Piper第5回本公演「スプーキーハウス」2004年12月25日スペースゼロ

世間はクリスマス。敢えてこの日にホラーコメディー?を見るのも悪くないだろう。
今回の作品はPiperメンバーが3人から5人に増えて初のオールメンバーの作品…となるかと思いきや
腹筋さんが「メルス」出演中のため4人の出演となったそうです。

洋館内部と思われる室内セット。中央には肖像画。

前説アナウンスは作・演出の後藤ひろひと大王自ら。通常アナウンスの途中を割り込むように入ってきて
すすっと、おふざけ&インチキ(あくまでも、ものすごい誉め言葉)な後藤ワールドへ切り替えちゃう大王。

作・演出:後藤ひろひと 

出演
赤の館に住む一家・ひろゆき:山内圭哉
赤の館に住む一家・みずほ(ひろゆきの妻):楠見薫
赤の館に住む一家・たまこ(みずほの娘):平田敦子
 
カラオケ撮影班カメラマン・星:川下大洋
カラオケ撮影班ディレクター・まり:篠原ともえ
 
屋敷の鍵を管理する近所の住人・沼田:廣川三憲

国際的詐欺師・戸川:石丸謙二郎
泥棒:竹下宏太郎

ゴーストバスター:後藤ひろひと

屋敷を呪われた「赤の館」にするため、観客に「誰か殺されてください」と告げるストーリーテーラー。
客席、クスクス笑い。早くも“この芝居、なんか怪しくて楽しいことが起こりそう”という気持ちになる。
後藤「“だったらお前が死ね”と思ってるんでしょう?いいでしょう…。
私の行為は一見自殺のように見えますが、私は皆さんの意志によって殺されるんです」
と言い残し、拳銃をこめかみに当てる。銃声。

「呪われた館」として心霊スポットとして話題になった洋館。そこに勝手に住み着いた一家。
ロケと称してやってきたカラオケビデオの撮影隊、屋敷にあるという大金を狙いにやってきた泥棒、
この屋敷の鍵を保管している近所の住人、そして…ゴーストバスター。
一家はここでの生活を守るため、自らが呪いの主人公のように振る舞い、来訪者を追い払おうとするが…

娘役の平田さんと、それに翻弄される父親・山内さんの掛け合いがステキ。
石丸さんと竹下さんのダンスシーンはさすがっ!という感じで。

カーテンコールは3回…だったかな。1回目はオールキャストで。2回目・3回目はPiperの4人で挨拶&歌披露。
川下さんと後藤さんが歌って、僧正がギターで、竹下さんがパーカッション。
曲はThe Everly Brothers「Poor  Jenny」。素敵なクリスマスプレゼント。

この芝居は説明するのが実に難しい、…そう作者が言っていた(笑)。だから内容は大雑把に省く。
この芝居の面白さを周囲の人に説明するのは君たちには無理だろうから
この作品のDVDを大人しく予約して帰んなさい、と大王のDVD宣伝。
ああ、そうさ!確かに。こんなこと言われても悔しくもないねっ!しゃーないよ!

芝居の面白さの説明はお手上げでDVDに任せるとして。
この作品、随所に過去のPiper作品とのリンクが貼られていたりして。
「スリーテナーズ」の淳二が、今回そのままこの屋敷の財産を狙いにやってきて
昔の犯罪で部屋が納豆で埋まったあの日のことを語りだしたり、冒頭で自殺したのは「金五郎」だったり
(ギャッフン、スリーテナーズに登場したキャラ)…。大王ファンとしては嬉しいやね。

嬉しいといえば、今回の芝居、大変短くまとめてありまして
「最近3時間というインド映画みたいな芝居が多い演劇界…、1時間半にまとめてみました!」
思わず拍手。私の理想は1時間半〜2時間なのよぉ…。嬉しいわ、大王。

劇団乙女少年団第5回公演「愛の賛歌2004」 2004年11月28日 スペースゼロ
〜その男の愛を見て 僕の愛は嘘臭くなる〜

まず…まず言わせて。劇団乙女少年団ホームページに
「写真撮影、ビデオ撮影はアリです。が、フラッシュ撮影だけ、ごめんなさい。」って書いてあるじゃろがーいっ!!
ほんま(なぜか関西弁)勘弁してくださいよぉー!
劇場の色合いの問題もあるんでしょうが、フラッシュに結構気が散りました。

さて。気が済んだので、報告行きます。今回の公演は前回velvet under//misinの公演として上演されたもので
その前は2001年の夏に上演されています。ってことで〔○○〕は、初演時の配役です(前作レポ参照)。《 》内は前作。
そうそう。前回の上演時は「カリカペッシー」が作・演出、とのことでした。今では懐かしい呼び名ですね。

作・演出・主演:カリカ家城

神父:菊地智義(ポテト少年団)…《あべこうじ》
オカリナ:中尾しんご(ノンスモーキン)《前回も同役》
ボンボン:竹永(コンマニセンチ)…《パンチ浜崎(ザ・パンチ)》…〔井上マー〕
ビッグエッグ伯爵家のお嬢様・黄身お嬢様:椿鬼奴…《デッカチャン》
足長おじさんのビンセントギャロ:コーセ…《菊池大介(ノンスモーキン)》
古館(コカン):猪俣光昇…《林克治(カリカ)》
奥様:小川智恵美・徳村亜紀子(リンダ)《前回も同役》…〔家城啓之〕
素:押見泰憲(犬の心)…《家城啓之(カリカ)》…〔押見泰憲〕
旅のコック:竹内建人(ミルククラウン)…《たーちゃん》
ブタ子:ジェントル(ミルククラウン)…《池谷だよ〜ん(犬の心)》
ナース:家城啓之(カリカ)…《牛島康子》
ドクター:ピーナッツ中谷…《増谷キートン》…〔松尾和範〕
耳有り法一:オコチャ…《ノーパンチ松尾(ザ・パンチ) 》
幽霊の岡里奈:内藤輝彦(ポテト少年団)…《うみのえりこ》
セットチェンジで素と仲良しの黒子:堀内貴司(コンマニセンチ)《前回も同役》
派手子―ズ:大西ライオン(新規)
派手子―ズ:こうのゆか(新規)
素の進化?堀部雅人:堀部雅人(前作はキシモトマイ役でマシモトマイ)

ストーリーに関しては、前作レポを見てください。と、手を抜きます。

成熟していって欲しかったvelvet//under misinが解散。
そのベルベの印象が色濃いまま、この作品を見てしまうと「成熟して欲しかったのが若返っちゃったじゃん!」と
ツッコミたくなります。まぁ、「ツッコミたくなる」くらいの感情の揺れは観客のわがままとして許してやってよ…と
家城さんに酔っ払って絡みたくなります。
特にvelvet//under misin内でも大人の落ち着き(見た目。実際は知らん)担当だった組の抜けた穴は
「…はぁ〜」って思っちゃいました。神父、古館、ドクター…ね。特に神父ねぇ…あべさんの存在は…。
一方では、ボンボンなんかは今回良かったなと思いました。

さてさて。今後、劇団乙女少年団はどうバケていくのやら。

大人計画「イケニエの人」 2004年11月24日・12月5日 世田谷パブリックシアター

久方ぶりの(3年半ぶりらしい)大人計画本公演。松尾スズキの新作ときました。
それも全員出演とあってチケット購入時は結構大変な思いをした記憶が。

フライヤー…だったかな?の写真には、中央に猿時さん、そして両サイドにサダヲさんと公園さん。
3人がコックさん姿(白衣)だったんで、まぁ、この3人メインなのかしらねぇ…なんてその程度の
予備知識でいたんだけど、特に何するわけでもなく不評コメントの風がピュ〜と届いてくるような。
そんな感じでした。

作・演出:松尾スズキ
出演:
八部島バビロン支配人候補・ビリー:阿部サダヲ
ビリーの恋人・雨利(アメリ):宮藤官九郎

真緑温泉旅館フカロク料理人・乙骨(オツコツ):皆川猿時
波目の娘・日鮒(ヒムラ):田村たがめ

真緑温泉旅館フカロク女将・青緑:宍戸美和公
真緑温泉旅館フカロク支配人・波目:村杉蝉之介
真緑温泉旅館フカロク仲居・明美:池津祥子
真緑温泉旅館フカロク仲居・小春:猫背椿
真緑温泉旅館フカロク従業員・ランス:宮崎吐夢
真緑温泉旅館フカロク従業員・巻貝:顔田顔彦

巨大外食産業オーナー・不入斗(イリヤマズ):荒川良々
後味コーポレーション代表・後味:伊勢志摩
後味コーポレーションスタッフ・余座:近藤公園
 
手数:松尾スズキ
気子:平岩紙  

…まず、この作品を「よくわかんねー」と軽く言っちゃう、そんな勇気をくだせぇー(笑)。
なんかきっと、この作品を理解してこそ、大人計画好きのハードルを飛び越えてきてもいいよ的
そういう意味で作ったの?松尾さん!ねぇ、スズキさん!と聞いてみたいような、どうでもいいような
そんな感じがしました。

ところは真緑温泉の老舗旅館フカロク。国産スペースシャトルの発射場建設が対岸で行われ始めている。
湯質が変わったからとバスクリンで湯の色を染め信頼を無くし、女将は夫も亡くして正気じゃない様子。
湯の色を染めたりなんだり問題を起こす料理人・乙骨を執拗に追いつづけ、ドキュメンタリーを撮り続ける支配人の娘・日鮒。
旅館は大手外食チェーンの傘下へ…。1ヶ月の休暇ののち、新しくできる八部島バビロンの研修のため
残った従業員たちが集まる。支配人も含めた研修が始まるのだが…。

大人計画の売れっ子(いつのまにか)たちの、それぞれのキャラを愉しみ、そこから発せられるギャグを楽しみ。
時々出てくる暗めキーワード「温泉偽装」「スペースシャトル」「腎臓移植」「ガン」「売春」「ブリーダーによる無計画増殖」
「ダメな内縁夫」…に、ここを押さえて感じ取るべきなのか?うむー、なんて考えてるうちに放置(笑)。次に行っちゃう。
まぁ、さ…たまには右脳100%活用で、芝居を「捉える」って見方もいいかもね、と開ききって鑑賞いたしました。

サダヲさんのダンス場面での輝き方・切れのよさと、カーテンコール中の疲れを隠し切れてない(笑)宮藤さんとか
紙ちゃんの回し蹴りの上手さ、新婚いじりの芝居?と思わせるほどの某ご夫婦の場面…などなど、見所はある。
芯も多分ある。芯ってか、骨ってか。しかし、この周囲についた肉は…なかなか…これ。手を焼く品でございましたな。



クリオネプロデュース「バット男」 2004年10月21日 シアターサンモール

久々に訪れたシアターサンモール。いつの間にか禁煙になったり、マンション内通路立ち入り禁止になったりしてました。
開場時間を過ぎてもはしゃいだ空気ひとつなく(笑)、トイレも行列できるわけでもなく、年齢層もバラバラ…

元々この芝居をどうして見ることになったかというと、いつもライブを一緒に観にいく友人が
実は伊藤高史さんファンであったことと、彼が出るその芝居に私の好きなカリカ・家城さんまでもが出演し
あげくの果て、演出が河原まちゃぴ…もとい河原雅彦さん。
んー、なんか気になる!ということで、チケットをとりました。

原作:舞城玉太郎
脚本:倉持裕
演出:河原雅彦

…ほいほい、どうでしょう。この頭脳陣。
いくら、裸の王国の王子であった河原雅彦さんだって、最近じゃジャニーズ作家だし
結婚してパパになりまちゅですし、キチ○ってた頃の河原さんじゃないだろうとは思ってましたが…。
早めに結論書いちゃえば。河原さんじゃなくてもよかったんじゃないの??な感じ。

林 博之:水橋研二
梶原亜紗子:持田真樹
大賀祐介:伊藤高史
増渕豪:カリカ家城
浅井美緒:新井友香
福原仁太:東虎之丞
貝島正一:木村靖司
バット男:石川清司

バカな(誉め言葉)仲間とマジメなことをやると、生まれるのは面白さってときもあると思うけど
マジメな人たちとマジメなことをやると、マジメなお芝居が生まれて
じゃあマジメジャンルのプロにまかせたほうがいいんじゃないの??なんて思うわけです。
…ということで、特に語ることもなく。はい(笑)。

久しぶりに「アー、元取れなかったなぁ〜」と感じたお芝居でした。

ウーマンリブvol.8「轟天 VS 港カヲル」〜ドラゴンロック!女たちよ、俺を愛してきれいになあれ〜
2004年9月18日 池袋サンシャイン劇場


正直、なんじゃこりゃ度の高い舞台なのでは?と思いました。
でもその“なんじゃこりゃ”というのは、“なんじゃこりゃ(笑)”と、笑いがついてくる感じです。
まず。
1.轟天のキャラを知らない人は“なんじゃこりゃ(笑)”
2.港カヲルのキャラを知らない人は“なんじゃこりゃ(笑)”
3.映画「キルビル」を観ていない人は“なんじゃこりゃ(笑)”
4.クドカン作品を知らない人(そんな人は会場にいないだろうが)は“なんじゃこりゃ(笑)”
5.ゲストが出てくるという話を知っていない人は巷カヲルの登場に“なんじゃこりゃ(笑)”

とね。なんじゃこりゃ祭りですよ。ちなみに私は1番以外は全てクリアでしたので、さほど、でしたが。
さて、1番。“濃いキャラ”轟天さん。何度かチラシでお見かけしてはいるものの、作品ではお会いしたことがなくてですね。
橋本じゅんさんというと、この轟天の顔しか知らないもので素顔が知りたい。はい。
新感線の公式HPは役者個人に対しての情報に若干不親切なので、まったくもってわかんない。
わかんないんだけど、今回ウーマンリブという大人計画寄りにも関わらず、轟天のファンの方が圧倒的に多い(または勢いがいい)
と感じたのは確かで、その人気の熱さには正直ビビるというか(笑)、カヲルとの歴史の差か??と認識せざるを得なく。
どうなの??すごいの??やっぱり。公演冒頭で説明のあった“濃さ”については、お腹いっぱい実感できました。
しかし、これをきっかけに轟天目当てで新感線を観にいくほどか、と問われれば…うーん、微妙。だって“濃い”んだもの(笑)。

さて。2番。体毛の濃さじゃ負けてないカヲルさんも、轟天さんを前にすると弱っ!(笑)
この力の差は腕力とか芸歴とかそんなことじゃなくて、ひとえに「アドリブ」の力かと思いましたわ。
カヲルの喜び組へなんなら参加したくらいこのキャラは愛しいと思っておりますが、もっとアドリブレー。

さて3番。こりゃもう、モーモー前張なんっつーキャラが出てくる時点で、逆輸入かよっ?と我ながら意味不明の
ツッコミを入れたくなった。何せ映画部門では時代を遡っている私。「キルビル」を観たのはつい2週間ほど前。
あっははー、すげぇー笑えるんですけどぉ〜♪のテンションのまま、この公演にめぐり合えることとなったのはラッキー。かな。
片桐はいりさん、すごいねぇ。白い着物着て出てきたときには、ルーシー・リューそのものだった(笑)。

次4番。なんていっても池袋ですから。キングいらないんですから。ね。
今一番売れっ子の脚本家でありながら、わざわざ自分で書いた本に自分がお尻出して襲われる場面を作るあたり、いいね。
それもセーラー服姿で。いい。


最後5番。毎回日替わりでゲストが違うらしい、という話は聞いていた。ただ、どの場面で、という説明は知らなかったわけで
私が観にいった公演時には「さてさて、ゲストだれなのぉ〜」といつ出てくるかはわからないゲスト登場場面にちょっと心ウキウキしていた。
サダヲさんが何回か登場していたという話も聞いていたし、サダヲさん観たい!と心躍らせていまや今かと…
あ、でね。一応、いろんなところから情報を頂きまして、総合した結果。先にゲスト一覧を見せてしまいますと…

公演日 マチネ ソワレ
9月8日 - 阿部サダヲ
9月9日 - 中村獅童
9月10日 - 佐藤隆太
9月11日 右近健一 阿部サダヲ
9月12日 - 峯田和伸
9月13日 - おぎやはぎ
9月14日 - 阿部サダヲ
9月15日 松尾スズキ 長井秀和
9月16日 - 古田新太
9月17日 - 池田成志
9月18日 岡田義徳 荒川良々
ということで…私の観にいった回は荒川良々さんでした。…ごめん、ごめんよぉ。
荒川さんが悪いというワケじゃないんだけど他に見たかった人がたくさんいすぎだよぉ〜!と、思わず叫びたくなるメンバー。
あぁ、サダヲちゃん。あぁ、松尾スズキさん。ああ、長井さん。ああ、古田新太さん。ああ、成志さん…そして何よりもうっちー…。
荒川さんが出てきた瞬間、「あれ?ここでもないのか。ゲストの登場っていつ?」と、ゲストを流してしまいました。ここで謝ります。

帰宅時、入場時に配られた片面・港カヲル、片面・轟天のウチワを持って歩くのは、結構度胸がいりました。
聞かれたら説明が大変。

異常…あ、いや、以上、そんな感じの続編期待作品でした。

G2プロデュース「痛くなるまで目に入れろ」2004年9月17日 紀伊国屋ホール

芝居を観にいこうとチケットを買う時の自分なりの購入理由。
その1.劇作家・演出家など裏方スタッフに好きな人がいる。
その2.出演者に好きな人がいる。
その3.同行者のためのお付き合い。
その4.ヒマだったから。

私の場合は3と4のケースは殆どない。殆ど1と2だ。
特に1となると、そこに名前が挙がるのは後藤ひろひとと松尾スズキ、宮藤官九郎、そして小林賢太郎が主。
2は果てしなく候補が上がるので、ここで候補者の紹介はやめておくが…。
1と2、どちらが極端に強かったり弱かったりすれば、そこでまた変動が出てくる。
たとえば先日のクドカン脚本の芝居「鈍獣」。1番的興味はすごーくあったのだが、2番でマイナスポイントが激しく発生し
結局1番の魅力にも勝てない2番的マイナスで鑑賞を断念した。
で…今回の痛くなるまで目に入れろ、だが。
ちょいと前までならば、1と2程よくプラスで最高級!という判定が下っていたハズなのだが
ここのところどうもG2との相性が悪く?(ずいぶんとエラそうでごめん)今回の芝居に限って言うと、1に対する期待は
かなり薄まってしまい、今回の購入理由は9割、2番が理由。

で。結論を先に言っちゃうと…。1に対する期待に対しての感動?度は上回りもせず、でも下回りもしなかった。そういう感じ。
そして2番的ポイントは+10ポイントくらいかな。

山内圭哉
陰山泰

久保田浩

中山祐一朗

坂田聡
シルビア・グラブ
曽世海児
久ヶ沢徹
渡辺慎一郎
岩橋道子
松下好

内容的には…そねぇ…。うーん。カーテンコールで山内さんが心配されていたような、後味の悪さとかはそんなに気にならない感じで
(もっと嫌な感じを見慣れているからだろうか…)血のりももっと飛ぶのかと思ってたら全然だったし(前方の席の人々はみんな黒い布を
開演前に配布され、肩までかぶったほうがいいですよ、とアドバイスまで受けていたのだ)、なにせ思いもしなかった最前列だったせいも
あって、残虐シーンの細かな部分(ほら、本気で刺すわけじぉないからね)まで見えちゃってて、そういうグサッ、バキューン的な怖さとか
不快感もなかったしねぇ…。とにかく怖がるの?やな感じ〜?を楽しむの?笑うの?それとも何?謎解きとかそういうところ?と、
なんかグワーッってことがなかったのでね…いい子的なところで止めちゃった?教科書的ねぇ…みたいな思いは出てきちゃうのですよね。
これが私から感じるG2作品の物足りなさ、なのかも。芝居にジェットコースター的なところばかり求めるな、という意見もありましょうが…。
(芝居にジェットコースター的…=ジェットコースター的ストーリー起伏をつけろという意味ではなく、私の感情の揺さぶられ具合の問題。)

出演者のポイントとしては、まず山内さんのギターテクがpiper公演以外でも見られるとは思ってなかったというボーナス的喜び
黒い衣装のせいか、ズラのせいか“山内さんって…ひょっとしてキムタクに似てるの?”という意外な発見(笑)。
どこでもかしこでも筋肉バカ的役どころなの??な、久ヶ沢さん。NGにも臆することのないキュートな男らしさがステキ。
多分、私が芝居を書いたとしても、やっぱり少しどこかオバカさんな役どころをお願いしちゃうかも。ごめん(笑)。
ひっぱたきたくなる役どころ(を通り越して首絞めてやりたくなる感じの)をさせたらすばらしいね、な中山くん。
ダメダメなヤクザはヤクザだろうけどさー、組長ってのはどうなのさ…な坂田さん。
曽世くんは、所属するすとぅーでぃおらいふ(後藤大王風の発言)の特性というか、まぁ、元々中性的なところはあるとしても
えっと、なかなか綺麗な女装でしたし。
久保田さんのポーカーフェイスボケ&「ヒュ〜〜ッ、ドーン!」大好きだし。レディースの特攻服胸部に仕掛けられた小ボケもナイス。
美しい英語の発音大好きな私にとってシルビア・グラブの発音は理解できなくても、酔いしれる代物だったし。
(事前に楽しみにしていた役者さん中心に書きましたが、もちろん他の方々もステキでした。)

カーテンコール。千秋楽だったんですが、その前日まで、血のりを落とすため1分1秒を争う(笑)衣装洗濯の関係で、カーテンコールは
1度しか応じられず…だったそうですが、今日は洗濯もまぁ大丈夫、ということでご挨拶あり。
山内さんから「piper公演にお越しいただき…」と軽く肩透かしがあった後、拍手に対して「うっさい!」(笑)。山内さんならばOK発言(笑)。
陰山さんが坂田さんを「佐藤さん」と呼び間違い、ひょっとして覚えてなかった?疑惑も発覚したりしておりました。

なんだかんだいいつつ、総合評価は
「パンフレットは迷いなく買うけれど、DVDは買わないなぁ〜」でした。

ナイロン100℃「男性の好きなスポーツ」 2004年9月2日 下北沢本多劇場

いきなり芝居鑑賞後の話から始めるが、この芝居の後、飲みに行ったお店の男性に芝居のことを聞かれたので
このお芝居のタイトルを言ったところ「おっ、下ネタ?」と言われた。答えは正解、なのだが、そっか。
気付かなかった私の方がおかしいのか?と思ってしまった。

「行けなくなったチケットあるんだけど…。ナイロンの“男性の好きなスポーツ”なんだけど」と言われた時、
頂きモノチケット、ということに舞い上がって「ナイロン=前回鑑賞したのがウゲッとなるほどの長編作=ケラ作品」
ということを忘れて気づかなかった。
前回長時間公演に辟易し“ケラはもういい…”と反省した友人と今回も行くことになったのだが、
その友人が前日「今回も3時間半らしいよ、公演時間…」と教えてくれるまでケラ作品というものを忘れていたのだ!
松永玲子さんのことしか頭になかった!ひゃー。

ま、でもね。一作品でその作家の評価を決めてしまってはいけない。
今回“は”、面白いかもしれない。
そう思って会場に向かった。

ウツキ:みのすけ
トモコ(ウツキの妻):安澤千夏
シズホ(ウツキの長女):新谷真弓
ミホ(ウツキの次女):植木夏十

アベソウタ:京晋佑
コモモザワキョウコ:松永玲子

クマガイ:廣川三憲
リョウコ(クマガイの妻):村岡希美
フミ(クマガイの娘):すほうれいこ

マリィ:小沢真珠

コウヘイ:長谷川朝晴
タカヒラ(コウヘイの友人):喜安浩平
レイカ:杉山薫

オブチ(コンビニの店員):長田奈麻
万引き女:皆戸麻衣

カワモト:藤田秀世
ムラセ:大山鎬則
スギモト:廻飛雄

ママ:吉増裕士
その息子:眼鏡太郎
キョウコのマネージャー:佐藤竜之慎
駅員:柚木幹斗

ダンス:ロマンチカ

結論。前回より面白かった。
下ネタにビビるキャラじゃないし(元々HIGHLEG JESUS好きだし。※HIGHLEG JESUS=公演中7割は裸だと言っても
過言ではない劇団。主宰であったまちゃぴこと河原雅彦さんは劇団解散後、ともさかりえちゃんと結婚したり、
ジャニーズの舞台の演出したりと大出世。他のメンバーの行く末が若干心配。)、松永さんの脚線美は相変わらずだし
だめんず行進か?と思われる女性キャラの設定も面白かったし。
ただ……長い!(笑)。やっぱり、そこだ!
一番自分に適している公演時間は90分、限界で2時間半…、3時間を越えるとなると劇作家の押し付け自慰行為に順ずると
思ってさえいる(あくまで私個人的に)ので、もう3時間半となると「ウゲェ」なのである。
いやっ、えっと…チケットを頂いた身でこんなことを言うのはなんですが、作品の質の評価と、長さに対する苦情は
ちょっこら別問題として捉えていただきたい。編集マンという元の仕事柄、仕方ないの。カットしたくなるの。
あと少なくとも30分短ければ、あと20点はあげてもいいのに…という気分になるの。

これでケラ作品は2作品(東京のSF)見たことになるんだけど、2作品共通のイメージは「ポップ」。洒落てる。
洒落を演出している。そんな感じを受けた(エラそうなこと言えるほどわかってないけど)。
喩え下ネタを連発で吐こうとも、HIGHLEGほどおバカじゃないし、大人計画ほどエグくもない。
ちょこっと人の生死に関わる部分もあったりするんだけど、これもまた、なんだかお洒落な捉え方だなぁ、と。
それを心地よく受けるか、物足りなく感じるか…それは観客次第。

客層:男性の1人客が多い感じが。彼女が連れてきて…とかじゃなく、男性自身の意思で来てるのかと
思うと、なるほどね、と。なにがなるほどね、な感じなのかわからない感じで終了〜。

おっと。ひとつ言い忘れていたので最後に。長谷川朝晴さんのお顔、めっちゃ好みです(笑)。

さらに余談:出演者と役名の書かれたパンフのようなものを頂き、それを元にレポートを作成していたのだが
過去もらったどんな作品よりも、並びがいい…というか、まとまりがいい?というか、とにかくその役名の並びを
見ているだけで、役どころや作品を思い返しやすかった。わざわざ余談として特記したくなるくらいに(笑)。


筋肉ミュージカル2004夏公演 2004年7月27日 マッスルシアター

毎回観に行く必要はないとおもうが、一生に一度くらい見ても悪くないんじゃないか?と思う舞台。
会場に入れば香盤表が配られます。それを元に↓書きました演目です。つまりはネタバレ部分なので白字にしてあります。
「読んだら興味持って、行ってみたくなるかもしれない!」という人はご自身の責任において読んでも…いいかなぁ?

1. プロローグ祭り…横浜の景色から神輿登場。
2. Body Slap…あざできない?と思うようなボディで音鳴らし。
3. バイク…MTBで舞台上方から降りてくる。客席を抜けていく。
箸休め 人ッ飛び…人を何人かでマットの上に飛ばす競技。
4. 野球部…野球部の練習。ボールの変わりに小さなスナック菓子。口で受け止める。
5. プール開き…ステッキをくるくるとバトンのように。
6. 中国式ラ式蹴球棒…アミノ式(鉄柱を斜めに腕だけでのぼってく)など。
7. 体話舞踏YMCAマッスル…客席参加。
8. 世界最速ラインダンス…並んだ女性は壮観。
9. Foot Dram…足でたてる音を太鼓に見立てて。
箸休め 人ッ飛び
10. けんばん君…けんばんで腕立て伏せ。
11. シビレ…底ぬけAir-Lineのアテブリみたいなもの。
12. ボレロ〜キューブ…でかーい鉄枠のボレロを操る人々
13. 逃げる…逃げてくる犯人。犯人は透明人間だった。追う人々は透明人間に倒されていく。
14. 新体操男女
15. 新アースタップ
休憩
16. バックフリップ&ヘッドスピン
17. 跳び箱・池谷世界に挑戦…横浜の夜景から助走をつけ23段飛び。
18. ロングJローブ+Wダッチ…大縄飛びの中、バク転したり、縄跳びしたり。
19. バルーン…客席参加。上手・中央・下手でバルーン転がし。
20. ターゲープッタ…逆立ち状態で手にはゲタが。そう。逆立ちのゲタップ。タップー下―駄。
21. 柔タンゴ…柔道タンゴ。
22. NYNY〜平均台〜シンクロ…入浴→風呂縁で平均台→模擬シンクロ
23. 筋肉体操「ハワイ編」…客席参加。みんなで筋肉体操。返事はアロハ〜。
24. 獅子はリボンがお好き…新体操のリボンと獅子舞?が合体したようなもの。
25. ゴンリリアカデミー賞…アカデミー賞の男女のトロフィーが動き出し、新体操。すごい。
26. マッスルスウィング
27. 世界遺産
28. エピローグ

やっぱり最初の演目で1回くる。目が潤む。迫力というのか、感動というのかわかんないけど…。
筋肉ミュージカルとは言うけれど、みんながムキムキとかそういうんではなくて、細い女性とかもたくさんいるし、ポチャッとした方もいるし。
肉体は恋愛と違って(笑)自分ひとりのものだから、努力次第である程度のことは出来るのかも?と思えちゃう。
子供は大はしゃぎするし、お父さんたちも若い女性に“ハッスル”マッスルできるだろうし、殆どの人は「私も体、鍛えようかしら」と思うだろうし、
女性は自分の子供が男の子だったら、これくらいたくましく育って欲しいわ〜と思う…かもしれない。
…一度観てみるといいと思いますよ。MTBなんてすごいから、ほんと。←どの項目でMTBごとバク宙したか忘れてしまった。16かな。

劇団乙女少年団第四回公演「ガーベラ」 2004年7月19日 スペース・ゼロ

その一輪のガーベラはどうしよもなく真っ黒に咲いた。
…という副題がついております。

俺ノ生マレ育ッタ部族ハ『盾の一族』。
対立関係ニアル『矛の一族』トノ衝突ガ絶エナイ。
海ノ向コウデハ世界的規模ノ『戦(いくさ)』ノタメ
多クノ『核爆弾』ガ落チテイルト云ウノニ。
アル日ソノ女ハ異国ノ地『いたりあ』ト云ウ国カラ突然ヤッテ来タ。
我ガ日ノイズル国ニマダ咲イテイナイ『花の種』ヲブラ下ゲテ。
彼女ノ名ハ『があべら』。私ハ彼女ノ元気トソノ裏側ニアル『孤独と悲しみ』ヲ愛シタ。
嗚吁ナント云ウ無念カ 私ハ彼女ヲ救ウコトモデキズココデ『命尽きる』。
ウウッ 見テミタカッタ彼女ノ『本当の笑顔』ト『未だ見ぬ花』ヲ。
ナゼ奪イ合ウ?ナゼ殺シ合ウ?コノ国ノ未来ハ?彼女ノ未来ハ?ソノ花ノ形ハ?ソノ花ノ色ハ?・・・
・・・私ハ死ンダノカ?目ノ前ニ『大輪の黒い花』ガ・・・・・・・・・・・・。

劇団乙女少年団の公式HPより引用させていただきました。
この物語を語るに、一番ステキな文章だと思ったので。

ガーベラ:カリカ家城

大和:吉村崇(平成ノブシコブシ)
ツキノワグマの子供(小熊ちゃん):キシモトマイ

サンサン様:川田(ガレッジセール)

マタータ(大和の父):大西ライオン
水流:コーセ
金之助:たいがぁー(イヌがニャーと泣いた日)
銀次:わかやまZ(イヌがニャーと泣いた日)
銅山:山内チヨプミ(イヌがニャーと泣いた日)
イナホ(大和の弟):竹内健人(ミルククラウン)
どんくり(水流の妹):徳村亜紀子(リンダ)
椿様:椿鬼奴

マラー:増谷キートン
雷蔵:竹永義隆(コンマニセンチ)
風吉:中尾しんご
小豆:堀内貴司(コンマニセンチ)
スダル:ジェントル(ミルククラウン)
ウリボウ:猪俣こーしょー

野生の専務:浅越ゴエ
野生のサラリーマン:徳井健太(平成ノブシコブシ)
野生のサラリーマン:堀部雅人

野生の板前:綾部祐二(ピース)
野生の板前:オコチャ

野生のホステス・アンナ:アンナ
野生のホステス・カレン:本田可奈子
野生のホステス・ミント:須崎加奈子

野生のDJ・リバティ:デッカチャン
野生の黒子:山中謙一(ダダイズム)

・ファッションショーからスタート。椿鬼奴さん、女性に人気あるのね。今回の家城さんのファッションは可愛らしい。
髪はオレンジ、花びらを散らしたイエロー&オレンジのファッション。
・吉村くんのキャラがすっかり定着していて、彼は芸人じゃなくなんか違う生き方もあるんじゃないかと思えてきた(笑)。
劇団新感線とかどう?
・「ガーベラさまのお花が欲しい!」なんてセクシーなセリフ(笑)。
・オープニング?の曲が広末涼子。すごく久しぶりに聞いた〜。相変わらず選曲の微妙さがいい感じ。
ちなみにテーマ曲というか…はスピッツの「ガーベラ」
・日本語のわからないガーベラに日本語を教えるために「寿限無」を使う矛の一族。最近、よく聞くな…。
その場面はさながら、演劇学校の卒業公演のようでした(笑)。
・ゲスト・イヌがニャーと泣いた日。卒業したメンバー・山内くんで3人の体制をキープ。代わりがまだ見つかってないのか…。
・マラーさまの小道具が…(笑)衣装もステキ。引き締まった肉体も(笑)。
・浅越ゴエさんの人気に驚き。その人気も納得の存在感。さすがはTHE PLAN9。…とは言ってみたものの
プラン9を見たことはない。ただ私の好きな後藤ひろひとさんが名付け親で、メンバーが時に大王作品に出演したり
するってことくらいしか知らない。浅越ゴエさんは、先日「動物のひみつ学会」にVTR出演したが、今度はちゃんとした
出演で後藤ひろひと舞台にも出てほしいものだ、と思ったりする。(ちなみに、宅地建物取引主任者資格というのをお持ちで
実際に不動産会社に勤めたこともあるというメガネサラリーマン系(笑)。私の好み的には申し分のない方である)
・サンサン様…。緑のモコモコした衣装に三菱のマークがデカデカと(笑)。肩には獣が。頭は太陽。「右脳、見てない?」
ところどころで英語の発音がリサコ(笑)。
・確かにいつからイタリア料理は安パイになったんでしょうねぇ。
・竹永くんの「風になりたい」は聞かなきゃなんとなく落ち着かなくなってきました(笑)。
・小道具は各自で用意…と、エンディングスタッフロールにはかかれてました(笑)。
・今回は新宿WEST SIDE篇です。EAST SIDEは会場がクラブハイツへ、出演者も演出も変わるそうです。
・指定S席4000円の価値はどうかなぁ…と思う感じでした。私の評価価格は2500円。

「MIDSUMMER CAROL」ガマ王子vsザリガニ魔人 2004年7月18日 パルコ劇場

開演前の注意事項アナウンス・後藤ひろひとさん担当。出演者の8割がペースメーカー使用のため
携帯の電源は切ってください、とのこと。はい、わかりました。

両親が郊外の家に引っ越し、都内のマンションで一人暮らしを始めることになった浩二(小松二役)。
念願の一人暮らしとなったのだが、浩二を悩ませているものが一つ。
引越しのトラックに乗せたと思っていた仏壇がいつの間にか、自分の部屋に置いてあるのだ。
引き取ってもらうために業者を呼ぶと、一人の老人(後藤)が現れた。
てっきり引き取り業者と思い、応対するがその老人は仏壇に向かうと奇妙なことを言い出した。
「おお!ムカムカする!」
そして仏壇に置かれた一冊の絵本に手を伸ばした。
その絵本のタイトルは…『ガマ王子vsザリガニ魔人』

この妙なタイトルの絵本が触媒となってある病院で起こる奇跡。
パコ(加藤)という名の少女と、“おまえが俺を知っているというだけで腹が立つ”が口癖の大貫という偏屈頑固親父、
この二人を取り巻く曲者揃いの入院患者たち…
子役から俳優をしているものの、俳優としての自分に限界を感じて自殺未遂を繰り返す室町(伊藤)、
軽い自動車事故の賠償金を吊り上げるためだけに入院を続ける口の軽い主婦・木之元(犬山)、
消火作業中に消防車に轢かれた人のいい消防士・滝田(片桐)、
被弾して入院中のヤクザ・龍門寺(山内)、
嫌われ者の大貫をからかう事が日課の変人・堀米(後藤)、
病院の変わり者医師・浅野(山崎)、
言葉遣いが少々粗い看護士の光岡(長谷川)、
そして大貫の甥で気の弱い浩一(小松)と、その妻で気が強い雅美(瀬戸)…という様々な人間関係にある人々が
一丸となって立ち上がったときに初めて目の辺りにすることが出来る奇跡…。

(上記文はG2HP参考にさせていただいております。ペコリ)

大貫:木場勝己
パコ:加藤みづき(新人)

室町:伊藤英明
木之元(入院中の主婦):犬山イヌコ
滝田(入院中の消防士):片桐仁(ラーメンズ)
龍門寺(入院中のヤクザ):山内圭哉
堀米(入院中の変人):後藤ひろひと

医師・浅野:山崎一
看護士・光岡:長谷川京子

大貫の甥・浩一:小松和重
看護士・雅美(浩一の妻):瀬戸カトリーヌ

浩二(浩一の息子):小松和重


後藤さんの作品は思いっきりB級なのと、こういうちゃんと(笑)パルコ劇場なんかで公演される感動作とありますが、
今回のはもちろん後者。もちろんどちらも笑いの要素はきちんと折り込まれてて、だからこそもうやられちゃうのです。
泣く!と思った瞬間、笑いに転じる。笑いに転じて気を許してると、途端に泣きの場面。意味は違うかもしれませんが
“感情揺さぶられる”感覚を存分に味わえる気がします。私はね、ええ私は。
舞台初組の伊藤英明さん・長谷川京子さんのおかげでか宣伝もバッチリで、どうなの?そのへん?って感じでしたが
伊藤さんは前半出番が案外と少なくて「海猿だから?」なんて思ってましたが、後半おいしいところかっさらい。
「あの子は笑いもできる子だ。うんうん。」と、何様気分で頷いてみたくなりました。長谷川さんは、最初は役柄のインパクト
が大きくて、「おっ」と思ったけど、後半はちょっと一本調子に聞こえ始めて…声のせいもあったかな。
お2人の場面で、看護士・光岡(長谷川)が、飛び降り自殺をしようとした室町(伊藤)に「自分変えるって怖いことかも
知んねーけどさ…だとしたら、あのじいちゃん今、死ぬほど怖えってことわかんねぇ?」と聞かせるシーンはかなりきました。
わかるわかる。
これだけの華やかな出演者2人の輝きを抑えて、観客の目をひきつけたのは大貫(木場)とパコ(加藤)でしょう。
パコちゃん、オーディションで受かった子らしいですけど、瑞々しいとか透明感のある…というのは彼女のためにあると
いってもいいんじゃない?お姉ちゃん許すよ…という感じの可愛らしい子でした。なんど、この2人の場面で「やべっ」と
涙腺確認したことか。いや、泣いてもいいんだけど。ってか、いつから人間、泣きそうなことを「やばい」と表現する
ようになったのか、それが自分ちょっと不思議。とにもかくにも話し戻して。大貫役の木場さん、さすがでした。
本当憎たらしかったもの。でもいるよね、こういう人、って思ったもの。堀米(後藤)が大貫をからかうために持ってくる
笑いの一粒一粒が、大貫の憎たらしさで詰まった感じの緊張をほぐしてみたりとかが、これまたいいバランス。
医師の浅野(山崎)と、浩一(将来の息子役と二役・小松)さんの飄々とした感じに癒されてみたりもしました。
瀬戸カトリーヌさん、うまいなぁ〜とか、たまに山内さんの関西弁聞かないと元気出ぇへんわぁ〜とか、犬山イヌコさんは
声聞いただけで一発だし(何が一発?)、片桐さんは片桐さんだし。…あれ?(笑)ま、いいか。
再びの瓜生明希葉さんの音楽もステキでした。柔らかく優しい…。

8000円というチケット価格を、購入時には遠慮なく「高い!」と思ってましたが、終演後は「払った価値はある!」と
思い直しました。そういう作品でした。

物語につきましては、2004年9月18日WOWOWにて放送予定がありますので、そちらで。
または2004年12月には特典映像つきのDVDが発売されますので、そちらで。詳しくはこちら

小林賢太郎プロデュース公演♯4「レンズ」 2004年7月6日 サンシャイン劇場

…ふぅ。4作品目にしてやっと片仮名になってくれました(笑)。
英文打ちが苦手なかな文字変換人間としては、そこんとこ気になっていたのです。それだけの理由です。

仕事の関係+池袋までの距離で、珍しくギリギリな感じで劇場の席にたどり着いたのですが
座った瞬間、「あぁ、これは前方席マジックにかかるな」と感じました。
前方席マジック…いや、最前列マジックと言っていいでしょう。
要するに前方であるがゆえの夢中感?というの?脚本がつまらなかろうが(いや、面白かったけど)
出演者がグダグダであろうが(いや、すっごくステキだったけど)「よく見えたから素晴らしい!」と言いかねない…そんな雰囲気。
でも、そう。くれぐれも言っておきます。私の感想は( )内コメントの通り。
それがマジックによるものなのかどうかは、この芝居を生で見た貴方が判断してくれればそれでよろし。

以下、ネタバレあるのはもちろんですが、未鑑賞の方は映像発売を待って、私の言葉などではなく
ご自身の目で、この作品をたっぷりと楽しんでください。


開演前の注意事項アナウンスは、今回出演のない片桐仁さんによるもの。
チラシにはちょっとした「魔術師の選択」というトリック文が。
しかし、黒→柴犬、と友達の家の豆柴の影響を受けた私の脳ではトリックにひっかからず(笑)。
角っこを見ても「犬、いなぁーい!!」。
チラシ文の「打倒!ガマ王子」には微笑みを。
椎名林檎さんのコメント文には、なんとも言えず「にんやり」な気分。

天城茎太郎:小林賢太郎
駒形蓮司:大森南朋
春日桜太:久ヶ沢徹
犬飼梅衛門:犬飼若浩
愛宕屋俊菊:西田征史

レンズ→蟻→蜜→花…というイメージ連想なのか、お花の一文字が入った名前が。
出演者全員が植物の名前だったのは「ぼくの地球を守って」(トリビア)。

物語の詳細は後に発売されるであろう映像作品に任せるとして。

まず作品背景。「百色眼鏡」という椎名林檎さんのDVD作品に出演した小林賢太郎さん。
その作品中、私立探偵・天城という役だった小林賢太郎さんと、刑事・駒形という推理モノの定番の組み合わせは
「膨らむ」とお考えになられたプロデューサー・小林賢太郎氏が、百色眼鏡スタッフさんに作品の続編制作を相談したところ
快諾していただけた…ということらしい。(e+インタビュー参照)
ということで、「百色眼鏡」監督の番場秀一さんに舞台では映像を、音楽は椎名林檎さんに…と、豪華スタッフに
よる公演の実現と相成ったらしい。

さて「百色眼鏡」ですが。発売当初、…初回盤限定?とかそんな話を聞いたか聞いてないか、よく覚えてないんですが
買ったのははっきり覚えておりましたが、この公演前日まで封も開けずじまいでしたことを、ここでお詫びを。誰に?
…まぁ、とにかく慌てて「やばい!明日だ!!」と鑑賞してから出かけたので、なんだか結果的に
ちょっぴり贅沢な鑑賞の空気を味わったのでした。わかりにくい空気だと思うけど(笑)。

物語はこの私立探偵と刑事の「百色眼鏡」の話に到る前のことに遡ります。2人がどうして知り合ったのか…
そんな場面からスタートです。カフェで小説を書いている書生。そこに張り込みのため入ってくる刑事と相席に。
刑事だと言い当てた書生に対し、興味を抱く刑事。書生は図書館の本の勝手な持ち出しの件で、罪に問われるの
ではとビクビク。さっさと席を立ち去るが、その時忘れていった面白くない小説が刑事の手元に残る。

オープニング映像は、蟻が歩き回っている感じ。花がいくつか映し出されますが、それらがどうも役の名前と
リンクしている様子。音楽は「百色眼鏡」と同様。椎名林檎さん担当。書き下ろしってワケじゃないのか。

ここから先は舞台は図書館内部。蔵書が大量に消えた!という事件の謎を追って、張り込みに詰める警官・春日と
図書館職員の犬飼の元に、超常現象担当という警視庁の駒形警部がやってくる。超常現象の仕業として、警部が
捜査を開始するが、なかなか謎が多く解決の糸口がつかめない。そこに、こっそりと無断で持ち出した本を
返しにやってきた書生・天城。カフェで自分の身元を暴いた彼の豊かな洞察力に目をつけた駒形は、彼を捜査に
巻き込んでいく。駒形を現場まで運んできた人力夫の愛宕屋もなぜか捜査に加わり、犯人の謎解きに取り掛かる。

以下、個人的な箇条書き感想&記憶帳。
・最近ラーメンズ本公演でも感じていることですが、言葉の力でガツンガツンやっちまえ、っていうそんな感じを受けました。
えっと…机上のコント、机上の芝居というか。でも、今回は演じ手の役者パワーがいつもより強度が大きかったので、
そこはなんとか個人的には「乗り切れたかな?」と思ってみてましたが。とにかく説明セリフとまでは言わないけど
言葉が多いなぁ〜と感じました。推理モノだから仕方ないんですかね?
言葉、言葉で笑わせていくという中で、たまに目を離すととんでもないことをしている(笑)久ヶ沢さんは貴重な存在かな?と思いました。
・駒形図書館入り。帽子を投げてフックにひっかけるつもりが落下。(他の日に観た友人が「見事にひっかかったけど、あれは
仕掛けあり?」と言っていたので、落下バージョンと成功バージョンがあったことを知りました)
春日も自分の帽子を投げて落とすというフォローも。どれぐらいの成功率だったんでしょうね。
・新入りの大森さんは別として。肉体派のちょっとバカ・久ヶ沢さん、元気ハツラツ・西田さん、カタブツ・犬飼さん…と、
この3人の色はこれしかないのか?という色の付け具合には少しガッカリのガッくらいきたものの、でも妙に似合っていた…
いや、似合いすぎていたので、私的には合格マークを押してしまいましょう。
・大森さん好きの私としては、生姿だけでも「ウヒッ」と、MEGUMIを前にした男子高校生くらいはしゃげたんですが、彼の声は
客席後方にもちゃんと届いていたんですかね?他の威勢のいい久ヶ沢さん、西田さんよりボリューム低めだったと感じたのですが。
最前で見てる限りはなんの問題もありませんでしたけど…。
・今回の役どころのせいでしょうか。今までの作品よりも犬飼さんが年相応に見えました。そして、改めて彼の年齢を意識した時に、
このKKプロデュースにおいてすごく大人な立場をこなしている人なのでは?と思いました。
大人な立場…非常に微妙な言葉を選びましたが(笑)。
・別に嫌いで言うわけじゃないのは解ってもらいたいんですが…と、前置きした上で言わせて頂くならば。
片桐さんと室岡さんが抜けるだけで、こんなにコント→芝居っぽさが増すんだ!と少し驚きました。
プロデュース公演を、コント職人・小林賢太郎の作品なんだから笑えなきゃ!と考えてるワケでもないので
これくらいの芝居と笑いのバランスは大変心地よく、落ち着いて安心して楽しめました。
もちろん、ハジケた濃い2人の出演するバージョンのP公演もたまには見たいですけどね(笑)。
・1時間半という公演時間が、すごく心地よかったです。
・カーテンコール1回。アンケートご協力呼びかけも仁さんの声で。
・と、ここまで書いておいてなんですが。
元々の好物の小林賢太郎さん+佇まいが気になる佐野元春→山崎まさよし→のギター弾きの肩腕を持つ大森南朋さん
+最前列の魔力…では冷静な判断はやっぱできないや、と思う私。以上。


空飛ぶ雲の上団五郎一座第二回公演「キネマ大作戦」 2004年7月4日 シアターアプル

毎日日替わりゲストあり。本日はエレキコミック。
男性比率多めの客席。一回目は確か整理番号の全席自由席だったような記憶。指定席でホッ。

VTR「グッドグッドモーニング」。ローカル局の番組といった感じ。女性アシスタント(池谷)と司会の男性アナ(上田)が
軽いクイズ問題から話を展開させていこうとするが、会話をことごとく潰していくかの発言を繰り返す女性アシスタント。
この仕事向いていない!と、とうとう怒り出す男性アナ。

これは本編じゃく(笑)客入れ時間のサービス映像?の様子。
ここで一旦入場状態に戻り。開演注意事項アナウンス。

注)この公演の出演者・FLIP FRAPは双子の美人姉妹でして。あまりに似ていて、どちらがどちらかわかりませんでした(笑)。
メインキャラの時だけ衣装で明確に違っていたのでわかりますが、あとはわかんなかったため(F)という表記で示してあります。
ご了承ください。

オープニングVTR。空飛ぶ一座の記録が一枚も残っていない…。3枚の大型スクリーンで。どこを見ていいか迷う。
間に仮座長(原)の口上。文字案内付き。

三国志の映像〜楽屋。どうやらこれは座長から送られてきた一座の映画らしい。しかし、それは中途半端な途中までのもの。
その映像を前に姉さん(池谷)、座長(原金太郎)、住田、有田、三宅、村杉が、続きをどうするかで悩んでいる。
明日までに2時間の映画に仕上げなければならない。舞台では上田らが芝居をしているが、こちらも脚本が足らない様子。
元々の一座の面々が今、世界で活躍しているため、日本に残った座員で一座を盛り上げようとしている。
どうやって続きを作るかで揉めているところに、マントを羽織った監督(上田)が「カット!」と登場。これがその“続き”なのか…。
一座のドキュメンタリーを作ろうとしているらしい。出演者(一座のメンバー)にダメ出しを始める監督。言い争いになり
ケンカが始まったところで、カメラマン・御妙寺(いとう)が登場。「OK!…ここまでで7分。間延びさせてけ!」
こんな会話のところにバク転して登場するメイ子(アイコ)。このお手伝いのメイ子ちゃんは村杉と付き合っている様子。
村杉がうまく舞台をこなせるように、お守りを用意してきたというメイ子。お守りを取りに行って戻ってきたのは同じ顔をしているが
黒い服の女。メイ子?…彼女は村杉に白装束と数珠を渡す。彼女か立ち去り村杉もいなくなったところに、メイ子が
おまもりを持って戻ってくる。

ラブホテルの一室のようなセット。上半身裸で寝そべる男(いとう)。そこに入ってくる金髪・下着姿+バスローブの女(有田)。
ふたりは無言でラジオを聞いているが、ラジオの内容はマジック。
男はその伝わらないもどかしさにラジオを消そうとするが、女が再びラジオをつける。
次第にイライラしてきた男、女の首を絞める。響き渡る女の悲鳴。

Mr.トリック。2004ラジオツアーの最中。楽屋には花束が届けられている。アシスタント?を勤める女性(住田)が入ってきて
その花の贈り主からトリック(三宅)の浮気に気が付く。嫉妬からマジックに使う剣でトリックを刺してしまう女性。
瀕死となったトリックは、自ら助けを求めるがついついマジックを始めてしまう。カバンの中から携帯を出せば、その先から世界の国旗が。
三宅「あ、ギリシャ!ブラジル!ギリシャ!ブラジル!」(これは「メールがきたようだっ」のリズムではないかっ)
やっとよんだ救急隊の担架も宙に浮き始め…

不良。生徒会費用のお金を盗んだとされ木に縛り付けられている典型的昭和の不良タイプの少年・須藤(住田)。
須藤が本当にやったのか?と心配してやってきた丸山先生(原)。校長からはすでに退学命令が出たという。
そこに、クラスメイトの美少女・吉田(もうどっちだかわかんないのでFと表現)と女性教師(池谷)がやってきて、
実はお金を盗んだのはこの少女だと説明する。少女は母親の手術費用ほしさに生徒費用盗み、
それの罪をかぶっていた不良少年・住田。住田の恋心に気付く教師達。だが、少女は住田に対して…
盗んだお金をあげるから10秒だけ彼と手をつないであげて、という教師の申し出もNo。土下座して頼んでもNo。
先生たちもあげくには「薄情極まりない罰」として須藤菌がついているという靴下を投げ、嫌がり叫び逃げ惑う少女に投げつけ
泣かす始末。ハッと我に返り、少女を保健室へ連れて行く教師。…粉々に心打ち砕かれた様子の須藤。
「俺、学校辞めます…」と放心状態で呟く。括りつけられていた木のセットの葉の部分が落ち、有田が顔を覗かせる。

会社内VTR。社内を歩く菊池(三宅)、村杉、いとう、女(F)。

緊急ミーティング。バネの上に白い塊(顔入り)が乗っている玩具のネーミングを決める会議。
顔はキュートでユラユラ揺れるこの玩具…。クライアントからの要望などを伝えた上で、いくつかの名前が提案されていく。
そんなときに停電が。しかしネーミングの提出時間が迫っている。仕方なく懐中電灯で玩具やそれぞれの顔を照らしながら
会議を続けるが、明るい電灯の下で見るより玩具も互いの顔もおどろおどろしい…
出てきた名前は「バネなしドクロ」…

会社内を慌しく歩き回る社員VTR。

いとうカメラマン登場。真中に置かれたままのドクロを映し…そのまま客席の様子がスクリーンに映し出される。
昔のものと思われる客席の風景へと変わっていく。

YUKIKO(YOU)が世界で活躍している様子VTR。しかしユキコは世界にいっても脱力な感じでお金が命。
(まぁ。ある意味、今YOUが世界でカメラ向けられている姿は違和感なかったりするわけですが…(笑))
アイラブユーの歌。

戦場。命からがら水を求めている男(原)。そこにウェイター(F)が登場。「いらっしゃいませ〜」
他にも血だらけの戦士たち(住田・三宅)や、同じように爆撃を逃れてきたと思われる血だらけのカップル(池谷・有田)が
店に入ってきて、最後の食事をこだわって選んでいる。水を飲みたい男の願いは、他のおすすめメニューを迷う客たちに
邪魔され、なかなか水を持ってきてもらえない。そのうちラストオーダーの時間になり…
原「あの…ドリンクまだ大丈夫ですよね?…水ぅ……」

VTR「戦争の映像」。

VTR「怖がる役者(作;筒井康隆)」
チンピラの絡み場面を撮影している。役者A(三宅)がナイフを取り出すと、本気で怯え始める役者B(村杉)。
迫真の表情がいいと監督(原)は言うが、逃げ出したり出血したりと尋常じゃない様子。
足元をAD(池谷)に押さえつけられ、刺される場面をなんとか取り終えるが、失神した役者Bはそのまま失禁…
なんとか意識は取り戻すが、目は白目をむいている。
漏らしたおしっこ→流れていき電柱。

エレキコミック登場。黒い女が案内。新入りとしてオーディションを受けにきた様子。女は死に装束を着て数珠を
持った男をこれで…と吹き矢のようなものを手渡される。キョロキョロと見て取り扱う谷井に「危ない!」とビンタ(笑)。
ストリートコントをしているという彼ら、山田(谷井)と山本(今立)に早速ネタを見せてくれという仮座長(原)と
御妙寺(いとう)。「ハンバーガーショップ」というコントをやると説明すると
いとう・原「コント!ハンバーガーショップ」
それぞれにくっつく勢いで山田の真後ろにはいとう、山本の後ろには原が。
そこに姉さんが。また改めてコントを仕切りなおすことに。「すっごい面白いコント」「すっごい面白いコント」と
どんどんやりづらさを増していく。コントを変更「銭湯」に。
原・今立「バシャーン!!」
コントに入ってくる座長と御妙寺をなんとか振り払いコントへ。相変わらず体が異常に柔らかい谷井さん。

三国志人形劇。

VTR「作:井上ひさし」。すぐさま終わり。

VTR「作:別役実」なんともタイトルのつけようのない作品です。絵は…美術部の方々で。
「オスストンブピリンパリン…」次々に人を殺して、なんだか宇宙規模の…説明も難しい。

映画「三国志」の続きが届く。首をとられたところでおしまい。
つなげようがない、という座員たちに「いや、つなげようがある!」と御妙寺。

息子を誘拐され泣き崩れている母親(池谷)と刑事(原)。息子をバラバラにするといってきた犯人のアジトはもう
目星がついており、特殊部隊による救出は今夜行われるらしい。模擬訓練をするといい部隊(三宅、F、村杉)が用意した
息子・シンヤ君役の人形は首部分のみ…

村杉を探しにやってくるメイ子。一瞬誰かの影を見た気がして振り向く。そこにいるのは全く同じ顔をした黒い服をきた女。
鏡に映し出されたのかと見つめ合う2人。

メイ子ちゃんともう一人の謎の存在について疑いはじめる上田と御妙寺。
村杉はまだ2人の存在に気付いていない。2人の会話に「トメ子」という名前が出てくる。
トメ子のことをまだ忘れていないと責めるメイ子。これらの会話になんらかの事情を知っている様子の住田と三宅。
仮座長と姉さんは彼女たちが双子であることもしらないが、昔からいる住田と三宅は彼女たちを知っていた。
トメ子はメイ子の双子の姉で、村杉の付き合っていた女性。しかし、すでに他界して、村杉にとりついて死後の世界へ
誘っているのだった。物陰から村杉の命を狙おうとするエレキの2人。

村杉のために送られてきたという「デリバリー中村のズッコケ講座」VTR。
ズッコケには3つの種類がある。「派手なやつ」「地味なやつ」「どちらでもないやつ」
これらをボケの達人、カチャラートフ家長男(キタロウ)。数々のズッコケを披露。
その後、世界のコケというVTRを。連呼される「ブラ〜ボー!」

村杉登場。今のVTRの中に昔飼っていたという親友の馬のカールが写っていたといい
映写技師に巻戻しを願うが、うまく再生されない。

山田探偵局の鈴木(いとう)が、彼に名刺を差し出す。名刺を破り客席にバラまく村杉。
カールとの出会いを語り始める。カールを見かけたという目撃談をたよりに出かけた先で男(住田)が倒れている。
血で書かれたダイイングメッセージは「馬」…文字がやがて馬になり駆け出していく。
村杉らが何者かを追うのをやめた探偵は行きつけの飲み屋へ…

行きつけの飲み屋。カラオケをしている会社員(上田・有田)。ママ(原)、チーママ(いとう)。
チーママ・洋子がいきなり「みんな帰って!」と言い出し、全員を追い出したところで考え事に入る。
その考え事とは恋人・タカシ(住田)から切り出された話について…。タカシから切り出された話とは…
実は今までのデートの5回に1回は双子の弟に代わってもらっていたこと、弟だけでなく父とも母とも
代わってもらっていたこと…。回想シーンに村杉が馬の行方を尋ねにやってきたり…
するとそこに馬が。ビルから飛び降りようとしている馬(の映像)が。飛び降りてしまうカール。

洋子が投げたコンニャクの行方をご覧ください。(前のコントで投げたんだけど、どんなタイミングが忘れちゃった)
コンニャク見てこんなに可愛いと感じたのは初めてです。

桃園の誓いの映像を見ながらのアフレコ。三宅、村杉、有田。
その様子を見つけて怒る姉さん。
全身ズッコケで体が筋肉痛になっている村杉。死んだお姉さんのことを忘れてといった私が間違っていたと謝るメイ子。
しかし、姉・トメ子の仕掛けた殺し屋?エレキが吹き矢で村杉を狙っている。
そこに誰かの声で「村杉、ズッコケろ」との声が聞こえる。コケたおかげで、吹き矢がそれる…と思いきや、背中にささるが
ちょうど筋肉痛で低周波治療器をつけていたために助かる。声は座長のものだった…。
村杉「…ということで、物語は終わる!」
見つめあう村杉とメイ子。それを見守るトメ子と座長。(みたいな感じだったと思う)

エンディングVTR。それぞれの作品名と作者がテロップで流れるが、速すぎ小さすぎで読めず。不親切よ〜ん。
ご挨拶。

「役者たちは生きてますので、おまけコントをやります。」とのテロップ。
医者(原)と看護婦(池谷)がボケの薬の治験を。ツッコミ役にまわる上田に次々とついていく×印。
でもまぁ…上田さんのツッコミを楽しむ時間ですわね(笑)。
「ありえない。浅草から雷おこしがなくなるくらいありえない」
「なんてわがままな!あんみつ姫か、おまえは。」
「ほんと、ビシバシステム、残念…」
「汗かきすぎ。温暖化の影響受けすぎ」
住田さんが客席の女の子に「あの子のために…」とアピールすると「田舎臭い客いじりするな!!」といとうさん(笑)。
審判(いとう)からレッドカードを出され退場となった上田の代わりに仕切り役となった有田…が仕切れるワケがない(笑)。

最後は「終了。帰って下さい。」のテロップ。

これだと帰りやすいね(笑)。

ドナインシタイン博士のひみつ学会 §1「動物のひみつ」 2004年6月15日青山円形劇場 
Dr.DoneinSteins Secret Congrees §1 Secretive Animals

ドナインシタイン博士とは…フライヤーによると、マサチュー工科大学摂津校客員教授らしい。
今回の公演が何度目かになるかわからないが、フライヤーによると前回は前世紀だったらしい。
そんなフライヤー頼りのレポートだが、レポートといえば、このフライヤーに実はひこっそり(ひっそりこっそりの意)
「私が見つけた動物のひみつ」なるレポートを客に提出してもらう…と書いてあった。
気付かずに出かけた私は驚いた。開演5分前。
円形劇場の一部をスクリーン&舞台とし、その前に広がる部分がアリーナ風、その周囲を取り巻く鉢状座席部分。
そこに出演者(の一部)が白衣を着て現れた。真中に、ドナインシタイン博士(川下大洋)。
彼により、まず公演の注意が告げられる。おなじみの「携帯電話を電源からお切りくださいますように」、だ。
それでもあまり動く気配のなかった客席に、「自信がおありのようだが、もし鳴った場合…」
そこで助手がササッと舞台に向けられていた照明を客席に向け、「このように照らし出し、みんなが見守る中、最後まで一人で
話してもらう。」なんて恐ろしい学会だ…(笑)。そして先ほどから触れている、レポート提出についての説明。
筆記用具をお持ちでない方への筆記用具配布は出演者である平田敦子さんから。ちょっと忘れたふりをしたかったくらいだ。
レポート内容はもちろん「私が見つけた動物のひみつ」について。書けない方は、裏にシカの絵を書くこと。
制限時間は開演までの5分間…。
5分後、横の人からまわしてきて〜!方式で集められるレポート用紙。
回収されている間に、正解のシカの絵が。動物飛び出し注意の交通標識です(笑)。シカは、私たちがヒジだと思っている
部分が実は手首なのだ、という説明。

まずは今日の学会発言者登場。舞台に並ぶ腹筋善之助さん、粟根まことさん、カリカの2人、Kinx’s(楠見薫さん、二宮いずみさん)。
左手に発表壇と映像機器などなど、そして造形発表と名がある水野泰彰さんと、映像発表とある垂見トモユキさんと思われる方。
(ちなみに大阪公演では平田さんの代わりに美津乃あわさん、カリカの代わりに藤元英樹さん、浅越ゴエさんが出演)
出演者はそのまま舞台右側の席へと着席。

まず最初は、今回の動物の定義を博士から。動物の種類、目、科…といろいろとある…などいった話。
手始めに…というか、円口類のやつめうなぎなどを紹介してみたりして。写真付きで口の中までも。
おお、相当に気持ち悪い。続いてカモノハシなどの説明を始めた博士に、平田助手は何度か「パンダ…」と呟き
そしてしまいには、パンダとそれ以外という区別でいいじゃないかと食い下がる。今回の学会の目的は
みんなをパンダ好きにさせる洗脳なんだから、とぶっちゃけられ、博士は投げ飛ばされる。
水野(素人らしい)助手の造形と思われるパンダグッズでどんどんパンダ化していく平田助手。
一通りのパンダの格好が済んだところで、エサとして竹を与えられるが食べたくないと平田パンダは一度舞台裏へ。
再び博士によるパンダの話に。もともと、パンダと呼ばれていたのはレッサーパンダ(レッサーの写真かわいいっ♪)であったが
いつのまにかジャイアントパンダがパンダとして知られるようになったのはなぜか、パンダの目の黒い部分に騙されていやしないか
(実際ここで、目の黒い部分を取り除いたキョトン瞳のパンダ写真を紹介。ちょっと不気味だった(笑))動物園でのあの行動は
すべて計算している…などと論じていると、そこに目の周りを黒くした平田助手が戻ってくる。「私たち悪者なの?」…悲しい物語を
語り始める。(ここで出てきた竹の花のお話に、ん?と思った大人計画ファンでもある客は果たして何人いたのでしょう(笑))
何年かに一度咲くという竹の花。咲いた後、その竹林は枯れるという。ある年、全国的に竹の花が咲き、竹が枯れたとき、
食料に困り家族が死んでいった。そんな時、車がやってきて連れて行かれて檻に入れられた。だけど、そこには食べ物があった。
人間って怖いと思っていたが、いい人もいると思った。命を救ってくれた恩返しに、子供達に笑顔を与えようと…。
話を終え退場する平田パンダ。
博士「この中で、帰りにペットショップでパンダ売ってたら買う人!」
客席からパラパラと手が上がる。…我が家、ペットだめだからなぁ〜(笑)

腹筋善之助の“ある特殊なジャンルの演劇を用いての”発表。
ある悲しい目をしたたぬきの「むさし」と出会い、その悲しい目の理由をしろうとたぬきの心理の内部に入り込んだ
ところから話が始まり…長いので前編、後編に別れているそうです(笑)。
彼の発表は文字にしてもなんらつまらないので、略(笑)。動きは腹筋さんの公演を観に行ってください。

VTR出演・浅越ゴエ(ザ・プラン9)。「平成17年1月1日 ついに十二支が変わる」レポーター・猪熊辰巳(浅越)。
道端にラインを引き、そこにゴールする生き物を新しい十二支に決めてしまおうという企画。まず最初に通ったのは…犬。
そして次に通ったのは、亀。次に幅跳びにチャレンジした人間。そして再び犬(笑)。続いてきたのは鳩の大群。
よって、新十二支は「犬、亀、犬、人、鳩、鳩、鳩、鳩、鳩、鳩、鳩、鳩」になりました(笑)。

VTR出演・三上市朗。彼の愛犬。レオンくんとアトムくんの散歩風景。2匹の脱糞映像が続く。それを嬉しそうに拾う三上氏。
自宅に帰り着き、愛犬たちと会話する三上氏。三上氏の問いかけに首をかしげる愛犬2匹。
パピヨンと思われるレオンくんとアトムくんがとても可愛いのと、三上氏の溺愛ぶりがほんの少し気持ち悪いのと(笑)。

VTR出演・後藤ひろひと。オーストラリアにいるという後藤氏。(後藤氏の発言・行動は9割型信用しないほうがいい)
オーストラリアの動物をクイズ形式で紹介していくのだが、最初のコアラはいい。次のカンガルーから、上に貼られた目隠し付箋が
はがれにくくなっていく。エミューでは、ミの部分がはがれず「エドゥー…ですね。横浜フリューゲルスの選手と同じ名前の動物が
いるなんて、驚きでしたね。」…。次に出てきたウォンバッドは殆どはがれずで、「ねずみ!」と紹介。

粟根まことさんの“アカデミックな”発表とは…「ゲーム動物のひみつ」
まずは最弱のモンスター・スライム。(最弱の主人公はスペランカーだそうです。ゲームは知らないのでなんのこっちゃ)
いろんな種類のスライムがいるということで、ジャイアントコーンのCMに乗せて、スライムのコマーシャルも発表。
他、ポケモン、どこでもいっしょ、ファイナルファンタジーのオンラインゲーム、ゲーム上用語、塊魂、ハードドライビン…などなど。
えっと…ある意味、ネタです(笑)。スケッチブックネタならぬ、スクリーンネタのようなものです。芸人です(笑)。
興味をお持ちになった方、粟根さんがネタ番組に出るのを待ちましょう。あ、著作権が。

カリカ。布団で寝ている克治少年6歳。夢でうなされて起きたらしい。泣きながら母を呼ぶと、ピンクの和装に銀のカツラという
出で立ちの母(家城)が。「6歳でしょ。悪夢を見たくらいで泣いたらだめ。大人になったら起きている間、ずーっと悪夢なんだよ」
犬が飼いたいと言い出す克治少年。反対する母。「ダメ。犬は思っている以上に、小骨が多いの」「食べないよ!」
犬は人間に育てられると自分を人間だと思ってしまう。母は10歳まで狼に育てられた過去のショックを思い起こしているようだ。
犬の気持ちについて語るうち、犬ラジオへとコントは展開(笑)。母は結局、ビーグルと嘘をついて、ドーベルマンを息子へ
買い与える。一番の仲良し友達としてドーベルマンのジョンと成長する克治少年も、気が付けば24歳。会社にも「盲導犬」と嘘をつき
一緒に通わせていたが、ある時、母が狼の血を思い出し殺してしまう。怒る克治少年は母に銃を向け、習いたてのイタコ技で
ドーベルマンを交霊させる。ドーベルマンは犬の気持ちを語り始める。あんなに仲良しだと思っていた克治少年のことを
ドーベルマンはうらんでいたのだった…。人間の成長とは比べ物にならない速さで、老いていく犬。なのに、克治青年は
そんなことも知らずに犬に無理をさせる…例えば、従業員が必死で止めるのも関わらずスペースマウンテンに乗せたり(笑)。
そんな人間どもを恨んでいたドーベルマンだったが、克治青年だけは嫌いになれなかった…と最後は和解。
しかし、乗り移った母がイタコの戻る技術がないことを知っていたドーベルマンはこのまま母の体に乗り移ったまま、
克治青年と2人で暮らしていこうと言い出す。克治青年はそこで、やはり母が一番大事だと気付き、頭にお札を貼り
ドーベルマンを除霊する。結局、ペットとは家族の愛情を強めるためだけに存在するのでは?と勧進帳並みにポーズをとる克治青年。
そこで母「イタコの心得。完全に役になりきること。騙しきること…。初めてにしてはうまく出来てたかな??」

実は久しぶりのカリカ2人のコント。独特の暗さと歪み、そして優しさ。さすがは家城さん。本当にその闇の部分に興味を
惹かれてしまいます。

VTR出演・板尾創路。(どうでもいい話だが、創路、が一発で変換できたぞ。私のオフィスパソコン。)
彼は「犬のひみつ」について報告するとの話だったそうだが、撮影日当日、姿を見せなかったという。
そんな板尾さんがいたのは病室のベッドの上。頭と鼻の部分に包帯を巻いている。犬の秘密をさぐろうと接触したところかまれ
鼻の穴がひとつになろうとしだしたらしい。…相変わらずの板尾ワールド(笑)。

VTR出演・山内圭哉。今回はほかの公演と期間がかぶったために、参加できずすいませんとのご挨拶から。
白鳥を捕獲したとかで、白鳥の秘密について報告する…が、その前にサービスカットとしてマンスリー契約しているという自室のご紹介。
ドンキホーテで買ったという自転車、立て付けが悪く壊れかけている靴箱、完全に壊れている風呂場のドア(完全取り外し)、
洗面所と風呂場が重なり合っている超狭ユニットバス、あちらこちらにあるプロレスラーのフィギィアやら切り抜き、
ファンからのいただきモノだという焼酎などを紹介し…さて、肝心の白鳥は??と思ったら、カメラが引いて山内さんを映すと
ん?肌色。お、つけてるのは帽子と白鳥パンツだけやん。…相変わらずの山内ワールド(笑)。

Kinx’s。探検隊のような格好で歌での発表をするかわいらしい?2人。CDも売っておりました。ラップなんかもいたします。
詳しくはCDでも買ってみてください(笑)。

腹筋善之助さんの発表後半。話は宇宙へと飛んでいます。すごいスケールです(笑)。

全員揃って告知。カリカからは「リハの方がうまく行ったんで、皆さんには是非リハを見てほしかったなぁと思いました」と
感想が(笑)。ご挨拶の後、お客様が書かれたシカの絵をみんなで鑑賞。家城さんが爆笑でございました。
ここで博士以外、全員退場。最後は博士から、動物=生きている=死なない…→歌「ありがとう」をギター演奏付き。

以上でおしまい。



日本総合悲劇協会「ドライブインカリフォルニア」 2004年5月13日 下北沢本多劇場

二回目の体験となる「ニッソーヒ」です。前作は荻野目慶子が印象的だった「業音」。
悲劇の名にふさわしいんだかどうなんだか、軽いギャグギャグギャグと来てるけれど、試合(舞台)終えてみれば
体きついなー、みたいな。でもまた試合するぞー!って。そんなボクシングドラマですわ。ってのは嘘。

ドライブインカリフォルニア経営者・我孫子アキオ:小日向文世
アキオの妹・マリエ:秋山菜津子
マリエの息子・ユキヲ:田村たがめ
アキオたちの異母兄弟・ケイスケ:田口トモロヲ
アキオたちの父・ショウゾウ:村杉蝉之介

マリエのマネージャー・若松:仲村トオル
若松の妻・クリコ:片桐はいり
クリコの駆け落ち相手・ヤマグチ:松尾スズキ

ドライブインのバイト・エミコ:小池栄子
エミコの元夫・大辻:荒川良々

アキオの恋人・石垣マリア:猫背椿
お小遣いさん:大塚辰哉
村人:尾崎拓也、関谷悦明、富川一人、宮沢紗恵子

退屈で平凡な町。ドライブイン「カリフォルニア」を営む兄弟、アキオとマリエ、そして異母兄弟のケイスケ。
そこにヤマグチとクリコが駆け落ちしてやってくる。クリコの夫である若林が、やがて2人を追ってやってくる。
若林はそこで、地元でバンドのボーカルをやっていたマリエの歌の才能を見出し、マネージャーとなって東京で
売り出すことにする。上京したマリエはそこで結婚をし、子供をもうけるが夫は事業に失敗し首吊り自殺。
父の自殺のショックで人の言葉が聞こえなくなった息子・ユキヲと、地元に戻ってくる。

そこは相変わらず退屈な日常に包まれている。新しく入ったバイトのエミコ、そしてアキオの恋人と名乗るマリア。
そして死んだはずのアキオらの父・ショウゾウ。ショウゾウは普段は地下室に閉じ込められていた。
なぜショウゾウは地下室に?…
母が自殺をした縄を大事にし、裏の竹やぶにかけるマリエ。
それを、ユキヲが外そうとして誤って首を攣って死んでしまう…。

うはー。初っ端から自殺のオンパレード。しかしなんだろう。こうも解禁になれば、死というものが近くなったようで遠のく。
「完全自殺マニュアル」を読んだ時のように。「ああ、いつでも死ねるのなら、今はとりあえず生きておくか」みたいな。
積極的に「生きろ!頑張れ!辛いのはおまえだけじゃない!」なんて励ましはクソ喰らえですが、こういう淡々とした
事象の並列は実に心地がいいものです。

私はすぐさま戯曲を買いました。活字にしてみれば、これまた死生観が面白い。「寝台車」のくだり…いいですよ。
そういうことに興味がある方は是非どうぞ。

ちなみに初演時は、松尾さんが荒川さんの役・大辻を。他、仲村トオルの役・若松を浅野和之、
田口トモロヲさんの役・ケイスケを手塚とおる小日向さんの役・アキオを徳井優…と、
なんとなくわかるわかるな配役だったようです。
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