劇団ひとり単独ライブ2 2003年10月14日 銀座小劇場

雨降る銀座。そんな中、お客さんを整理番号順に案内する末吉くん。30歳過ぎた末吉くんより
芸歴でいったら相当先輩にあたる劇団ひとりこと川島省吾くん(お笑い甲子園出身だっていうんだから)。
そんな彼にとても似合っている雰囲気の銀座小劇場。だけどとっても狭いの銀座小劇場。
だからチケットも即完売。もっと広くて楽チンで、そして彼の雰囲気を壊さない劇場…ってないもんかしら。

前説は前回同様「春樹センパイ」。例によって通販に失敗してみたり、ダジャレを聞かせる春樹センパイ。
浅草芸人の香りの漂わせ方がいーぃねっ。

言葉もうまくしゃべられない状態のゲットレンジャーレッドの宅間アキラ。緊急入院→手術→まだ麻酔の切れていない
術後わずか6時間後の会見。回復したと無理矢理言い切る(笑)宅間。マスコミに報道されていることに対して
反論がしたかったそうで…。整形手術だとか、再起不能だとか言われているが、子供を救って…救っている途中に
肝臓が痛み出して、肝臓の手術だっただけだったとかを主張する。レンジャーのポーズを取ろうとすると
動きに自由がとれずひっくり返りマネージャーに抱き起こしてもらう宅間。
…麻酔で体が言うこと聞かない状態って…歯医者などで経験したことがあるし…脱力感に爆笑(笑)。

演出をつけている演出家。自分は変わり者で知られているのに、よくぞ本番前日までついてきたと誉める。
変人という言葉、キチガイという言葉を誉め言葉と思っているタイプの人間。
解散後、一人の団員だけにダメ出しで振り付けの指導を始めるが…

パジャマ姿の男性の独白。マイホームが火事にあった出来事を語りだす。ある日寝ていたら家が火災に。
外に飛び降りたところに、助けにきたのは隣の旦那さん。その旦那さんに「まだ家の中に妻が!!」
火に飛び込んでいく隣人。そこでふと気付く。妻が実家に帰っていたことを。
しかし、隣人が使命感に燃えいい顔をしていたので、気の済むまでやらせてやろうと(笑)放置。
他にも、通りがかりの学生も妻を助けに火の中に…
「青年の目は燃えていたのです。出火原因は…若さです。」
「言うなれば、これは…平成版本能寺の変です。私は明智光秀です。残念なのは肝心の信長が
実家に帰っていたことです。」
他にも次々と助けのために人が炎の中に飛び込んでいき…しばらくすると中から
「あれ?いなくねぇ?」
銀行強盗の続編というところでしょうか。独特な空気感、倫理問題的にテレビでは伝えきれないこの魅力…。

用務員ウォン・チュウレン。頭痛で帰宅した担任のことを知らせにきた用務員チュウレン。運動会のことを
決めているよう告げると、チュウレンも一緒に…と言われる。
「チュウレンは赤組?白組?…負け組……。これからおまえは生きてるんじゃない…生かされてるんだ…」
飼っていた犬を食べた話、初恋の話、得意のダジャレ…。チューレン、今回はオバタ先生に告白か??

ビジュアル系バンドを解散してから一年。解散後、音楽をやるためニューヨークに行っていた男。
向うで知り合った友人・ジェームスが自分がゲイであることを素直に告白するのを見て、なぜだ?と思った彼は
そのことを問うと「確かにそうだ。自慢しすぎたな」と返してよこした。そんなイノセンスな場所(笑)で過ごした自分も
変わらないわけはない…と、ライブに入る前にひとつの告白をする。
「I am ゲイ」
ゲイをテーマに歌いだすが客席は引いてしまう。日本はそんなものなのか?アメリカに遅れている…と説得するが、
それでも客は引くばかり。かぶれた英語訛りで(笑)ゲイの擁護を始めるが…。

新宿二丁目でママをやっているレベッカこと本名・和田そうすけ。男に捨てられたレベッカは
淋しい気分の時はジャズを聞いて癒される。別れた男・けんちゃんとの想い出と口トランペットを聞かせるレベッカ。

老人ホームに慰労にやってきたマジシャン・ミラクル葉山。相手はもちろん老人たち。
トランプのストップをかけるのも、トランプのマークを覚えるのも難しい。
袖に一度引っ込んでしまえば、ミラクル自身も忘却の…
「どうもぉ〜はじめましてぇ〜。」

上野動物園・象の花子との戦い。昭和18年、ぞうの花子の飼育担当をしていた男の物語。
戦争が激しくなり、象を生かしておいては危険だとエサに毒を混ぜて殺すこととなった。
ところが象は利口でエサをたべてくれない。だんだんと「バカにされて」いることに気付いてきた飼育係。
「いつアメリカ軍の爆弾が花子に命中するかわかりません。そんなのは嫌です。花子は私が殺すのです」
「それが偶然なのか意図的なのか…花子のバンザイを見れば一目瞭然です。」
これはもう一度みたいネタ。

新曲ふりつけ。ロボットダンスの振り付けを古いといわれた振付師。
「古い?満足なロボットもできてないこの時代に、古いってどういうこと?」
まっとうなロボットができる時代の、人間とロボットのふれあいを語りはじめる…。


格好いい。とにかく、また格好いいことをやってくれた。“芸人”の匂ひがする。いい!
これだけ美味いものを見たあとに、うまい言葉なんて浮かばない。そんな感じです。
第三回も無事にチケットが入手できますように。それだけを祈ってみます。
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