劇団ひとり単独ライブ 2003年3月1日 銀座小劇場

今回のライブレポは大変ネタバレ度が高くなっています。
あくまでライブを鑑賞した後の復習用です。
今後のライブでこれらのネタを新しいネタとして楽しみたい方はここで見ないで
戻られたほうがお得。絶対にお得。














ね。

場所柄かサラリーマンのおじさまたちが、若い女性やら男性やらでにぎわう銀座小劇場前を何があるのやら?という
顔をして通っていく。相当気になるのか、劇場に張ってあるこの公演のチラシを見て、さらに?を頭に浮かべて去って行く。
そりゃそうだ。「劇団ひとり」と書かれてるそのチラシには本当に川島くん1人のナル入った姿の写真があるだけなんだもん。
劇団なの?ひとりなの?といったところだろう。うしし。ほんっとはね。
そんなおじさんたちも十分に楽しめるそんな公演がここでは行われているんだよっ。
でもねっ。教えてあげないっ。なぜって………。………劇場が狭いからだよっ!

といったわけで、会場内後ろ側のラクに座れる椅子席は関係者席として芸人仲間さん(明らかに仲のよさげな人たち
なので見に来なきゃ逆に心配になるような面々)やら、エラい(と思われる)おじさまやらの貴族席と化し
2500円を払った庶民たち(一応お客)は貧民席へと案内され足腰に苦痛を感じつつ北○鮮移民船のごとく押し込まれたワケだが。
後ろの女の子たちが「…少し考えて枚数売って欲しいよねぇ〜」と文句を言っている気持ちもすごくわかるんだけど
川島くんだよね。そうなんだよね、川島くんなんだよね。んじゃあ仕方ない…と思ってしまう。そんな銀座の夜ね。

No.1「春樹センパイ」。ヤンキースタイルの前説?とてもうまいことを言うのが上手。
彼女が欲しいのに頭のてっぺんが薄くなってきたことに悩んでいるハルキ。雑誌広告で宇宙のパワーをうけ
身近に置いておくことで髪が生えてくるという石を購入し置いておいたが、一向に効果がなく…販売元に電話したところ
相手が“それにしては随分と血のケが多いようですけど…”。それを聞いたハルキは
「あいつとはもっと違った形で出会いたかった…」

No.2「綾小路ひこまろ」。オレンジ色のひらひら衣装。そのまんま綾小路きみまろの衣装を想像してください(笑)。
浅草演芸場の舞台を前にリハーサルをしているひこまろ。
「みなさん、こんにちわー!バラバラですねぇ…」
「日本人の3人に一人はガンらしいですね。1、2、ガン。」
いよいよ出番。舞台袖から客席を覗くと客は若い女性1人。
「みなさん、こんにちわー!…バラバラではないですね。一人ですからね。」
「日本人の3人に一人はガンらしいですね。1、2…お互い健康でなによりです。」
若い女性はすぐさま席を立って帰ってしまう。誰もいなくなった客席。支配人に止められるが
この舞台を最後に引退することを決めていた綾小路は、最後まで舞台を務め上げるという。
そこに綾小路の妻と子供が。最後の客は自分の家族たち。
「お父さんのこと好きですかー!…バラバラじゃないですか。しかし、家族はこれからひとつになるのです」

No.3「なんでだろう」
修学旅行を前に生徒に注意事項を説明する教師。別な教師は修学旅行のレクリエーションの出し物として
テツandトモの「なんでだろう」をマネたネタの練習中。なんでだろうネタを考えてみると面白いという教師。
早めに説明が終わって余った時間、自分が考えた「なんでだろう」を語り始める。
次第に勉学に対する生徒たちの姿勢を「なんでだろう」と責め始める。
「先生はおまえたちになんでだろう、だな。知らないことを知りたいと思うの当然なのに、勉強しないのなんでだろう。」
「みんなと同じ私立の連中は笑うからね。なんでだろう、っていっつも思ってるから」

No.4「ウォン・チューレン」
用務員の仕事に従事するチューレン。今日も自習を告げに教室へやってくる。ゴミ焼却炉を最高の相棒としているチューレン。
金魚を見つけたチューレンは誰が飼っているのか、と聞くと生徒たちからは「みんな」と回答が。
その「みんな」にチューレンも入っているのか、と聞くと、生徒からは否の回答(笑)。
「外人の用務員だから?!」
「せめてエサ、あげていい?」
あげくのはて金魚は僕だ、と言い出すチューレン(笑)。

No.5「オマールちゃん」
ギターを抱えたミュージシャン・オマルちゃんが上野公園へ行ったときの思いを語り始める。
「上野公園には自由があるの。寝たい時に寝て、食べたいときに拾うの…」
そしてそこから出来た歌を歌い始める。曲名は「ヤブさん」。
「上野動物園に行く道〜♪なぜだろう?すでに獣の匂い〜♪世間の檻から逃げた獣たちが集うサファリパーク♪上野公園〜♪」

No.6「ミスダンディの同窓会」
茶色の付け毛にスーツ。胸元はオープン。同窓会に男が現れたが周囲は誰だかわからない。
「俺だよ、宮本あずさ!ほら、ポニーテールだった…」
ダンディハウスで働くミスダンディになった元女だったのだ。おなべとミスダンディの呼称にはこだわる元あずさ(今は諸星)。
そのあずさに昔告白したことのある男も同席している。学生時代の告白の答えを聞かせてくれ、と言い出す男。
あげくキスさせろと迫ってくるのを気持ち悪い、と断っていた諸星だが力には勝てない。
応じているうちに…
「ホモになったくせーんだけど…」

No.7「ジョーはるお」
府中刑務所の慰安に訪れたジョーはるお。「波止場の女」を歌い出そうとするが、MD(エムデー)の調子が悪く音楽が流れない。
合間を埋めるため、トークを始める。
「待望のミニアルバムが発売されます。よかったらお買い求めください。もちろん出たら…CDが出たら。皆さんも…出たら」
「こぶしのまわし方にもやり方があるんですよ。小指の部分に力を入れて…もちろん薬指でも大丈夫ですよ」
次第に調子が乗り出し、客…囚人いじりに。

No.8「旅行代理店の男」(川島くんの銀行強盗のネタのシリーズ?)
会社帰りに街を歩いていたとき、駐車場でレディースに囲まれて暴行されている会社員を助けた時のことを語り始める。
マゾを自称するこの男はワクワクして、その会社員を助けた後、レディースの攻撃を自分に仕向けるよう努力する…。
「女王さまか?だったら呼んでやるよ!女王様よ!…挑発に見せかけた、完全なプレイです。」
「MはマゾのMじゃなかったんだ。きっとミラクルのMだったんだ…」

No.9「モーニング娘。オーディション」に現れた男。
男は受けられないオーディションと知りつつ、カツラをかぶり受けに来た男・加護辻子。
男であることを問い詰められ
「これはオーディションですか?取り調べですか?」とシラをきるが、すぐバレる。
しかし、つんくの囁いた「面白そうじゃない?」の一言に、調子に乗って芸を始める男、本名・万田チョンごろう。

No.10「古本買取」
使い古した英語辞書を売り払おうとするが、汚いし売れる品じゃないと断られる。
この本には思い出が詰まっているんだと、思い出を思い出しながら(作りながら)語り始める男。
ある少年・町田リョウと女性教師の感動ストーリーを語りだす…

エンディング。一礼して終わり。公演時間はおよそ90分。ちょうどいい時間。

まずは…幕間の長さが一人の大変さをあらわしているような…ねぇ。ひとりだもんねぇ。
ひとりで90分のセリフを覚えることを考えるってだけでも大変!しかし、本当にすごい。

川島くんはペテン師だー。と、誉めてる意味で思う。
元々スープレックス時代も青春っ子クラブでいろんな顔を見せていたし、そんな改めて…な発言かもしれないけれど
そういう「いろんな顔を見せる」という意味のペテンでもあるけれど、コントの中で演じる彼や彼女に感情移入して
観客が楽しんでいるところで、「バッカじゃ〜ん」と思っている川島くんが中にいるような。そんな感じ。
でも最後には「そんなに夢中になるのはバカだけど、でもいい話だと思わねぇ?」といいそうな…そんなペテン師。
悔しい〜と言いながらも騙されてあ・げ・る!……という、そんなキャラクターでドラマどうです?(笑)
関係者席にいたおエラいさんたち…ねぇ!オフィスクレッシェンドから花輪も届いてたことだし。堤幸彦さんあたりでどう?


おまけの追記:場外整理をしていた末吉さんも、ちょっと面白かった。
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