PAPER COMEDIAN 2000年3月23日 東邦生命ホール
開場30分遅れ。整理番号順に並ばされるが、入り口が2つ開いたらしく整理番号は無視される始末。
案の定の心配通り、席取り合戦も繰り広げられる。そんなステキな気分で始まったペパコメ3回目。

まずは今回初参加のシャカ+1(ゴリけん)と、桜井シロ・安芸純のラフィングパイチームが作家陣として
加わったという
「HOT DOG SHOW」。癖のある3人と、これまた違う意味でクセのありそうな作家陣。

熊川俊介。通称・リトマスくん。彼の家は母子家庭である。普段は無口な彼だか特技がある。
それは顔色でいろんなものを判定できること。・・・・・・・あぁ、これ以上の説明は無理(笑)。
生たまごを飲んで、牛乳を飲まされて顔がブルーになり・・・と、昭和のコントを見ている気分だった。

ゴリラのけんじろう(もちろんゴリけん)が立派な人間となって東大に合格した。
父(大熊)と母(植松)とでその合格を祝っている。
「8:2でゴリラだったからなぁ」
「人一倍ゴリラでしたね」
人間になるため日夜努力してきたけんじろうだが、20歳を機に条約の関係でザイールに
戻らなくてはならないという。

町田市連続放火事件裁判。連続放火犯として、町田くん(ゴリけん)が裁かれる裁判。急に弁護士が
来られなくなってしまったため検察側(植松)が弁護士も兼ねることに。裁判の証人として出廷するのは
被告の母親であったり、被告の性癖の関係でSMの女王や、被告が傾倒している宗教の代表が来たりと
役に立たなさそうな人ばかり。しかし、最後にはなんとか弁護士がキックボードで駆けつけ間に合い
裁判は勝訴へ。

リトマスくん。家を出ていったハズの父親(大熊)が母親(ゴリけん)の留守中に帰ってくる。
元々、父親が尻に引かれている熊川家。帰ってきたがいいが、いいたいこと1つ言えない父親。
なんとかぬいぐるみを使って言いたいことをいってみるが、すぐに母親に叱り飛ばされる。
そんなとき、しょぼくれている父親の後ろでぬいぐるみが一人でに話しはじめ・・・。

まぁ・・・・。ここまで書けた私はエライ(笑)。理解の範疇を超えるネタも中にはありレポートするにも???だった
もんだから・・・。とくにリトマスくんね・・・(笑)。
裁判のネタは「あ、これは大熊くんリズム(テンポとかが)だから、彼が書いたんだろうなぁ」とすぐにわかった。
元々濃いシャカの風味に、さらに濃い味のゴリけんさんが加わっていたので、なんか「抜ける」ところがなくて
息詰まった印象を受けた。リトマスくんはそれにさらに輪をかけて、酸欠状態。笑えない、笑えない。

故林広志プロデュース・親族代表。
どうでもいいニュース。VTR形式になっていて、その前にディレクターらしき人物などが立つ。
「今日午後○時○分頃、東名高速厚木インターチェンジ付近で石材を運搬中の大型トラックと
対抗斜線を走ってきた8人乗りのワゴン車がうまーくすれ違いました。いい感じでした。
北朝鮮何かをドンドン発射のニュースが入ってきましたが、どうでもいいニュースを続けます。
大韓航空機墜落速報はそのあとで、それって速報なの?を話し合います。」
診察。健康診断を受けに来た患者に、さらなる診察を勧める医者2人。なにか病気なのか、と聞くと
無理やり話を変える医者たち。レントゲンを撮ることになるが、医者の言うポーズの指示がどうも変。
セクシーポーズだったり・・・。
記憶喪失。事故に遭って記憶をなくした男。街で知り合いに会うがようちゃんだったり、エリックだったり・・・。
ボク刑事。99年7月のペパコメでも披露されたネタだ。ボクちゃんと呼ばれ何かと子ども扱いされる熟練刑事。
ボクと呼ばれることはなんとか辞めさせることができたが、
ボス「かわかつ、おまえに渡したいものがある。ポケモンお風呂セットだ」
かわかつ「どういうことですか!僕がそんなものをもらって喜ぶとでも?」
同僚「かわかつさん!ボス、かわかつさん、それもうもってます。」
かわかつ「どういうことなんですか!どうしてボクを子ども扱いするんですか!」
ボス「そう怒るところを見ると・・ははーんっ、眠たいんだな」
こんな職場に嫌気がさして、辞めて別の職場に行くが、
今度は「こっちだ・・・ホイ!よーし、こっちだ!ホイッホイッ」と、犬扱い・・・。
正義の味方、いとうけんじ。出版会社に勤めるいとうけんじ、彼にはもう1つの名前があった・・・。
金持ちの家で拉致されている使用人、そして強盗。そこに現れたのがいとうけんじ。彼はその場で変身を
始めるが・・・「その実態は!!田中ノリオです」・・・・正義の味方のサラリーマン。
実は使用人も強盗も、別の姿がそれぞれにあった。
記憶喪失。事故の後遺症で記憶をなくした男。その男のサインを持っている人が現れたが・・・「どっちが上?」
再び名前を呼んでくる人間がいたけど、今度は人違い。
そして彼は、交通事故から人を助ける。「せめてお名前だけでも・・」無言で立ち去る記憶をなくした男。
御神体。こちらも以前のペパコメで披露されたネタですね。

面白いんだけど、ウッチャンナンチャンなんかが、キッチリ作りこんだネタを作っていた時代の頃の懐かしい感じの
空気がぬぐえない部分もなきにしもあらず。つまりは・・・ちょいと古い。
ま、その分、安心して笑えるんですけどもね。こりゃあ、ホットドックショーの後だったからよかったのかな。
お口直しのサラッとしたお茶というか。客席の笑い声もサラリとしている。
ちなみに私が一番気に入ったネタは、どうでもいいニュース。つい九十九一を思い出しまして・・・(笑)
そうそう、話は前後するけど、ホットドッグとはいいことを言ったもんだと感心した。それは客席の笑い。
ホットドッグの味のような笑い方だった。だから親族代表の笑いはまさしく、緑茶の味であり笑いだったかなと。

チョコレイトハンター
白いつなぎの男5人が薄暗い舞台の上を歩き出す。シルエットでも誰が誰だかしっかりわかる5人。
そして、横一列(右からオークラさん、豊本さん、賢太郎さん、飯塚さん、仁さんだったと思う)に揃って並ぶ。
彼らの胸のあたりに投射される文字「CHOCOLATE HUNTER」。
透明人間。「私は透明人間、誰にも見えない」4人の透明人間。
小林「私はレフリー。誰も見えない」・・・見えない人間4人によるボクシングが始まるが当然誰も見えない。
飯塚「あ!当たった!今なんか当たった!!早くカウント!カウント!」
小林「見えない!」
オープニングVTR。オークラさん作のチョコレイトハンター名物?の映像だ。今回もかっこよくまとめてある。
音楽もセンスがいい。おいおいおいおいおい(5人分)、かっこよすぎやしないかい?(笑)
ヤクザ抗争。ヤクザのボスと思われる小林が豊本に銃を突きつけている。
その小林の横に子分と思われる男(オークラ)が立っている。
小林「本気でチャンピオン目指すなんてことはバカなヤツのすることだよ・・・」八百長を要求している様子。
ここで舞台袖の飯塚さんのマイクが生きていて声が聞こえる。
小林「おい、誰かマイク生きてるぞ(笑)。気をつけろ〜。あれもバカのすることだよ・・・。」
豊本「オレが謝っておく」
小林「おまえのよく知ってるヤツだよ(笑)」
100万円の金と引き換えに八百長を引き受ける豊本だが、
小林「見損なったよ、おまえそれで悔しくないのか。こんなチンピラにこんな汚ねぇ金で動かされてくやしくねぇのか!」
オークラ「やかましいや!さっきから聞いてれば誰に向かってチンピラっていってんだ!」
小林「ちょっと待て。やかましいのは俺だっ!!チンピラって言ったのは俺だ!!」
ここからこのオークラの暴走が始まる(笑)。なぜか豊本に向けられた銃口が気がつけば、ボスに向けられたり
豊本の姉として拉致されてきた女が実はオークラ(エディというらしい(笑))の姉だったり。
その姉を撃っちゃうし(笑)。「オレを産んでくれた姉貴・・・」それで打ちひしがれているエディを励ますのは
姉を拉致してきた片桐仁。ここからなぜかスローでみんなで撃ちあい(笑)。ひとりワケがわかんない豊本。
生き返った姉貴だと思っていたお兄さんが生き返ったと思ったら「このビデオは絶対みてはいけない・・・」
舞台上がゾンビなんだか貞子なんだかわかんない5人でいっぱい(笑)。
食用人。義理の兄の小林宅にやってくる飯塚。部屋に入るとそこにはブリーフ1枚で吊るされた男(片桐)が。
義兄はまったく気にすることなく会話を進めるが、飯塚は気になって仕方ない。
勇気を持って聞いてみると、小林家の実家の方では有名な「食用人」だという。
少し臭みがあるので焼いたりして食べるそうなんだけど・・・
小林「焼いちゃえば、匂いなんてね・・・人によるからね。そういうのってね」
飯塚「それ、食べるほうですか?食べられるほうですか?」
小林「ん?」
飯塚「本当に食べていいんですか?」
小林「いいんだよ。だって彼、偏差値20以下だもん」
飯塚「偏差値20以下だったら食べていいんですか?」
小林「そりゃそうだろ。偏差値高かったら断られるだろう」
飯塚「そうだ。そうだ・・・そっか、そうだ」
しゃべりもする食用人だけど、食べちゃうんだよなー(笑)。
ちなみに・・・食用人の飼育方法〜「人オスと人メスで交尾。受精ののちおよそ10月10日で
出産」し、「高校2年で中退後市場に出回る」らしい。ちなみに、カルビ部分ももちろんある(笑)。
電車。電車内。車掌(豊本)、ヤクザの男(片桐)、学生(オークラ)、サラリーマン(飯塚)、老人(小林)
が乗り合わせている。空いた椅子をめぐって座席争いになるが、誰も老人に席を譲ろうとしない。
そこで老人が怒り出し、杖を振り回し・・・踊る・・・踊るのですよ。5人そろってのミュージカル状態ですわよ(笑)。
会場中は「うほ〜!!」お客さん手拍子〜。まったく、チョコレイトハンターをSMAPに喩えたくなる気持ち
許してくださいよぉ〜といった感じ(笑)。華麗なダンスでチョコレイトハンター終了〜!
毎度思うことだけど、強い強い強い。5人の強さ、ここにありといった感じ。
映像のオークラさん、音楽の豊本さん、頭脳の小林さん、キャラの仁さん、で、常識の飯塚さん(笑)。
まさしく、こちらはポップな笑い。気持ちのいい笑いでした。

さてさて心配のタネ(笑)、トークコーナー。
司会にニッポン放送の吉田アナと桜井シロさん。ベタで大仰な紹介文を読み上げられて途中で中断させるかの
ように入ってきた賢太郎さん・・そりゃあなぁ(笑)。と、登場〜してそんな感じで(笑)。
舞台下手に安芸純さんと大熊くん、舞台上手に故林広志さんとオークラさん、小林賢太郎氏。
今回から参加した大熊くんは芸人として、場を盛り上げようと努めているのか“世話女房”ぶりを発揮していましたが、
スーツ姿で決めた賢太郎氏、始まる前からなんだかイヤそう(笑)。オークラさんとコソッと話したりしている。
前回までの「PAPER COMEDIAN」をご存知の方なら、この賢太郎氏の気持ちが少しはわかるんでは?(笑)
もう1人の初参加が司会の吉田氏、この人がいることで、前回の失敗点を補うことができるのでしょうか・・・ねぇ。
さて。始まってみると前回でもしていたような質問が(さすがに書き起こしただけあって記憶がちゃんとある(笑))
出てくる出てくる。微妙に変えて(ちょっと軽い聞き方になっていた)はあるけれど、ん?改めて聞くことかしら?と
思ったりもする。前回までのことを帳消しにするつもりなのだろうかなぁ・・・?
大まかな話の流れをご説明申し上げますと・・・
・まずは大熊くんがなぜ参加することになったかの所以から。
安芸「合同コントで各チーム対抗で、即興でやるっていうんで・・・大熊君のところは東急ハンズで袋一杯
買ってきて“あ、こいつすげぇな、サービス精神あるな。一緒にやってみたいな”と思いまして・・」
大熊「ハンズ芸人ですね・・・。僕らの一個前はダンサンブルっていうのがおりまして・・」
ハンズ芸人は・・・あはは、苦手です(笑)。
・「ラーメンズが陰なら、チョコレイトハンターは陽と雑誌で言っていたが、今日のネタでチョコハン的なところは?」
賢太郎さんは質問されるとやっと顔をあげ、汗をぬぐい(たぶん冷や汗(笑))ポケットから出したのは
ハンカチではなくマスクだったりと、細かい仕込みで笑わせてくれるじゃないの。(こっちもつまんない先生の
授業見ている気分だからね(笑))
小林「かつては、ラーメンズも踊りをコントに取り込んだことがあったんですけども(ハァ〜・・・ため息)今日の
御覧頂いた作品の中では、最もラーメンズから遠いところにあったのが最後のダンスコントというか、コントダンス
だと思うんですけども・・・(沈黙)派手なんですね、チョコレイトハンターの方が。お客さんを楽しませることを
軸に考えてますね。チョコレイトハンターは僕がやりたいことを軸に考えている気がします。」
・「ラーメンズは意識的に地味にしてる?」
「結果地味になっていくんですね。ボクが地味な人だから」
・大熊くん、裁判のヤツとゴリラのネタを今回は書いて、安芸さんが作ったリトマスのネタ(最後の)は
「ただ一番びっくりしたのは、最後のネタもらったとき、意味わからなかったんですよ。(中略)僕らエライ
テンパリまして。これ理解できんと・・・植松さんに、おまえ言うても大学卒やんけと、その頭をフルに生かして
この台本を理解してくれ、「(植松くんが)うん」言うて、ストーブで焼きにかかりました。」
・チョコレイトハンターのネタの振り分けは・・。
「1本目の透明人間と、最後のダンスが僕でそれ以外が彼の(オークラ)作品です」
・大熊くんが話の転換に?「じゃあ、ピンサロの話でもしましょうかね・・・すいません、また空気を読み間違えました」
というと、小林さん「ピンサロというのはねぇ・・」とエエ声して入ってこられました(笑)。
・「昔からの知り合いでしょうが、新しくモノをつくるとなったときに、刺激される部分はありますか?」
オークラ「・・・・あ、ラーメンズが最近人気出てきたな、とこれマジで感じますね」
小林「彼(オークラ)がプレーヤーの脳みそが衰えてきたな、という気はしますね。
その代わり、書く力はすごいんですよ。半端じゃないんですよ。ペースと量が。で、質も落ちてないんですよ。
ただあの、それが道具として使いやすいかというと違うんですよね。その脚本がコメディアンにとって道具として
使いやすいかどうか・・・難しいんです。むっちゃくちゃ面白いんですけど・・・、ボクは彼が書いた本に対しては
役者になるわけじゃないですか。じゃあ、役者としてこれをどうこなしていいのかっていうのが、彼は見えないまま
書いているんですよ。で、すごいのをくれるんですよ、ボクに。」
(それはオークラさんが小林さんを認めているからではないのか)
オークラ「あー、そうですかねぇ・・・」
・演者の中からコントと演劇の違いを感じるか?
故林「演芸の人たちは、いやらしい話ですけどすぐお金に帰ってくるというか、営業にしても何にしても仕事として
先が見えてくるじゃないですか。演劇の人はお金のことを念頭に置いていないので、悪い言い方をすると
のんびりムード。そんなに外しても、1人1人に責任がない、と。1人1人の責任となると演芸の人より軽い。
それが演劇の人とやっていると歯がゆいところでもある。」
・大熊さんが「チョコレイトハンターに入りたい。勝ち馬に乗りたいなと。」といえば
「・・・初対面ですから」で返すチョコハン組。
・今後ペパコメでやってみたいことは?
小林「チョコレイトハンターで一切僕が出ないというのをやってみたいですね。そういう回もあってもいいかなと、
逆に一切書いてないとか。一切書かないで演者としてのみの参加とか、そういうこともやってみたいと思います」
オークラ「ボクもですね、チョコレイトハンターでボクが一切でない・・・じゃなくて(笑)、開演時間通りのライブを
やりたいですね。」
故林「芸人さんっていうより、そのへんを歩いている人たちを舞台上に上げて、演出によって笑いを作れるような
そういう試みができればと思っているんで」
結局、思わぬ開場の遅れで撤収の時間とかの関係があったんでしょうね、ものすごい巻きがかかって終了〜!
終了間際、なーんか賢太郎さん企んでいるだろう〜と思ったら、仁さんがキックボードに乗って舞台をヒュ〜と駆け抜け、
それを飯塚さんが「待ってよぉ〜」と追いかけるというおまけで、会場を笑いに戻してしめてくれました。

開演の遅れ、入場時の問題、マイクの音声ミス、小道具の撤収ミス、音楽のミス・・・・など
スタッフの手際の悪さが目に余りましたが、あまりに余ったんで、こっちが改善を望みたかった部分はわかると
思うんでね・・・何もいいません(笑)。はい。チョコレイトハンター、面白かったです。
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