騒動を巻き起こすヤシ子おばさんを筆頭とするマイの妹一家。
死に行く人を迎えに来たが時期を間違えたため、暫く村田家で過ごすこととなった死神…
病と死を前にして、どんどん賑やかで楽しい一家になっていく村田家。
やがて一年が過ぎ、ひとつの命が消えることになる…

元野球審判・村田コウジ:あべこうじ
こうじの妻・村田マイ:キシモトマイ
こうじの娘・村田チエコ:池谷よろこんで
こうじの息子・村田シンゴ:中尾伸吾
村田家のペット・ペンギンのピーコ:デッカチャン

マイの妹・ヤシ子おばちゃん:家城啓之
やし子の夫・キクオ:菊池大助
やし子の子供・ウシオ:牛島康子

死神見習い:ノーパンチ松尾

半分鳥で半分人間のうぐいす:松田ヒロアキ
うぐいすの兄貴分・フラミンゴ:増谷キートン
組長・ハゲタカ:鈴木Q太郎

佐々木大次郎:掛川ハンジョー(都営12号線)

伝説の名医ブラウンジャック:林克治(カリカ)
研修医・妻夫木英二郎:オコチャ

ホームランガールひばり:リンダ徳村
ひばりのマネージャー・曇リ空晴レ子:うみのえりこ
晴子の彼・キムラジョンイル:パンチ浜崎

秋友ノーストライク:たーちゃん
エキストラ?:コブシトザンギ
千秋楽特別ゲスト:2丁拳銃・小堀

この公演、5公演ともエンディングが違うということで話題でした。本当に全然違いました(笑)。
友達の話など総合したところで、おおよその流れ…です。

1日目。コウジ亡くなる。医師が「元々病気だったのは旦那だった」と説明。父親を死んだように生きたまま
死なせたくはないと妻と協力して、彼に嘘をつき、妻のために尽くすことで彼にやる気を取り戻させたのだった。
ブラウン・ジャックは彼の心の病を治したのだからと、手術代として1500万円を徴収。
保険金が借金返済と手術代でなくなったが、明るいマイのとりまとめでみんなで仲良く暮らそう…という流れ。
コウジが残した宝くじが当たったかどうか、当たった??…と最後に謎を残したままの形で終わり。

2日目。病気だったコウジに臓器を全て提供したマイが亡くなる。コウジに再びちゃんと生きて欲しいと願うマイの気持ち。
借金は半?家族となった鳥たちの計らいでチャラ。手元に残った1500万円で再びギャンブルを始めるコウジ。
その隣にはひばり。ひばりと再婚することになったらしい。最後の最後までハワイに行くなどして浪費。

3日目。元々病気はコウジだったパターン。コウジ亡くなる。ヤシコの元に秋友が。劇団をやめたいと告げる秋友に
新しい夫・キクオにならないか?と声をかけるヤシコ。
かつてのキクオは、マイに「何もしない」と口説かれ?連れて行かれる。

4日目。2日目と同じパターン。生き残ったコウジはマイの遺志を酌み、一生懸命働く。が。
ある日、劇団員(吉村)に“人殺しの演技を極めるため…”と、刺され亡くなる。
エンディング後、Love me doが出てきて「私もステキな男たちと戯れた〜い!」。
幕が再び開き、出演者全員が水着で踊りまくり。

千秋楽。コウジが亡くなるパターン。借金は、鳥たちも他から借りていたお金を貸していたため
回収せざるをえなく。
そんな時、ピーコとハゲタカが宝くじを握り締め新聞を見つめて笑っている。

まさか宝くじ当選?と思いきや、「…当たるわけないじゃん!(笑)」と明るく。
そこにウシオが遊びにくると、ハゲタカが反射的に主人・佐々木の敵を取ろうと斬りかかり殺してしまう。
その影響で、それぞれが敵を討ちはじめ…全員死亡。最後にひとり残ったマイ。

ブラウン・ジャック「サービスでパワーアップしといたよ」
その後4日目と同じ、出演者全員の半裸姿でのお祭りへ突入。会場全部を走り回る大騒ぎ祭り。


【感想】
今回の公演は…ちょっと「中崎タツヤ」の世界。ちょっとだけね。別に似ているとかそういうんじゃないの。
中崎タツヤ作品って、絵が絵だからすごく好き嫌いが別れる。絵で食わず嫌いが出ちゃう。
だけど食わず嫌いしないで、読んでみるとなーんか意外な場面で、「あぁ、人生って」なんて思う。
意外な場面だから読者全員がそこでそう思うわけじゃないし、「人生」というキーワードを形作るわけでもないと思うけれど。
でも、なんか背負った感じの人生観ではなくて、気の抜けた、ものすごくアバウトな感じで掴みかける何かを…みたいな…。
…わかるかなぁ…わかるかなぁ…このvelvet under//misinの世界観。万人に薦められる感じとはちょっと違うという感覚を。
その感覚が今回もまた強まった感じがしました。
家城さんをはじめとする作り手側の言いたいところが、形はないのだけど…形にして受け止めたくはないのだけれど
すごく原石のままぶつかってくるようなところがあるのがvelvet under//misinかなーと思います。ある意味宇宙的です。
その中から本物の石を拾い集めて加工するのはお客さん次第。磨いたところで思ったままの輝きを放ってくれるかわからない
不思議な手触りの石ばかりなんだけど…その工程を、どこまで石に愛情注ぎながら楽しめるか…みたいなね…。
いろいろと考えつつも、最後はお祭り付(千秋楽と前楽のみ)でパーッと楽しんでおしまい。ナツって感じだねー。

会場を出てふと、家城さんプロデュースの遊園地に行きたい気分になった。少し切なく、気持ち悪く。そして楽しい遊園地。

velvet under//misin「ナツの魔物」試演会 2003年7月7日中目黒ウッディシアター

10日後に始まる「ナツの魔物」を前に、いわゆる…プレビュー公演です。でもプレ公演というのは
よくわかんないけどほぼ完成品と同じくやり遂げるいわゆるリハーサル公演みたいなモノと認識してましたが
それにも満たない…みたいな(笑)。まさしく試演に次ぐ試演でした。

作・演出のカリカペッシーこと家城さんのご挨拶から。めがねにチェックシャツに短パン姿の家城さんは
大学8年生といってもおかしなくいような…いや、それは事実です(笑)。

velvet under//misin公演初日を見に来たことのある人なら知っての通り、初日公演時間が3時間半オーバーに
なったりすることはザラ。今日はストーリーをダイジェスト版でお送りしてみる。
17日の本番では、多分半分くらいの内容になっていて、なくなっているエピソード部分も多々あることだろうと、まず説明。
そしてもうひとつの説明。重要な役どころだったキシモトマイちゃんが、どういったわけか「風疹」に罹ってしまい
(家城さんが先月後半に風疹で入院していたのに、途中病院を抜け出していたりしたことはナ・イ・シ・ョ!)
今日の試演会には出られないので…と代役として登場したのはカリカの女性マネージャーさん(笑)。
(家城さんとは“月2回のセックスの仲”だそうです(笑))背格好はマイちゃんと同じくらいの女性です。

元野球審判・村田こうじ:あべこうじ
こうじの妻・村田マイ:キシモトマイ
こうじの娘・ちえこ:池谷よろこんで
こうじの息子・しんご:中尾伸吾
村田家のペット・ペンギンのピーコ:デッカチャン

マイの妹・やし子おばちゃん:家城啓之
やし子の夫・きくお:菊池大助
やし子の子供・うしこ:牛島康子

死神:ノーパンチ松尾

半分鳥で半分人間のうぐいす:松田ヒロアキ
うぐいすの兄貴分・フラミンゴ:増谷キートン
組長・ハゲタカ:鈴木Q太郎

佐々木大次郎:掛川ハンジョー

伝説の名医ブラウンジャック:林克治(カリカ)
研修医・妻夫木えいじろう:オコチャ

ホームランガールひばり:リンダ徳村
ひばりのマネージャー・曇空晴子:うみのえりこ
晴子の彼・木村正日:パンチ浜崎

謎の男:たーちゃん
通りすがりの登山客:徳井(コブシトザンギ)

まずはなんといってもこの日代役で出ていたマネージャーさんのキシモトマイちゃんのマネ具合でしょうか(笑)。
誉めどころ違うって?いやいや、すごく上手なの!仕草とか見事なコピー具合。彼女はここであの芸を披露する
ことがなかったら一体どこで、これを披露するつもりだったんだ!っていう披露しなきゃ損よ、というあの名演技。
池谷さん、キートンさん、デッカチャンは出てきただけでざわめきが(笑)。かわいい、気持ち悪い…いろんな意味でね(笑)。
まぁ、そのざわめきも、コスプレ一家のやし子おばちゃん一家が出てきたときの声に比べたら…あれはすごい!
あれを観るためだけにお金払ってもいいくらいに。
velvet under//misin初参加のオコチャも、冷血な林医師との組み合わせでおいしいポジ。まぁ、2人の登場が
少ないんじゃないの?という不満の声もありましたが。不満を一番言っていたのは私ですが(笑)。
林さんのあべさんに対するお仕置きの「グーのゲンコツ」が一番ツボに入った私。
その次は…やはり増谷キートンさんでしょうか。「最悪レ○プの方向で、」なんて言葉が、そんなお下劣に聞こえず?
日常会話的にいえるのは増谷さんくらいなもんですよ(笑)。←一応誉め言葉。最悪、ですからね。
途中ダイジェストで流したんですが、なので、わからない部分を残して…なんですが、この人数規模で
全員に役を割り当てることの難しさが如実に出てましたね(笑)。
思い入れとか情とかを、どこかでそぎ落とすっていう作業も…なんてね。
まぁ、家城さんの細腕に期待をかけて。本公演までの10日間を待ちたいと思います。
inserted by FC2 system